2016年 02月 25日
やっぱ呼吸は大事! 最大効果ブレストレーニング【過去記事再掲載】
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やっぱ呼吸は大事!
最大効果ブレストレーニング
★ 呼気圧が高くなると・・・
⇒ 声帯を弾いて震わせる
⇒ 声門が陰圧になる
⇒ ベルヌーイの原則に基づき声門閉鎖が俊敏
すなわち、速い曲が得意になったりビブラートの能力がグンと高まったりする。
もちろん、ビブラートには輪状甲状筋の能力も必須ですが。
呼気圧は、声の大きさ、フォルマント、声の色艶などにも関与してきます。
かすれ声の軽減にもつながりますね。
今回は、とっても効果的な呼吸トレーニングを伝授しましょう。
ひみつの声で発表しようと考えていましたが・・・、出血大サービス。
リラックスして立ちます。〔図画A〕
腰を直角に曲げ、腕をだらりとぶら下げます。〔図画B〕
頭頂は水平を保ってください。(これが重要です)
軽く息を吐きます。
これで、準備は完了。
さあ、始めましょう。
息を大きく吸います。
吸いながら次の二つを同時に行ってください。
1:お腹をしっかり真下に突き出します。
2:肩甲骨をグッと天へ突き上げます。
良いですか、必ず同時ですよ。〔図画C〕
最大に吸い込んだら、次はゆっくり長く吐き出します。
同時に、お腹と肩甲骨をゆっくり最初のポジションに戻して行きます。
身体を起こしてください。
これを10回程度繰り返します。
この方法が「なぜ呼吸に適しているのか?」の理由と、行うにあたってのポイントを述べます。
まず、最初の体勢で、喉頭周辺筋が喉頭自身の重みで『喉が開いた状態』に近づきます。
喉が詰まる感覚で困っている患者さま(過緊張や努力型を呈する病気)に試していただくと、もれなく「おぉ、息がしやすい!」とおっしゃいます。
そう、息(空気)の通り道を正しく確保しました。
次にお腹を真下に突き出すのは、腹腔を拡大して横隔膜の下制を促します。
同時に、肩甲骨を突き上げることで、胸郭運動を活発化させます。
身体全体は決して力まないよう、最大可動域まで行うのがポイント。
常に喉の力を抜き、腹部=胸部=のど=口と鼻を通過する際の、息の流れ(出入)を感じてください。
確実に進歩すれば、呼吸の大きさや深さが増してくることに、驚くほど感動しますよ!
どうです。
このトレーニングは、呼吸に良い体の動きをまとめて行っているのです。
言ってみれば『最大効果ブレストレーンニング』です。
喉頭および横隔膜の医学的知識と、呼吸の科学的知識を総動員させれば、ここにたどり着くのは必至。
これ以上に効果があがる訓練方法は、当分は出てこないでしょうね。
この呼吸能力を鍛え、呼吸感覚を養えば、発声にとって最高の呼吸が得られるはず・・・
ただし、一朝一夕にはいきませんよ。
やはり、根気と時間も必要。
正しい方法でがんばってください。
図画A
図画C
追記1:このトレーニングは発声時過収縮癖の改善にもつながります!
追記2:もう少し学術的に詳しく解説しましょう。
①腹直筋が地面と平行になり、重力の影響で楽に腹腔が広がりやすい。
②腹腔の体積増加に伴い、横隔膜の最大下制を容易に体験できる。
③第3腰椎前面に付着する横隔膜腱脚の役目を解き、横隔膜の自由度を増加させる。
④呼吸時の背筋のアイソメトリック(等尺性収縮)筋トレになる。
⑤肩甲骨の上制により、胸郭の増大感覚を養える。
⑥菱形筋の筋トレとなって、立位での発声に適した良姿勢を促進することができる。
⑦この方法は、声楽の呼吸で「下腹を大きくする」「骨盤底を下げる」「おへそを開く」「背中に息を入れる」のすべてのメソッドを網羅できている。
※さらに高度な付加トレーニング法として、腹臥位で一連のトレーニングを行えば、腹筋の強化にもなります。その際は、腰部(骨盤)がしっかり持ち上がるほど床にお腹を突き出してください。
~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。
by aida-voice
| 2016-02-25 00:11