2010年 12月 02日
イメージを数パターン用意しよう
イメージは大切。
わたしはいつも『発声はスポーツの要素を持つ』と提唱しています。
したがって、スポーツ同様、イメージは非常に大切だと思っています。
しかし、それは基礎運動能力が備わっているひとの話。
「体が硬い」「筋力がない」など、根本的な性能が低下していては、イメージが活かせません。
喉も同じ。
外喉頭の運動性がなければ、イメージは無駄になります。
どのような場合だと、イメージを活かせないのか?(内喉頭問題は除きます)
①喉頭周辺筋が硬いひと
②甲状軟骨の位置が深いひと
③舌骨が上方にあるひと
④輪状甲状関節が動かないひと
⑤輪状甲状筋が弱いひと
⑥発声時に肩甲舌骨筋や胸骨舌骨筋が大きく浮き上がるひと
⑦喉頭捻転が強いひと
誤って行い続け、筋バランスを崩したり過緊張性発声を癖づけたりするひとが大勢います。
次に、イメージは数パターン用意してください。
ここで実験です。
「かわいい犬をイメージしてください」
さて、あなたはどんな犬種を連想しましたか。
トイプードル、チワワ、ポメラニアン、豆柴・・・
やはり、ひとそれぞれ。
どれが〔正解〕はありません。
したがって、上記の外喉頭状態を除けば、イメージ法はあなたの自由。
ただし、合う合わないがあるのも事実。
そこでお薦めなのが、イメージを数パターン用意する方法です。
例えば、このような例がありました。
指導者から「下から水柱が昇ってきて頭の上で噴水のように広がる」ように発声しましょうと教えられました。
イメージしながら何度練習してもうまく発声できません。
そこで、このひとに「身体の中から打ち上げ花火が上がって頭上で大輪の花が咲く」とイメージを変えてもらったら、突然、思い通りの発声ができたそうです。
言葉を噛み砕くと、内容は大して変わりません。
このように、教えられたイメージがつかみづらかったら、少し変形させてみるのも一法です。
また、ご存じのように筋肉は軟部組織ですから、日々、いいえ、時間単位で刻々と変わっていきます。(筋硬度や動き具合など)
それを解消するには、求める発声を成し得るために、似たイメージを複数準備しておけば安心です。
一つがダメでも、もう一つある。
本番やレコーディング前でも焦ることがなくなるでしょう。
ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)
~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice
| 2010-12-02 00:22