2010年 12月 05日
胸鎖乳突筋と声の関係
以前、ある歌手が交通事故で鞭打ち(頚椎挫傷)になった瞬間から高音発声ができなくなったケースがありました。
詳しく調べた結果、胸鎖乳突筋がパンパンに腫れ、上喉頭神経外枝を圧迫していたようです。(外頚動脈から上喉頭動脈近辺も圧を受け血流量も低下)
つまり、美しい高音発声には輪状甲状筋の作用が不可欠。
その輪状甲状筋の動きを司っているのが上喉頭神経外枝。
どの神経も同じですが、外的に圧を受け続けると、正常作用ができなくなる可能性があります。
また胸鎖乳突筋の張り(Tension)が強くなったことで、筋線維が短縮し、甲状軟骨の動く範囲が少なくなることも判明。
このように甲状軟骨の自由を奪ってしまうのでしょうね。
加えてベクトルの方向性から考えても共鳴腔に悪影響します。
まだあります。
ご存知の方は少ないと思いますが、実は、この筋肉は胸郭を持ち上げて深く息を吸い込むときにも利用されているのです。(条件があり、頭部が固定され両側が働く場合のみ)
不正運動で呼気の副呼吸としての役割が担えなくなる。
これでは望むステキな高音は難しい・・・
そして交通事故だけでなく、首凝りや寝違いなどでも胸鎖乳突筋は張ってくることもあるようです。
高音が出し難いときは、一度、胸鎖乳突筋の筋硬度や張り具合を調べてみるとよいかもしれませんよ。
この部位は整形外科や接骨院でも診てもらえますから、お近くの先生に尋ねてください。
ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)
~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice
| 2010-12-05 15:13