書評


ある出版社から「各種ボイストレーニング本の評論を書いて欲しい」との依頼がありました。
具体的な書籍名を尋ねたところ、最近発刊されたものから過去によく売れたものまで約20冊。
すべて購入既読した本ばかり。
しかし、残念ながら今回の申し出は丁重にお断りしました。
わたしのような弱輩者が、大先生の書いた内容に踏み込むには、早すぎると判断したからです。
外喉頭からの発声は、まだまだ研究不足であると感じています。
それら集大成を遂げたときはじめて他人の論理を評価できるのではないかと考えます。
ますますがんばりま~す ♪♪♪

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by aida-voice | 2013-03-30 01:31

夢を掴め!


「そちらに数回通いました。しかし、メジャーデビューの夢がかなわなかったのですが・・・」

メジャー歌手になれなかったのは誠に残念です。
新規でお越しになった際、文書と口頭でお伝えしますが、再度、当サロンついてお話しします。
発声をスポーツと捉え、喉頭環境を整備したり、発声基礎運動能力を高めたりするのが役目。
歌のテクニックは教授しておりません。
「歌が上手くなるのではなく、歌うことが楽になる!」に尽きます。
この言葉に含まれる様々なポシビリティを正しく解釈してください。
きっと、喉頭環境の整備の重要さ、発声基礎運動能力の大切さを、おわかりいただけるはずです。
また、あなたは計3回の施術をお受けになりました。
初検の筋硬度が60Tone以上、中等度以上のLDP(病気でなく長年の癖)、高音発声時過緊張(ハイラリンクス状態)、不良姿勢による呼気効率低下、顎関節の片側開口不全、など諸々発覚しました。
これらを3回のアプローチで完璧に改善し、かつ、発声能力を劇的に高め、さらに潜在的歌唱力を引き出し、即時にメジャー歌手として人気を得ることは不可能です。
他のスポーツで例えるなら「3回の基礎ストレッチやスポーツマッサージを受けたら、すぐにプロ野球選手で大活躍できる」となります。
これは絶対にあり得ません。
元々の超天才でない限り、無理!
この点をご理解いただき、さらに精進してください。

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追記:実は、この記事は2年程前に書いたもの。投稿せず寝かせておきました。その後の経緯もありましたので報告します。この質問者には、上記内容をじっくり伝え、ご納得いただきました。その後、1年半、喉頭環境を整えることに専念したのです。筋硬度も20Tone以下、LDPもハイラインクスも改善、加圧呼吸トレーニングで肺活量はグンとアップ、顎の突き出し運動を積極的に取り入れ改善…、舌骨部の深奥化だけはやや残っていましたが、声質が本当に良くなりました。周囲から「声が良いね~」と、歌声だけでなく、しゃべり声も高評価を得るようになりました。よく努力して通いましたね。加えて、優秀なボイストレーナーに付いて歌唱力も磨きました。その結果、昨年末、ある大手音楽事務所と契約が成立したのです。夢に手が届く位置まで来ましたね。お見事です!
by aida-voice | 2013-03-29 00:30

予告?


前回の記事内に、西川貴教さんのお名前を出したところ、「もっと詳しく知りたい」との懇願を多くいただきました。
研究はほぼ済んでいます。〔直接、触診やビデオ検査はしていません〕
外見と声の状態から、外喉頭環境や運動性を徹底的に検証しました。
結果、素晴らしいの一言です!
仔細は、いずれ掲載しましょう。
形式は未定。
通常記事なのか、時限掲載なのか、そのあたりは決まっていません。
お楽しみに ♪




追記:西川貴教さんの声って凄いですよね。わたしの大好きなアーチストの一人です。豊かで魅力的な声の根本を知れば、発声の奥深さを再認識することでしょう。
by aida-voice | 2013-03-27 08:28

声の短問短答【続編】60


「首が太いと声が良いって本当ですか?」

ある意味、正しいかもしれません。
首が太いということは、頚椎も太いことになりますよね。
椎体(棘突起と横突起を除いた部分)の直径と、甲状軟骨や舌骨の横径は、比例傾向にあります。
ただし、個人差もあり、椎体幅より格段に大きな喉頭のひともいれば、思わず絶句してしまうほど小さいひともいます。
すべて個性。
背が高くても顔の小さなひともいれば、身長が低いのに大きな足のひともいます。
この方々を異常とか奇形などとは言いませんよね。
これと同じ。
さて、甲状軟骨や舌骨が大きくなると、声道に属す各共鳴腔も大きくなると予想されます。(下絵黄色楕円参照)
声の音色が共鳴腔で構築される話は何度もしました。
したがって『首が太い=声が良い』の式は成り立ちます。
しかし、ヒトの人体構造の中で喉の作りや動きはかなり曖昧で適当でいい加減。
声帯や周辺の軟部組織を動かしている感覚もなければ、どう動いているのかも知り得ない。
発声に関する器質的および機能的な個体差も大きい。
やはり、わたしの答えとしては「ある意味、正しいかもしれません…」となります。

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追記1:顔が大きいと歌がうまい、えらが張っていると声が良いも、同じようなものですね。咽頭共鳴腔や口腔共鳴腔が大きくなり、音色が豊かになる可能性が広がるから。ただし、歌唱力には一切関与しませんからね。また、共鳴腔の生得的形状でおおよその音色が決まってきます。これゆえ親兄弟で顔の形が似ていると、声も似てくるのです。同じ弦楽器でもギターとバラライカでは微妙に異なります。これも共鳴構音する胴空間の違い。




追記2:この首の太さと声の良さが合致する歌手としては、ルチアーノ・パヴァロッティや西川貴教さんがあてはまりますね。




追記3:なお、筋トレなどで僧帽筋や胸鎖乳突筋が鍛えられて首が太くなった場合は除きます。あくまで生得的で、身長や体つきから比べた判断によります。
by aida-voice | 2013-03-27 00:50


わたしもテレビで拝聴し心配しております。〔平成25年3月23日放送分〕
声の状態からすると内喉頭(声帯を含む)にトラブルがあるかもしれませんね。
ただし、この部位はお医者さんの範疇ですから詳しくわかりません。
テレビ画面から目視で確認できる点が二つあります。
●発声時に胸骨舌骨筋が Tight になり過ぎている
●甲状軟骨舌骨間が狭くなっている
二つの外喉頭の状況および GID の発声特徴から、どのように声に影響するかは、これまで喉ニュースにも書いてきました。
触診もビデオ検査もしていないので、これ以上の判断は無理。
はるな愛さんの声のご健康とご活躍を願うばかりです。
by aida-voice | 2013-03-24 15:34

声の短問短答【続編】59


「習っている先生から『お酢とおろしショウガを紅茶に入れて飲めば喉が温まって柔らかくなるので毎日実践しなさい』と言われましたが、正しいのでしょうか?」

まずはショウガ。
ショウガの辛み成分であるショウガオールおよびジンゲオールには血行を促進して体温を上昇させる作用があります。
ここで考えなければならないのは、全身を温める効果であり、喉周辺のみを個別ターゲットにしているわけではないことです。
この事実を周知していれば『喉が温まる』との趣旨は、決して誤りではありません。
以前、ショウガから抽出した濃厚なジンジャー液の投与前後で、筋硬度と声の様子を調べたことがあります。(筋硬度に変動なし、声も大きな変化なし)
それどころか、服用した直後は内喉頭がヒリヒリして「これじゃ歌えないよ!」と不評でした。【苦笑】
次にお酢ですね。
お酢を使って料理すると肉がやわらかくなる経験から「酢を飲むと体がやわらかくなる」との俗説が出来上がったのでしょうが、科学的な証拠はなさそうです。
体と体質の科学〔Newton別冊〕には『知るかぎりでは柔軟性を高めると証明された食品は無い』と書かれています。
したがって、このスペシャルドリンクでは声への好影響は少ないかもしれませんね。
ちなみに、わたしの疑問は「はたして美味しく飲めるのだろうか?」の一点です。

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by aida-voice | 2013-03-23 00:05

いっこく堂さんの喉頭


甲状軟骨が上下だけでなく左右にも動いている・・・
凄過ぎる・・・
分析すると、例えば、右上へ移動するには、左肩甲舌骨筋・左胸骨舌骨筋の力を抜いて、右茎突咽頭筋・右茎突舌骨筋・右甲状舌骨筋を作用させます。
右横へ移動するには、左中咽頭収縮筋・左下咽頭収縮筋を弛緩させ、右中咽頭収縮筋・右下咽頭収縮筋を収縮させます。
右下へ移動するには、左茎突咽頭筋・左茎突舌骨筋をゆるめ、右肩甲舌骨筋・右胸骨舌骨筋を縮める。
簡単には真似できない離れ業のオンパレード!!!
各共鳴腔の大きさや形状も、思い通りに変化させていることが容易に想像できます。
なお、これらはTVと数々のDVDから観察したもので、直接、触診や検査した結果ではありません。
いっこく堂さんは、やはり声の超達人ですね。

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追記:口を閉じたままの「パ・ピ・プ・ぺ・ポ」は、舌奥の切痕と上咽頭壁と口蓋垂によって密閉空間(下絵のカラー部分)を形成し、空気を破裂させることで発音が可能になります。そう、口腔内に、もう一つ口唇があるようなもの。ただし、有り余る喉頭の柔軟性と運動性が要求されます。さらに舌筋の可動範囲の拡大も必須。皆さんも努力を積み重ね、いっこく堂さんのような極上かつ自由な声を獲得してください。それにしても、いっこく堂さんは凄い…

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~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2013-03-21 17:36

無力


過日、ある耳鼻咽喉科におじゃましました。
そのクリニック院長と音声に関する会談です。
有意義なひとときでした。
その会談の最後に、お願いをされました。
クリニックに通院している患者さんに対する喉と声に関して。
喉頭ファイバースコープでは異常所見は見当たらないが、本人曰く「声が悪いから治したい」との願いが強く、わたしに外喉頭のトラブルの有無を調べて欲しいとの内容。
お役に立てるかどうかわからない旨をお伝えしたうえで、その患者さんにお越しいただき検査しました。
と言っても器具は持ち合わせていないので、声の様子と視診と触診のみ。
その結果、首(椎体)幅に対し、舌骨が異様に小さいことが判明しました。
もう少し詳しく調べるには、ビデオ撮影して検証しなければなりませんが、たぶん喉頭全体が小さい。
ただし、痛みや不具合があるものではなく、声の質が良くない程度で、日常生活に問題なく、これは病気でも奇形でもありません。
喉頭の小ささが共鳴音を損ない、構音不全や音量低下を招いているものと予想され、その状況を院長のみにお伝えしました。
そう、別室で、院長先生だけに、こっそり話しました。
ところが、院長はダイレクトにこの事実を患者さんに告げてしまったのです。
患者さんは神妙な様子で聞いていました。
機能でなく器質、つまり、生まれ持った身体の形状ですから、変えることが難しい。
現実、有効な改善手段がありません。
自身の声を受け入れるか、仕方がないからとあきらめるか、様々な音声訓練を試みるか…
以前、わたしは調べたまま正直に報告するのを正義と信じていました。
この心無い言動によって、泣かせてしまったことがありました。
以降、評価できる点は大いに伝え、マイナス点はオブラートを包んで優しく伝えるよう心掛けています。
このケースなら、「スピーチセラピー、ボイストレーニングやブレストレーニングなどで、あなたの音声はもっと良くなるかもしれませんよ」と。
帰途の列車の中。
今回、わたしがダイレクトに告げたものではありませんが、その患者さんの悲しげな顔を思い起こし、申し訳なさと自分の不甲斐なさに消沈していました。

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追記:なお、最近では各種訓練により、喉頭運動性能を高めることで多少の改善は可能になってきました。ただし、並々ならぬ努力と時間が必要ですが…
by aida-voice | 2013-03-21 08:42

再投稿


夢に向かって邁進するY.Sさん。
自分と向き合って努力を怠らない姿に感動します。
さらなる向上をお祈りします…




いつもお世話になっています、Y.Sです。

以前も投稿したことがありますが、僕は声優を目指しています。
まだデビューのチャンスは掴めていませんが、
ボイスケアサロンでの施術の度に声が良くなっていくのを実感しています。

声を活かした職業に就きたくてボイスケアサロンに通っている方はたくさんいらっしゃると思います。
その方々が理解すべきなのは、會田先生の施術は飽く迄も声を良くするためのものであり、
オーディションに受かることや売れることを確約するものではないということです。

歌手や声優になるために「良い声である」ということは絶対に必要な条件ですが、それだけでは充分ではありません。
やはり歌唱力・演技力やタレント性なども声と同等以上に重要なのです。

また、會田先生の施術を受けるにあたり、ただ受け身になるのではなく、
知識を身に付け、声に対する意識を高めることで施術の効果が大きく変わると思います。

私見が多くなってしまい恐縮ですが、ボイスケアサロンに通っている、もしくは通おうと思っている声優・歌手志望の方は、
その点を理解した上で施術をお受けになることを強くお勧めします。

先程も書きましたが、僕自身デビューには至っておらず、決して人様に偉そうなことを言える立場ではありませんが、
いつの日か皆様と一緒に活躍できる日を夢見ています。
by aida-voice | 2013-03-21 04:22

響きとボリュームの実験


響く大きな声を出していただきます。
1:深く考えず自由に出してもらう
2:舌骨大角に軽く指を当て「この中に共鳴する空間があります。声を出すのではなく、響きだけを想像して音を作ってください」
歌手や声優、さらに一般の方々でも実験を繰り返しました。
結果、2を意識すると、見事に音声の響きとボリュームが増しました。
そう、音色の根源となる咽頭共鳴腔を使いこなせば美声はあなたのもの。
繰り返します。
只々『声』を出すのではなく、共鳴腔の空間を感じながら響きを中心に『音』を作ること。
声は音です。
音は空気が薄くなったり濃くなったりを繰り返して伝わる疎密波の振動。
これが大原則。
最終構成である声でなく、音の響きだけに集中する。
思い通りの声が出ないとき、これまでの「がんばって声を出す」観念を捨ててみるのも一法ですよ。

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by aida-voice | 2013-03-20 09:02