2009年 12月 25日
痙攣性発声障害 スライド法
最初に…、この撮影そして掲示をお許しいただいた患者さまに厚く御礼申し上げます。
この映像を見て、音声障害の人に勇気を差し上げられれば幸甚です。
声が割れてしまいます。
出そうと努力すればするほど…
本当にお辛いと存じます。
私も、甲状腺腫瘍の上喉頭神経外枝圧迫による嗄声および声量低下化で苦しんでいます。
病気に罹患してから、さらに音声障害の方々の気持ちが、痛いほどわかるようになりました。
まずは動画をご覧ください。
甲状軟骨翼を右からスライドさせ咽頭収縮筋を伸ばすと、驚くほど声がスムーズになります。(このとき右肩甲舌骨筋・右茎突咽頭筋・その他の筋肉もストレッチされます)
最重要は 『ピンポイントのプッシュスライド』 であること!
そして驚くべきことに、左からのアプローチだと好結果は生まれません。
なぜでしょう?
細かくチェックした結果、原因がわかりました。
詳しい発表は控えますが、筋存在と走行の左右差と筋反応を考えて下されば解答が得られます。
筋肉の柔軟性と運動性が獲得できれば、スライド後の声での恒常的発声が可能になります。
ただし、曖昧な筋肉ゆえ難しいのですが…
もし簡単ならば、イチロー選手は打率10割になり、石川遼選手はバーディやイーグルのラッシュになることでしょう。
そして誰でもプロ野球選手やオリンピック並みの体操選手に、安易になれるでしょうね。
正確な再表現が困難なのが筋肉の特徴です。
それでも、息の流れる楽な発声の素晴らしさを感じることで、向上の可能性は大きく膨らみます。
お大事になさってください。
この患者さまに御礼申し上げると共に、ご多幸を心よりお祈り申し上げます。
ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)
追記:毎日、全国から痙攣性発声障害や音声振戦症の患者さまがお越しになります。そのほとんどの人は、大学病院など専門医師に診てもらった経緯があります。手術、声帯注射、投薬、音声訓練などさまざま試し、それでも改善しません。外喉頭を精査すると、声帯や内喉頭ではわからないことがわかることもあります。病気の根本原因を治すのでなく、発声しにくくしている筋肉環境を整備して差し上げると、発声が容易になることが多いのです。多くの方々は、初めて当サロンに来て、最初に検査解説を受け、施術後に発声が多少でも楽になると、泣いてしまいます。一日に数名泣かれることもあります。それほど辛いのです…。私も、少しでも良くなればと、日々、必死に命がけで施術を行っています。
~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。
by aida-voice
| 2009-12-25 14:42