2009年 12月 24日
痙攣性発声障害 引き出し法
何より撮影と発表をご許可いただいた当患者さまに厚く御礼申し上げます。
ありがとうございます。
甲状軟骨形成術Ⅱ型 (手術) 後も、声が詰まり、音がつぶれて、苦しんでおられます。
まずは、ビデオをご覧ください。
声の状態をよく聞き取ってください。(音声障害改善であろうが、歌が上手くなりたいであっても、声を良くするには耳を鍛えなければなりませんよ!)
アプローチしている時の声の変化 【良好】 に驚きますよね。
このように即時効果はありますが、残念ですが恒久的な改善策ではありません。
しかしながら、声が良くなる感じはつかめますから、筋肉に柔軟性を与え運動能力が向上すれば、引き出した際の声までの改善、すなわち日常生活に困らない程度までは良くなる可能性を秘めています。
ただし、適切な施術と相応の施術回数が必要となるでしょう。
私の施術がお役に立てばよいのですが…、確実に治るか治らないか断言できない力不足を誠に申し訳なく思います。
この先、楽な発声ができるよう心より強く願っております。
本当に本当にお大事になさってください。
ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)
追記1:この手法は、単に皮膚を引っ張るのではありません。甲状軟骨と舌骨の間隙を指で測って、その動き具合を考慮しながら、最初に甲状軟骨翼を指で引っ掛けるように甲状軟骨全体を前方へ引き出し、それを少し戻しつつ指を上部に移動させ、舌骨をゆっくり引き出します。その際の角度は斜め下30度です。甲状軟骨と舌骨の関係をアプローチ中に位相逆転させるのがポイントです。なお、水平面と骨間膜の角度は45度を超えないでください。多分…、めちゃくちゃ難しい技だと思います。
追記2:痙攣性発声障害の方々の上喉頭動脈の血流速度を計測すると、必ず5㎝/s以下の値がでてきます。ここにも突破口があるのではと信じています。なお、2.4㎝/s以下のときは、呼吸を拾ってしまうため、データ数値の正確さに欠けることを付記しておきます。
追記3:勇気を持ってビデオ撮影に応じていただいた心優しい患者さまに心から感謝いたします。この動画を見て 「あきらめていたけど、私も良くなる可能性があるのでは!?」 と希望を持たれる人がひとりでもいたら幸せです・・・
~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。
by aida-voice
| 2009-12-24 00:26