高い声、低いの声の仕組み (声帯筋と声帯粘膜の観点から)


★一般的な高音
輪状甲状筋(前筋)が収縮して前関節を屈曲させ声帯を伸長させる

★一般的な低音
輪状甲状筋を弛め、甲状披裂筋によって披裂軟骨を前方に引き声帯を縮める

次に、特徴ある高低音の仕組みを列挙します。

☆硬い高音(金属音的高音)
一般的な高音発声+声帯筋の硬化

☆芯のない裏声
声帯筋を強直させ、声帯粘膜の振動のみで造音

☆やわらかい高音
一般的な高音発声+声帯筋を軟らかく保ちながら厚みを減らす

☆ガラガラ声の低音(だみ声)
一般的な低音+声帯筋の肥厚(浮腫)


声帯で作られる音は『喉頭原音』と言い、単一的な音になります。
豊かな音色は、声帯より上にある共鳴腔で形成されます。
下から順に、喉頭室、梨状陥凹、咽頭共鳴腔、口腔共鳴腔、鼻腔共鳴腔の5大腔が挙げられます。
しかし、喉頭原音は、そのひとの声のデザインの根幹を成すため、重要なポジションであることは疑う余地もありません。
また、声帯は思いのほか小さく、瞬発的な開閉と振動によって酷使されています。
音階の「ラ」音は440Hzゆえ、声帯は1秒間に440回も振動していることになります・・・
働き続ける声帯をいたわってあげましょう。
そして、声帯の運動性のアップさせ、スタミナと自由な音を身につけましょう。





ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)





高い声、低いの声の仕組み (声帯筋と声帯粘膜の観点から)_e0146240_194213.jpg
声帯の模式絵(米国メイヨークリニック喉頭機能外科での摘出喉頭〔解剖は医師〕による触診研究)
中央の二枚のひだが声帯です。
身長180㎝以上と予想される男性ですが、私の指と比較しても、意外に小さいのがおわかりになると思います。




~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2010-06-17 00:51