過緊張性発声の分類 (部位別)


これまで、程度の差はあれ、日本人の約8割に発声時の喉頭周辺筋過緊張傾向があることをお伝えしてきました。
歌ったり人前で話したりする際、「喉が締まる」「詰まる」「声が震える」「かすれる」「滑舌が悪くなる」「多少の吃音になってしまう」「ピッチのコントロールができない」「やたら喉が渇く」「胸が締めつけられ呼吸がし辛い」「声が小さくなってしまう」「響きがない」などの症状を訴える患者様を、それはそれは大勢診てきました。
その方々を大きく分類すると、部位別で3パターンあるように感じています。

まずは 【茎突咽頭筋】 です。
次に 【肩甲舌骨筋】 です。
最後に 【顎二腹筋】 (多くは舌骨上筋群を含む) でしょう。
そして混合型も多数存在します。

茎突咽頭筋パターンの場合、甲状軟骨が奥上に引き込まれてしまい、喉詰め状態と声が平坦になってしまう特徴を持ちます。
肩甲舌骨筋パターンの場合、甲状軟骨が奥下に押し下げられ、詰まり感と嗄声や声割れの特徴を持ちます。
顎二腹筋パターンの場合、舌骨が持ち上げられ、舌の上方圧迫によって声が小さく言葉をかみやすくなる特徴を持ちます。
そして混合型は、これらが様々な程度で混在し、診断や治療を難しくします・・・。
痙攣性発声障害や音声振戦症の患者様も、もれなく喉頭周辺筋の緊張を伴うため、これらにも当てはまります。

実際に起こっている症状を見極め、正確な部位を見つけ出して施術することが大切です。



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ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)








追記:器質的音痴ならびに感性的音痴ではなく、発声を筋運動と捉えた視点での機能的音痴は、混合型過緊張により咽頭収縮筋や輪状咽頭筋などのTonusと喉頭ポジションを深い位置で固定化させるため、輪状甲状関節の可動不全および披裂軟骨と輪状軟骨のスライド性能を阻害し、音程を安定的に表現できないものと考えます。
よって、機能的音痴は喉頭筋バランス異常の一種で、当院の施術によって改善可能です。(当院では、器質的音痴や感性的音痴の治療やトレーニングは行っておりません)







~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2009-04-08 11:01