2016年 03月 18日
左を向く、右を向く… 声が変わるひとは要注意【過去記事再掲載】
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「顔(首)の向きを変えたら声が変わる」ひとは以下のいずれかが考えられます。
①茎突咽頭筋の左右の筋バランスが異なっている
②茎突舌骨靭帯の左右の長さが異なっている
③中咽頭収縮筋内結合織繊維の左右の量が異なっている
④咽頭共鳴腔の空間形状が生まれつきシンメトリーでない
⑤その他の理由
以前、ある声楽家が「観客から『右から聴くのと左に位置して聴くのでは多少音が違う』と言われました。
耳鼻咽喉科に行っても声帯に問題ないそうです。
何が起こっているのでしょうか?」と悩み当サロンにお越しになりました。
検査した結果、右の茎突咽頭筋が左に比して緊張があり、右を向くと甲状軟骨が押し込まれ共鳴腔が狭くなって劣音となっていました。
実際、防音室内で左右に向いたときの音の違いも確認できました。
そこで、改善のためのアプローチ。
喉頭牽引機を改造し、右に10度の角度をつけ、右茎突咽頭筋の伸展を増加し、6㎏15分の荷重で牽引しました。
右茎突咽頭筋に3MHz50%2W10分の超音波を照射しました。
茎状突起から甲状軟骨縁まで、起始停止とモーターポイントを熟考しながら、ストレッチングを繰り返しました。
これら数回の施術で、左右差は改善され、左右の聞こえの違いは消失したのです。
数十例に対処してきましたが、やはり①が最も多いのではないかと考えています。
左を向く、右を向く・・・、声が変わるひとは要注意ですよ。
~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。
by aida-voice
| 2016-03-18 10:06