2009年 11月 02日
ボリュームビブラートとピッチビブラート
ビブラートは、音を作る通常声帯振動に、呼気とベルヌーイ法則によってクリオネ(軟体動物門腹足綱裸殻翼足類)が波打って羽ばたくような運動が加わって作られます。
そしてボリュームビブラートとピッチビブラートに分けられます。
ボリュームビブラートは正確な呼気のコントロールが最重要です。
呼気のコントロールには、①胸郭体積の可変のスムーズさ、②内外肋間筋の柔軟性(鎖骨下筋と大胸筋の柔軟性も重要)、③肋椎関節の可動域確保、④腹直筋・外腹斜筋・後背筋の筋力、が大切です。
この4点が十分に活躍すれば『横隔膜』は自由自在になります。
横隔膜の機能は、吸気時に横隔膜下制ならびに胸腔拡大です。
多くの人は横隔膜の自律的単独運動を簡単に考えていますが、実際は上記の①~④に大きく依存しています。
つまり①~④が不全の場合、胸腔を拡大し難くなり、結果、下制が少なくなって呼吸量が減少します。
なお、横隔神経は頸神経叢から走行してくるため(つまり胸鎖乳突筋や前斜角筋にも関与)、肩首周りのコリや不良姿勢も大敵となります。
この世で何人できるかわからない程の超人的な横隔膜の単独運動能力アップより、①~④を培った方が手っ取り早いと思いますが・・・、いかがでしょう!?
次にピッチビブラートは輪状甲状筋(前筋)の運動能力の発揮が必須です。
それには、輪状甲状筋の稼働性促進のための柔軟度と筋力の獲得はもちろん、喉頭が自由に動く空間率を高めなければなりません。
そう、発声時喉頭周辺筋過収縮(主に肩甲舌骨筋、咽頭収縮筋および輪状咽頭筋、茎突咽頭筋など)ではダメですね。
ピッチは声帯伸縮で成り立ちます。
その伸縮は、声帯自体が行うのではなく、輪状甲状筋(一部外側輪状披裂筋)が担っています。
すべて筋肉運動にほかなりません!
そして最も重要なのが「声帯の振動性能」です。
呼気が素晴らしく輪状甲状筋が活動しても、声帯が硬く動きが悪かったら、お話になりません・・・
声帯の振動性能は声帯筋と声帯粘膜に委ねられます。
しなやかな声帯筋と保湿たっぷりの声帯粘膜が理想です。
声帯筋をしなやかにするには、輪状甲状関節の可動範囲を増やすことと、輪状軟骨上に鎮座する披裂軟骨の回転性をアップさせることです。
声帯粘膜の水分を潤沢にするには、喉頭内部の血液供給を増やすことと、吸入器やヒアルロン酸などの使用で保水効果をアップさせることです。
喉頭内(声帯を含む)粘膜表面にヒアルロン酸を浸潤させることのできるボイスケアサロン声専用キャンディは、やはりビブラート発声の効率を後押しするのです。
実際、歌や会話の途中でなめると、スルスルッと声が出やすく感じるのはこのことによります。(効果には個人差があります。もともと体質的に声帯が萎縮傾向にある人や粘膜浸潤性に乏しい人は残念ながら効果が確認できません)
あなたも美声の根源を成す二つのビブラートを思い通りに使いこなしてください。
きっと人生が豊かになりますよ。
ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)
~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice
| 2009-11-02 02:59