自己流マッサージによる反回神経麻痺


大阪無料相談の報告


大阪で会った相談者の症例を、許可をいただきましたので報告します。
耳鼻咽喉科での診断名は『左反回神経麻痺』
原因がありました。
この方は職業柄よく声を使うためか、頻繁に喉の凝り(硬さ)を感じていました。
そのため自身で自己流のマッサージしていたそうです。
相談のお話しを要約すると以下のようになります。
「自分で喉を触ると、のど仏の奥がゴリゴリ音がして、それを揉みほぐすと気持ちが良かったのです。一年前のある日、いつものように喉をグリグリ揉んでいたとき、一瞬、喉の中にヒヤッと冷たい痛みが走ったのです。決して大きな痛みではありません。あれっ、何だろうと思った直後から、息がたくさん出てくる感じがしました。あわてて声を出してみました。声がかすれて出ません…。恐怖で頭の中が真っ白になったのを今でも鮮明に覚えています。何度も何度も声を出してみましたが、かすれて声になりませんでした。耳鼻咽喉科で声帯を診てもらったら左が動いておらず、反回神経麻痺だろうと言われました。手術も考えましたが、休んで様子をみていたところ少しずつ良くなり、普段の生活では大きく困らない程度まで回復しました。ただ、初対面のひとから聞き返される程のかすれが残っていることと、電話が苦手なのが苦痛です。今回、喉ニュースで會田先生が大阪にお越しになるのを知り、自分の喉の状態を知りたく、即お願いしたのです」
30分かけて外喉頭を検査したところ、反対側の運動性能を高められる余地がかなり残っていました。
まだまだ良くなる可能性があることをお伝えしたら、非常に喜んでおられました。
やはり、喉頭周辺筋が硬いひとの喉に過度な力を加えると、反回神経麻痺を引き起こすこともあるのです。
どうか、さらなる改善を心からお祈りしております。
お大事になさってください・・・


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赤丸の部分を強く揉んでいたそうです・・・




ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)



★喉頭マッサージを受けるときの注意★
この頃は、声のために外喉頭を施術する所もちらほら開設されているようです。声が出しやすくなったり、美声に近づいたりするチャンスが増えたのは、大変喜ばしいことですね。是非、お近くの施術所で発声運動能力をアップさせてください。ただし、注意点があります。受診する際は、以下の条件を満たしている先生に施術をお願いしてください。
①片手間でなく、喉を専門で行っていること
②喉頭医学と発声(歌唱)科学に相当の知識があること
③摘出喉頭触診の経験があること〔医師との共同研究〕
④外皮からの触診技術が卓越していること
⑤音声専門の耳鼻咽喉科で専門外来を経験していること
⑥常に医師(病院)と連携していること
喉頭は繊細です。壊れやすいのも大きな特徴です。筋損傷や失神程度なら回復できますが、万が一、反回神経麻痺を引き起こしたら一生声がかすれたり(片側)、まったく出なくなったり(両側)しますよ。断裂タイプの麻痺は治りません・・・。とっても不幸な結果になります。適切かつ優秀な先生の元なら恐れる必要はありません。喉頭マッサージは声に効果的。きっと、極上の声を作り出していただけることでしょう。
また、喉頭マッサージやストレッチは、素人の方は簡単にマネしないでください。当サイトに記載した内容(喉体操や各種発声法)を試して事故を起こしても責任を持ちませんので、すべて自己判断で行ってください。





~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2010-09-25 12:33