2010年 06月 29日
ウイリアム・マテウッツィ 【驚異の最高音キング・オブ・ハイF】
驚異の最高音キング・オブ・ハイFで歌うテノール歌手ウイリアム・マテウッツィ(William Matteuzzi )。
絹のようなな、めらかな歌声が、聴くひとの心をつかみます。
彼の外喉頭を検証しました。
ただし、音源や映像が少ないため、残念ながら正確な報告ができません。
なお、彼を知人とするある人物にインタビューもしました。
イタリアでは一緒に食事した仲だそうです。
マテウッツィの会話声の音質を知るためです。
まず、どの映像からも頚部径が太く、咽頭共鳴腔がBigであるのはわかります。
下の絵は、各種画像を元に推察したものです。
粗い輪郭だけです。
下手な見苦しい絵をお詫び申し上げます。
唯一、喉頭隆起と輪状軟骨の一部が確認できたため、おおよその比率を求めて描いてみました。(甲状軟骨・舌骨・輪状軟骨は既成図を変形させて用いました)
首の太さ〔赤線〕や甲状軟骨板の長大さをご確認ください。
何度も目を凝らしましたが、動きの状態は確認不可でした。
録音からの推測ですが、ストレスなく飛び出してくる音から、気管支・喉頭・共鳴腔がストレートに位置している〔青線〕ものと思われます。
きっと、喉頭蓋も垂直に立ちあがっているのでしょうね。
オペラや声楽には、理想的な構造です。
そう、今回はこれだけしかわかりませんでした。
マテウッツィの情報をいただいた皆さまには、大きな成果を上げられず、心よりお詫び申し上げます。
以降もマテウッツィの研究を続けて参ります。
これを中間報告とさせていただき、新事実が判明するごとにご報告をお約束いたします。
ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)
追記1:昔、ウイリアム・マテウッツィのプロデューサーから「彼が喉頭蓋を立てたベルカントの最高峰だ!」とおっしゃっていましたのを覚えています・・・
不出来な絵でゴメンナサイ。「ぜんぜん似ていない」と言う評価と、「ううむ、マテウッツィの特徴を捉えているよ」と言われもしました。精進します(笑)
追記2:「喉を開けなさい」と指導されますが、このマテウッツィの喉こそ「喉が空いた状態」と断言できると考えます。つまり甲状軟骨のPositionが常に前方。そう、人並み外れた喉頭周辺筋の柔軟性があるものと思われます。やわらかさがあるからこそ、自由に動き、筋力も発達します。共鳴腔も拡大します。実際、人間には、甲状軟骨を奥に引き込む筋肉(茎突舌骨筋や肩甲舌骨筋など)はありますが、甲状軟骨を前方に移動させる筋肉や機構はほぼ存在しません。喉頭周辺筋がやわらかいから自然に前へ出てくるのです。歌唱、とくに声楽やオペラなど繊細な音を求める歌には絶対必須!
追記3:矢状断面模型ラフ図
A:気管支、B:声帯、C:喉頭蓋、D:咽頭共鳴腔、E:口腔共鳴腔、F:上咽頭、G鼻腔共鳴腔
~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice
| 2010-06-29 20:16