2010年 02月 09日
SD外転型様発声 (声が抜ける) の装具着用改善
頸椎カラー (交通事故などで首を痛めたときに用いる装具) と低反発スポンジを利用した例です。
痙攣性発声障害外転型様の発声、今回は、声が抜けてしまう傾向にある発声に対し、改善を目指しました。(当サロンでは、音声障害の診断や直接治療は行っておりません。外喉頭から緻密に考察して、発声能力を高めるケアを行っています)
この装着は、治癒を狙っているのではなく、発声のしやすさや正常声の感覚をつかんで、自己フィードバックができればと考えての方策です。
頸椎カラーは、縦に走る外喉頭筋の伸長と発症関与筋の解除を狙い、低反発スポンジは肩甲舌骨筋の急激な収縮を緩和します。
動画からの音では、変化の度合いが聞き分けにくいのですが、実際に目の前でじかに聞くと、音の密度が増える結果に驚きます。
また、ご本人が 『声が集まる感じ』 を、一番体感できているのではないかと思います。
今回の装具は、あくまで効果を狙った実験用です。
見た目にもおおげさですから、ふだん気軽に使用することはできませんね。
実際、この頸椎カラーは、常時着用するものではありません。
ときどき自宅で装着して、正常発声の感じを思い出すような使い方を考えています。
そして、もっと、シンプルな装具にしなければならないと思います。
なお、当実験によって得た筋状態変化と声質変化の詳細データと結論は、各所発表後、いずれ喉ニュースでもご報告する予定です。
ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)
追記1:音声障害改善の記事は、「治るんだ!」 との誤解を与えやすいため、極力載せないよう努めております。しかし、これまで研究してきた膨大な量の結果 (各種実験や動画など) と 【 まとめ 】 があり、今後、条件によって、ある程度は確定的な効果が期待できるものだけ厳選して、ときどきアップすることもございます。ご了承くださいますようお願い申し上げます。
追記2:録画は、高スペックのステレオ録音とハイビジョン撮影です。しかし、You Tubeの動画からは 「変化が聞き分けられない・・・」 との報告を受けます。残念ながら、You Tubeにアップロードすると、やはり音質も画質も落ちます。その点をご考慮いただきご覧くださいませ。なお、細部まで鮮烈な元動画は、当サロンの施術内でご覧いただけます。
~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。
by aida-voice
| 2010-02-09 05:31