2009年 06月 20日
痙攣性発声障害の胸骨挙上発声および呼吸法
痙攣性発声障害の方の多くは【初音が詰まって出難い】とおっしゃいます。
そこで 「おはようございます」 を発するときの喉頭をビデオで録画し、徹底的に検証してみました。
初音発声時の特徴としては・・・
①甲状軟骨が奥に入り込む (喉頭隆起の見え方を細かくチェック)
②肩甲舌骨筋が浮き上がる (当該筋がギュッと硬くなる)
③舌骨が奥に入るタイプと上にあがるタイプとその混合の3タイプにわかれる
④甲状軟骨をやや反転させた状態で内筋を触診していると後輪状披裂筋が急激に収縮する
⑤鎖骨下筋を緊張させ肩峰が若干カールする
絶対的ではありませんが、多くの痙攣性発声障害 (SD) 患者様がこれらいずれかの状態を呈していました。
今回は特に⑤に注目し、声を発する瞬間に胸骨を持ち上げると初音が楽に出ることが判明しました。
これは特別な呼吸法に属すでしょうか。
胸骨上端部から斜め約45度にベクトルパワーが出るような姿勢です。
このとき僧帽筋や起立筋の力を抜いてリラックスしていなければなりません。
力を入れるのは胸骨柄だけです。
また、上手くタイミングが合わなければ効果はありません。
そう、発声する瞬間だけ力を入れてグッと持ち上げることが大切なのです。
慣れてくると無意識でも出来てしまいます。
さらに姿勢も良くなり息の流れがスムーズになります。
完全快癒にはつながりませんが、発声が多少楽になるためお試しください。
お大事になさってください。
ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)
追記1:あがり症発声 (人前でしゃべる際にあがって声が出難い) の人にも有効でした。
追記2:歌唱にとっても理想に近い呼吸形態の一つと言えるかもしれません・・・
~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。
by aida-voice
| 2009-06-20 12:24