2011年 04月 14日
咽頭共鳴腔の位置はどこ?
人間の喉を楽器に例えると・・・
ここではアコースティックギター。
音に関係する構造で大切な箇所が3つあります。
ヘッド(糸巻き)、弦、胴(ボディ)です。
これをヒトの発声器官に当てはめると、ヘッド=輪状甲状筋や後筋
弦=声帯、胴=共鳴腔となります。
さて、ギターの構造の中で、『音の良さ』に
最も関与するのはどの箇所でしょうか?
つまり、ギターの優秀さを左右するものです。
もうおわかりですよね。
音色や響きを担う〔胴〕です!
胴の素材と作りによって音が決まります。
これまで、歌や発声の本では声帯が強調されてきましたが
実は共鳴腔が重要だったのです。
共鳴腔の中でも、咽頭共鳴腔が最重要です。
位置と運動性と空間率が理由です。
それでは、咽頭共鳴腔はどのあたりにあると思いますか?
おおよそですが、舌骨の後方(奥)と考えてください。
頭頚部CT矢状断面画像写真の黄色が舌骨体で、赤丸が咽頭共鳴腔の位置ですね。
この舌骨が前方へ出てくると、喉頭蓋は垂直に立ち上がりやすくなり
咽頭共鳴腔の体積は最大になります。
これこそ「喉を開ける」「喉を開く」と言われる状態。
自在に、そして、楽に、このポジションへと移行しなければ
芸術的な声の質を得ることはできません。
決して力ずくで広げるのではありませんよ。
また、喉を開ける間違った方法として
舌を思いきり押し下げるトレーニングがあります。
これは、口腔共鳴腔および咽頭共鳴腔(一部だけ)の
拡大は為し得ますが、舌と喉頭周辺の筋肉が硬化して
自由度を完全に失ってしまうのでやめた方が良いと思います…
是非とも、しなやかな動きと共に
咽頭共鳴腔を使い切って、極上の声を獲得しましょう!
追記:CT写真の赤丸内で、ピョコンと立ち上がっているのが喉頭蓋です。
~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice
| 2011-04-14 06:21