2009年 08月 10日
ソプラノ歌手と輪状甲状筋
高音発声にとって最重要の輪状甲状筋。
そうです、声帯は自分で自動的に伸長するのではなく、他動的に動かされています。
特にソプラノ歌手は最高音を維持しながら繊細なコントロールを要求されます。
そこに、操作性(緩急やダイナミックさなど)と共鳴性(響きや音色など)が加わってこそ聴いている人を魅了する歌となります。
これまで多くの喉頭と歌声を検証してきました。
実際に触診させていただいた歌手から、過去の映像を何度も何度も見比べて調査した大歌手まで・・・
優秀なソプラノ歌手の輪状甲状筋の特徴は、筋肉が発達して、触診するとプリプリ躍動感にあふれています。
筋硬度計で測ると20Tone前後のベストバランスを示します。
また甲状軟骨周辺の筋柔軟性が備わっていることと、肩甲舌骨筋の過緊張が存在しないことがわかっています。
さらに顎二腹筋の運動性が豊かで顎関節の自由度を得て、咽口腔共鳴を自在に操ります。
この状態に歌唱テクニックや音楽性が加味されたとき、極上の芸術的ソプラノ歌手となります。
素晴らしいソプラノ歌手の声を聴くと、魂を揺さぶられます。
そんな声を獲得してください。
ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)
追記1:声帯筋のみを活動させて高音を発声すると、金属音的なイヤな音になってしまいます。しなやかで豊かな高音を出すには、輪状甲状筋の活躍は不可欠です。輪状甲状筋の動きを活性化させるには「輪状甲状筋ローリングMassage」が効果的ですね。垂部と斜部の動きのバランスがよくなり、輪状甲状関節の絶妙な動きが可能になるのです。
追記2:当サロンでは発声テクニックの教授は行っていません。しかし、喉頭の環境を整えてあげれば、素晴らしい声が自然と出てくるのは間違いありません。そのために正しいフィジカルと発声医学を知ってください。
ノドの中でステレオやiPodが鳴っているのではありませんからね!
~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice
| 2009-08-10 22:09