小田和正さんの外喉頭(のど)研究発表


小田和正さんの喉を、外皮からの観察および検証してみましょう。
なお、この研究は直接検査したのではなく、数多くの映像を収集してあらゆる角度から予想したものであり、絶対的正論でないことを最初にお伝えしておきます。
数々のCD、DVD、動画を用意しました。
オフコース時代のもから(オフコースの映像は少ない)、ごく最近のものまで何度も何度も見ました。
繰り返し繰り返し聞きました。
そして、もう一度見ました。
再び、聴き込みました・・・

最初に、首の正面が映っている画像を血まなこになって探しました。
その瞬間の静止画を、声の状態と照らし合わせながら、何回も何回も検証いていく、途方もなく根気のいる作業でした。
長い時間、彼の曲にひたっていました。
何時間も、何十時間も、総計百時間以上でしょう・・・
いきなりですが、決定的に一つわかったことがあります。
それは、まったく飽きないことでした。
何度も何度も、繰り返し繰り返し聴いても、感動するのです。
そしてまた聴いても、魂を揺さぶられます。
そう、これがスーパーシンガーの条件。
聴く者を飽きさせない。
大鉄則なのです。
だからこそ、長年にわたって活躍できたのです。
当サロンには、新人歌手や未デビュー歌手のサンプルCDが多数持ちこまれます。
私は、曲の最後まで必ず聴きこんで評価していますが、多くの場合、聴いた瞬間、つまり声を出した瞬間に、おおよその判断がついてしまいます。
以前、某レコード会社のオーディションの審査員をさせていただきましたが、著名な音楽関係者(歌手や作曲家など)は、「こんなに早く審査してしまうものなのか・・・(絶句!)」と、曲の最後まで聴き終わる前に判断を下していたことを鮮明に思い出します。
あなたも、聴くひとを飽きさせない歌を歌ってください。
聴き終わった直後に「もう一度聴きたい・・・」と思わせるか、「この歌は、当分聴かなくてもいいな・・・」と感じさせるのでは、天と地ほどCDの販売数が違ってくることでしょう。

さて、話を外喉頭に戻します。
小田和正さんは、現役で活躍している歌手なので、首前面の拡大写真を掲示することはできません。
肖像権や著作権に抵触しますからね。
とても、重大な判断ができるのですが・・・、残念です。
口頭でお伝えします。
外喉頭の特徴です。
実際に触診していないので、以下は映像と声からの予想になります。
まずは、甲状軟骨。
男性にしては、非常に広角(鈍角)です。
そして、甲状軟骨の後端が頚部の外側に向かって位置しており、大変大きいことが理解できます。
つまり、高音発声に適した素晴らしい形なのです。
これは、高音の美しさや息漏れ指数の状況から、想定範囲内でした。
次に、喉頭の軟部組織。
すっ、すごい・・・
ここがすごい!
それは、喉筋の柔軟性と運動性です。
動きの範囲の大きさと反応速度。
驚嘆!
しなやかに筋肉が躍動しているのを見て取れます。
輪状軟骨と甲状軟骨の動く様子を他の歌手と比べてみましたが、他の歌手ではここまで動きを確認できませんでした。
動きを確認できた歌手との比較では、小田さんは、おおよそ1.5~2倍のスピードです。(実際に、ある画像からは小田さんの輪状甲状筋のふくらみが見えました!)
実は、80年代、90年代、2000年代と、可能な限り同じ歌の映像と声を取り出してみたところ、時代を重ねるにしたがって優れていました。(ただし、70年代、つまり、オフコース時代の映像が少ないことと、時と共に録音&録画の技術が進み、そのため昔より良く聴こえる可能性は否定できませんが・・・)
この速度の向上が、ピュアな高音を可能にしているのです。
また、柔軟性と喉筋運動性がじょじょに能力アップしていることから、耳で確認しても、多少硬めの高音から磨きがかかって、高音部の音質がまろやかになっています。

次に、横からの映像で、舌骨体が前方に位置し、やわらかい共鳴腔操作が確認できました。
この動きがあれば、各腔をギューンと細く狭くして、超絶技巧高音が楽々でしょうね。
そして、甲状軟骨舌骨間隙が広いこともわかりますから、内喉頭への循環機能も活発で、声帯粘膜の振動性が秀でていることは十分に予想できます。(声帯や内喉頭に関しての評価はできません)
これらの結果から推察すると、透き通った高音にもうなづけます。

最後に、気になる特徴として、過去の筋状態と、ごく最近の筋状態には、やや変化があることです。
何度も見ているうち、ある舌骨上筋の動きと喉頭隆起の見え方で気がつきました。
会話時も含めて見比べ、確証を得ました。
とても重要な発見がですが、ここから先は、お伝えできません。
これは、映像や音だけからの私的な評論ですから、公表しても良いのかもしれませんが、彼に敬意を払い、控えます。
お知りになりたい方は、ご自身で検証してください。(ひみつの声で公開するかも!?)

小田和正さんは、甲状軟骨の形状の良さがピカイチで、喉頭の柔軟性と運動性に優れている、超極上の外喉頭です。
これまで、そして、これからも多くの人々を魅了する歌を、歌い続けることでしょう。
さらなるご活躍を心からお祈り申し上げます。



ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)



追記1:小田和正さんと似ている顔骨格と喉頭をスケッチしてみました。(甲状軟骨は大幅にデフォルメしてあります)
小田和正さんの外喉頭(のど)研究発表_e0146240_21443681.jpg




追記2:小田和正さんの研究をして、カラオケでも、彼の曲を歌うことが多くなりました。どのようにすれば、彼のような透き通った声になるのかがわかっていますから、以前は「さよなら」を歌うのに高音で苦しみましたが、現在はかなり楽に歌えます。結構、上手に歌えるので、周囲からは「ほぉー、やるねぇ」と褒められます。うれしいかぎりです。小田さんの歌はサイコーです!



追記3:「會田は、ボイスケアサロン声専用キャンディの力を利用して小田和正(オフコース)の曲をうまく歌っているんじゃないのか?」疑惑ですが、半分は当たっていますね。私は、ボイスケアサロン声専用キャンディをなめなくても小田さんに近い声は出ます、出ているつもり(苦笑)です。それは、喉頭の柔軟性でカバーしているからです。実際、私の喉頭は、指でグリグリ動かすと、全員が驚くほど可動します。反転も容易です。昔は、相当硬かったのですが、そこは自分を実験材料にして、徐々に柔らかくなっていきました。時間的には、約5年もかかりましたが・・・(溜息)。それでも、ボイスケアサロン声専用キャンディをなめないで小田さんの曲を歌うと、①かすれが多くなること(息漏れ指数が高くなる)、②声帯の粘膜コントロールがあまくなること(とくに、声帯の前1/3の部分)、③声質の滑らかさが減ること(声帯粘膜保湿の違いだと思われます)、のような現象が起こりやすくなりますね。



追記4:ほかにも、現在、数々の有名歌手の喉を鋭意研究中です。ここでお断りしておきますが、すべて直接検査したものでなく、あくまで映像と音からの私的な予想評価です。ただし、実際にボイスケアサロンへお越しになっている有名歌手も数々いますが、施術内のデータは加味しないよう配慮しています。また、現役で活躍する歌手には、あまりにプライベート過ぎる内容や、本人が知ったら不快に感じる内容は、たとえ映像や声のみで判明したとしても、一切発表いたしません。当サロンで、興味本位に尋ねられても、お答えできません。それこそ、誰にも真似できないその人物の『個性』という範疇で収めておいてください。



追記5:素人判断で、甲状軟骨を大きく動かすのは危険です。筋損傷や反回神経麻痺になるリスクがあります。生涯、二度と声が出なくなったひとを知っています。十分にご注意ください。喉頭クリニカルマッサージや喉頭筋ストレッチングは、喉頭解剖と技術をしっかり持っている施術者からアプローチを受けてください。



追記6:外喉頭とは、喉(のど)まわりの筋肉や喉ぼとけ(甲状軟骨)を表し、内喉頭とは、口から入った喉の中のことで、声帯も含みます。



追記7:この記事に関して、多くの喜ばしいお言葉をいただきました。すべて小田和正さんの素晴らしい喉を再認識したとの内容です。大変でしたが、がんばって研究して、良かったと思っております。なお、ブログのアクセス数もうなぎ昇りに増えています。モチベーションを上げ、さらなる秀作を載せられるよう、皆さまのご支持をよろしくお願い申し上げます。友人や知り合いに、喉ニュースをご紹介いただければ幸甚です。
小田和正さんの外喉頭(のど)研究発表_e0146240_17235494.jpg






~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2010-04-16 19:00