賛否両論 Part1 うがい


巷で、声に関わる情報を集めてみました。
すると、Aさんの意見とBさんの意見では正反対。
これらを科学的かつ独断的に解説してみたいと思います。
22回に分けて掲載する予定。
さあ、どっちが正しいの?


Part1 うがい
Part2 加湿器
Part3 吸入器
Part4 スポーツ
Part5 飲酒
Part6 セックス
Part7 自転車
Part8 ダンス
Part9 ガム
Part10 たばこ
Part11 飛行機
Part12 船
Part13 タートルネックの服
Part14 ネクタイ
Part15 あくび
Part16 ハミング
Part17 ささやき声
Part18 昼寝
Part19 枕
Part20 ジェットコースター
Part21 カラオケボックス
Part22 ×××


最初は、Part1の“うがい”です。

世間一般的には、手洗いとうがいを推奨していますが
これは感染防止などの衛生面でのお話。

ここでは、できるだけ声だけに特化して考えてみましょう。

①何のためにうがいをするのか?

②うがいをして声は良くなるのか、悪くなるのか?

③本当に必要なのか?

まずは①です。

ボイスユーザーに質問しました。

「あなたは何のためにうがいをしているのですか?」と。

その結果、第一位が「風邪予防」、第二位が「喉の乾燥を防ぐため」
第三位が「声を良くするため」となりました。

第一位の風邪予防ですが、現在、うがいの効果に関しては
医師によっても評価がさまざまです。

前述のように感染予防につながるので勧めている医師もいれば
あまり効果は認められないと考えている医師もいます。

さらには、イソジンや薬剤のうがいは、本来人間の持っている免疫力を弱めるから
やめた方が良いと言う意見。

そして、真水は粘膜浸透圧に問題が生じるためスポーツドリンクを
使用すると良いと言った提言もあります。

このように、風邪予防に関しても意見がさまざま。

そう、ここでも賛否両論なのです。

次に②について考えてみましょう。

はたして、声の良し悪しに関係するのか?

まず、うがいは発声システムの、どの部位で行っているかを知りましょう。

主に、口腔と咽頭の一部ですよね。

それ以上入り込んでしまうと、咽(むせ)たり誤嚥したりして危険です。

もちろん声帯になんて到達しません!

以前、「うがいは声帯をきれいに洗い流してくれるから
深く、そして頻繁にやってください」と提唱していた
ボイストレーナーがおりましたが、これは真偽も疑われ
かつ、危ないのではないかと思われます。

では、うがいによる口腔と咽頭の変化はどうでしょう。

口に含んだ液体で口腔の大きさや形状を変える
すなわち体積を変化させるのは可能です。

しかし、咽頭は難しいですね。

以前、わたしは口腔の形状を変えてトレーニングする手法をお伝えしました。

覚えていますか?

エアすすぎです。

うがいは、空気でなく液体を使って行っていることにほかなりません。

したがって、喉の奥でガラガラするうがいでは声に良い影響はありませんが
口の隅々までクチュクチュさせるうがいなら
多少は声にとって良い影響があるかもしれません。

ただし、液体より気体の方が流動性があるためスピードも違いますし
液体は口からこぼれたり誤嚥したりする危険性も高いので
声を良くする目的でのうがいなら、エアすすぎの方が有用だと考えます。

最後に③の必要論です。

例えば、冬の風邪やインフルエンザが流行る時期、毎日複数回うがいを
敢行していたら絶対にうつらないのでしょうか?

No.

決して、そのような完璧な予防策ではありませんよね。

菌やウイルスは、主に鼻腔から入って、気道粘膜のいずれかの部位に付着し
そこから感染します。

うがいでカバーできるのは、ごく少ない面積。

以上が概要です。

これらをふまえ、うがいの長所と短所(弱点)を
正しく知り、ご自身で判断されると良いでしょう。

やはり賛否両論。

さあ、あなたはうがいの肯定派、それとも否定派?

賛否両論 Part1 うがい_e0146240_1451672.jpg







追記:鼻うがいも、「感染予防に効果がある」と言う意見から、「鼻腔内粘膜は脆弱で、傷つける恐れがあるのでやめた方が良い」と言う勧告もあります。これも賛否両論ですね。






~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2011-04-19 01:47