心因性発声と過緊張性発声の関係


心因性による発声困難の場合、多くは「あなたの声が出にくいのは心の問題よ」さらに「メンタルトラブルが解決すれば声は出るようになります」と言われます。
はたして正解なのでしょうか?
実は・・・、心因性発声障害の皆さまの外喉頭を数多く診せていただいたところ、必ず喉頭筋過緊張あるいは発声時筋硬化の現象が併発していたのです。
これは何を意味するのかと言えば、次の予測ができます。
①精神の問題によって他人と話すのが嫌になる
②無意識に外喉頭を固めて声を出にくくしてしまう
③喉が詰まって声が出なくなる(声失状態)
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おおむね①②③の順で外喉頭の筋肉はしなやかさを失い、カチカチに硬くなっていきます。
この状態で長い月日を過ごすことになります。
そう、喉頭の筋肉は『柔らかさ』を忘れてしまうでしょう。
さて、心が過剰なストレスから開放され、やっと落ち着いてきました。
しかし、喉の筋肉は正常な発声を忘れているため、うまく声が出ません。
逆に、声を出そうと、より力んでしまいます。
その結果、さらなる喉頭過緊張を生み出し、声が出にくい辛さや自信喪失によって、話すことをやめてしまうひともいます。
周囲からは「やっぱり心の病気は治っていないのね」と、本当は良くなっているのに、声の出にくさによって誤った判断をされてしまうケースもあります。
外喉頭の硬さは、喉頭マイクロストレッチでダイレクトに柔らかい状態を作り出し、筋肉に覚えてもらうのが最も効果的だと考えています。
心療内科で治療を受けて原因を排除したにもかかわらず声が出なかった方々に、外喉頭をアプローチした瞬間、「あっ、声が出た!」と大喜びしたことがたびたびありました。
お大事になさってください。




~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。
by aida-voice | 2009-01-31 10:15