2011年 07月 20日
喉が詰まって声が出にくいひとって、本当は声が良いひとなの?
はい、その可能性はあると思います。
喉〔舌骨・甲状軟骨・輪状軟骨〕は
人体の中で唯一、空中につりさげられた器官(内臓などを除く)です。
次の絵は、頭頚部と甲状軟骨および舌骨を、右斜後から見た状態です。
茎突舌骨筋と茎突咽頭筋を描きました。
緊張したり体調を崩したりすると
安定感を求めるためか、喉は奥へと入り込みます。
(実際には、詳しい直接の原因はわかっていません)
当サロンでは、この状態を 『深奥Position』 と称します。 《しんおうぽじしょん》
その絵を供覧します。
上が深奥化していない状態、下が深奥Positionの状態。〔追記2を参照〕
この深奥Positionになる方々には特徴があります。
それは、喉が大きいひと。
これは、舌骨や甲状軟骨が大きいことを意味しますから
音質に関与する共鳴腔が大きくなるのです。
確かに、共鳴腔は使いこなさなければ良い音声にはなりませんが
楽器として考えた場合、共鳴腔が大きなほど響きや音色が良くなります。
例えば、ご自宅にある縦長のアップライトピアノと
ホールにある大きなグランドピアノでは
一般的にグランドピアノの方が音が良いと考えられていますよね。
これと同じ理屈です。
そう、舌骨と甲状軟骨の形状(大きさ・角度・厚みなど)によって
音声が異なることがわかっています。
これらのことから、「喉が詰まって声が出にくいひとって
本当は声が良いひとなの?」はおおむね成立します。
喉の詰まりを改善するため、当サロンに通院して完治した方の多くは
その後、声そのもの(質)が良くなっています。
実際に、昨日のようなお言葉
「声の出しにくさを克服した女性からのメッセージ」を多くいただきます・・・
皆さまの声の改善や向上を心より願っております。
ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)
追記1:甲状軟骨(舌骨を含む)の横幅は、ヒトの発生学から考察すると、頚椎椎体(棘突起と横突起を省く)の横幅とほぼ同じ程度。しかし、個体差や破格が多く存在する場所でもあります。大きかったり小さかったり。喉頭隆起が尖っていたり後端が広がっていたり。とくに椎体横径より大きな場合は、深奥化に伴って、より深く入り込むように感じます。こうなっては詰まるのは当たり前。お大事に…
追記2:「深奥Positionは病気ですか?」と問われますが、これは病気ではありません。甲状軟骨や舌骨の位置の状態を示すだけのものです。深奥化しても、呼吸ができなくなったり、嚥下・摂食が不能になったり、声がまったく出なくなったりすることはありません。ただ、喉が詰まった感じがして、声が出しにくいのです。ほとんどの耳鼻咽喉科や呼吸器科でも、病気とは認定されません。(痙攣性発声障害や機能性発声障害の病気は除く)
~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice
| 2011-07-20 06:14