2009年 07月 09日
声のアンチエイジング!
加齢とともに声は変化します。
そう容貌が変わるのと同じです。
もちろん個人差はあります。
一般的に知られているのは、女性は低音化し、男性は高音化します。
なぜでしょう?
まず両性ともに声帯筋が少しずつ萎縮します。
声帯萎縮という病的なものもありますが、加齢とともに必ず萎縮傾向に転じます。
これは “生肉” が、ビーフジャーキーのような “干し肉” のようになっていく例えでよいでしょう。
そして粘膜の水分含有率も減少し、声帯粘膜の閉鎖性能や運動能力が低下します。
これらによって、以下の4つの理由が挙げられます
①かすれ声になりやすい
②声が割れやすい
③仮声帯発声によるダミ声
④喉が乾燥しやすい
すべて、共に認められる特徴です。
それでは、なぜ性差によって声の高さが変化するのでしょう。
それは女性ホルモンの関係だと言われています。
基本的に声帯に萎縮が起きると、声帯そのものの質量が低下します。
弦楽器の弦を思い出してください。
太い弦は低い音になり、それより細い弦は高い音になります。
つまり声帯が痩せて細くなるのです。
男性は若いころに比べて甲高い声になります。
「昔は低音が響く男らしい声だったのにね。何でキンキン声になっちゃったのかしらね、おじいちゃん・・・」
次に女性です。
閉経後、女性ホルモンの分泌減少で声帯は浮腫みやすくなるそうです。
浮腫みによって声帯の質量は増します。
さらに声門間隙が開きます。
そして、ガラガラ重低音かすれ声で 「あぁぁ~らぁ 奥様ぁ、 お久しぶりですことぉぉぉ・・・ 」 となります。
【喉頭ファイバー画像:医師検査】
さあ、加齢の声は治るでしょうか?
答えはイエスです。
100%確約はできませんが、これまで多くの高齢者の声を改善してきました。
当サロンの最高齢通院患者は92歳でした。
その方は、声帯萎縮(病気)で自家脂肪手術まで行いましたが快癒せず、医師からの紹介によって当サロンにお越しになりました。
最初は、低音と嗄声で思い通りに声が出ず、苦労されていました。
かなりの時間がかかりましたが、30歳代ではないかと聞き間違えるほどの美声になりました。
さて、喉のどこを改善していけば良いのでしょうか?
それは上喉頭動脈の血流量増加がメインとなります。
他にも欠くことのできない要素はありますが、上喉頭動脈がキーポイントです。
声帯の存在する内喉頭へ血液を送り込む最重要の血管です。
血流が減ると、各組織への酸素と栄養の供給が少なくなるのです。
したがって筋運動である発声の質が低下します。
そして萎縮が進行します。
結果的に女性の低音化と男性の高音化が出現してきます。
では、どのような原因で血液量が減少するのでしょう。
主に5つあります。
①過緊張による上喉頭動脈の圧迫
②甲状軟骨舌骨間の狭小減少
③外頚動脈の血圧の低下
④甲状腺疾患
⑤膜組織の硬化
また高齢になって声が変化しやすい喉頭特徴もわかってきました。
齢を重ねる前から、声のアンチエイジング・ケアをしておけば、いつまでも若々しい声でいることが可能ですよ。
男性は50歳前までに、女性は40歳前が望ましいでしょう。
いつまでもステキな声でいてくださいね!
ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)
追記:老齢男性の高音化に関しては、京都大学名誉教授の本庄巌先生(仲良くさせていただいている医師)が研究および発表されております。
~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice
| 2009-07-09 21:27