2009年 05月 08日
声帯溝症の謎
声帯萎縮の一種ではないかと考えられている声帯溝症。
声帯に平行に溝ができるため、声が二重に聞こえたり、声が割れたり、かすれたりします。
自家脂肪注射やコラーゲン注射などの外科的治療がありますが、再吸収の問題、および、毎回注入する場所が異なることによる声の不安定が見受けられます。
これまで当サロンでは、声帯溝症の喉頭をずいぶん検査し治療してきました。
快癒して溝がなくなった患者様もいれば、ほんの少しの改善は認められるものの2年間通っても完治しなかった患者様もいます。
実は、声帯溝症には共通の特徴があります。
それは・・・、甲状軟骨と舌骨の間隔が狭いことです!
正常な平均数値と声帯溝症の平均数値をつぶさに調べ上げています。
長期にわたる検査と弛まぬ研究のため、実数値の公表は控えさせていただきますが、正常数値を1とするならば、声帯溝症の患者様は0.3ほどです。
そして甲状軟骨舌骨間膜が硬くて、甲状軟骨と舌骨のGliding testでは可動範囲が1mm以下です。
これでは上喉頭動脈の血流量が減少してしまいます。
以前、声帯萎縮の原因の一つとして、この血流不足を記載しました。
声帯へ送る酸素や栄養が減ることで、生肉が干し肉のように乾燥萎縮することに例えました。
そうです、甲状軟骨舌骨間が柔らかくなった患者様が声帯溝症を克服しているのです。
ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)
~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。
by aida-voice
| 2009-05-08 13:14