2009年 04月 20日
輪状甲状関節の関節包
輪状甲状関節の関節包は主に3方向に存在し、靱帯性膜様組織が如く、ヒンジ運動とスライド運動を保全しています。
輪状甲状関節の動きは、この関節包の柔軟性が大きく関係してきます。
人によって、それぞれの硬さや厚み、可動性能が異なります。
これによって高音の質まで変化します。
そう、後部関節包が硬い人は、徐々にピッチを上げていくことが苦手で、上部関節包が硬い人は、急激な高音への跳躍が苦手となります。≪詳しいメカニズムは割愛します≫
この関節包の動きを出していくと、器質的に関節に問題が無い人ならば、ヒンジ運動とスライド運動はスムーズに活動して高音が自由自在になります。(ただし声帯粘膜や声帯筋が硬い人は、この部位の柔軟性も必須です。これにはボイスケアサロン声専用キャンディが有効でしょう!)
喉頭専用Sonic治療ならびに會田の輪状甲状関節モビリゼーション(特殊な手技)で改善は可能です。
以下の写真は、アメリカ合衆国メイヨークリックでの喉頭機能外科教室における摘出喉頭の軟部組織触知の様子です。【解剖は医師】
ご献体くださった奇特な御仁に、心よりお悔やみと感謝を申し上げ、勉強および研究させていただきました。
なお、摘出喉頭の写真は衝撃映像にならないよう加工してあります。
輪状甲状筋と関節の動き方、バランスや左右差、そのときの声帯長の変化度合いなど、多くの検証を繰り返しました。
ホルマリン固定されていない「生」の喉の筋肉や関節に数多く触れてきたからこその科学的論理とテクニックなのです。
ご献体くださった心優しき方のためにも、皆さんの声が良くなったり、思い通りの高音が出たりするようになることを、強く強く願っております。
ありがとうございました・・・
ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)
~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。
by aida-voice
| 2009-04-20 13:03