2018年 09月 10日
喉頭捻転「えっ、のどぼとけが真ん中にない!?」【過去記事再掲載】
2010年5月の記事
ご本人から許可をいただきましたので、首前面写真とその喉頭周辺予想図を供覧します。
20代男性です。
まず、この方の甲状軟骨の形状が素晴らしい!!!!
私が触知チェックしてきたベスト10に入ります。
大きさと、そのバランスの良さです。
はっきり言って、“喉ハンサム”。
喉の持つポテンシャルを最大限に活動させれば、秀逸な音声であることは間違いありません。(やはり楽器の良さは、音の良さに関わってくるのと同じ)
しかし、右の茎突咽頭筋が、左にくらべ、ややTightな状態が見受けられました。
また、ここに記載がありませんが、右の茎突舌骨筋と顎二腹筋も、右の方のTensionが大きい結果も得ました。
そのため、右に引っ張り込まれ、甲状軟骨が、ほんの少しだけ右に捻転しています。
これは、病気でなく、正常範囲の『筋肉の癖』と言えます。
放置しても、何の問題もありません。
しかし、歌では、繊細なコントロール性能が損なわれる可能性がでてきます。
実際、あるオペラ歌手は、「聴衆から、ホールの右に座って聴くのと、左に座って聴くのでは、聴こえ方が異なる」と指摘され、当サロンに来院されました。
調べてみると、甲状軟骨に位置が曲がっていました。(大きく捻転していました!)
例えるなら、トランペットの管がねじれていたら、正しく美しい音は出せるでしょうか?
なお、経験上、喉頭捻転があるのは“声の乱用”、つまり、使い過ぎのひとにも多いと感じます。
歌舞伎役者やミュージカル歌手の方々に多く見られました。
「歌っていても満足できない」「思い通りに歌えない」「右と左の動きが違って感じる」「開口が不自然」などのひとは、鏡でチェックしましょう。
方法:鏡に正対し、唇の中心から垂直に線を下した先に、喉頭隆起(のどぼとけの尖端)が線上に位置するかどうかで判断します。(ものさしを用いると便利)
線上にないからといって異常ではありませんから心配無用です。
ただ、自由な歌唱や美声を、多少阻害される可能性があるだけです。
なお、写真掲載をご許可くださったこの方は、非常に優れた筋感覚(喉の運動能力)もお持ちなので、現在、アプローチの度に改善しており、きっと、甲状軟骨の優秀さを活かした美声や見事な歌を披露していただけるようになると思っております!(なにしろ甲状軟骨の形が素晴らしい・・・)
改善方法:甲状軟骨翼に付着する筋肉を弛緩させて動きを出し、次に左右の差に気をつけながら該当筋をピンポイントでマイクロストレッチして、徐々にシンメトリーな位置に戻していく。
さあ、あなたも鏡でチェックしてみましょう!
ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)
~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice
| 2018-09-10 10:38