2010年 01月 13日
プラシド・ドミンゴの舌
もともとドミンゴはバリトンでした。
その後テノールに転向しました。
超一流のパワフルな高音の音色は、2010年1月9日に掲載した「プラシド・ドミンゴの共鳴腔」の記事で、共鳴腔構築の素晴らしさによるものとお伝えしました。
実は、もうひとつあるのです。
それは、立舌運動です。
この立舌運動は、意図的な構音をつかさどります。
上手に使えば、大きな武器になります。
しかし、一歩まちがうと、口腔共鳴を押しつぶしてしまいかねません。
さらに、舌の運動性が損なわれるため、正確な発音もままならなくなります。
これでは、逆に、発声そのものが難しくなるでしょう。
また見た目にも、いかがなものかと感じます。
この技は、ごく一部のスーパースターに許されたものなのかもしれませんね。
「学ぶ」は「まねる」から始まるのは確かです。
もし、立舌運動を取り入れるならば、自分の持ち味のすべてを出し切った後 (喉頭の能力を完全に開花させ、歌唱テクニックも充実したあと) に、さらなる戦略として用いるようにしてください。
ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)
追記:マリア・カラスに関しては、2009年6月1日の記事 『 マリア・カラス 外喉頭から見た声の変化 私的考察 』 で研究結果を発表してあります。参考にしてください。
~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice
| 2010-01-13 02:17