過去も現在も、痙攣性発声障害の患者さまを毎日診ております。
痙攣性発声障害の方やその疑いのある方は、まず、優秀な専門医にかかってください。
そして、ボトックスや手術の対象にならない方や、それらを受けても芳しくなかった方は、当サロンがお役に立つ場合があります。(治療ではなく、喉の運動能力を高めたり喉にリラクゼーションを与えたりして発声を楽にしています)
この病気に関しては、これまでも外喉頭の観点から詳しくお伝えしてきました。
今回は、最新情報も織り交ぜ、簡潔にまとめてみます。

〔痙攣性発声障害の原因〕
原因不詳がほとんどですが、一部に過度なストレスや大声や高音発声の強要があります。
ジストニアの一種とも言われますが、その病気でないひともいるようです・・・

〔主な症状〕
内転型では、声が詰まる・声がふるえる・声が割れる・苦しい。
外転型では、無声子音に続く母音の無声現象・連続する息もれ。
特殊型では、初音が出にくく次の音がかすれるなど種々。

〔最大のお悩み〕
恥ずかしい・聞き返されるのがイヤ・声が小さいと注意される・やかましい場所で話せない・電話が苦手・プレゼンなど緊張すると声が出ない・気の小さい人物だとか、根暗だと思われてしまう・初対面で怪訝な顔をされる

〔治療法〕
根治の治療法が存在しない。
対症療法的にボトックス注射、手術(甲状軟骨形成術や内筋切除術)、漢方薬投与、音声訓練など。

〔当サロンのアプローチの目的〕
痙攣性発声障害の病気を治すのではなく、発声を楽にして、たとえ痙攣があっても乗り越える喉の運動性能を獲得する。

〔初めて当サロンの施術を受けた後の反応〕
当サロンの施術を受けると・・・(回数は個人差で異なる)
①術後は筋肉がやわらかくなり声がかすれるが、数日後から楽に発声できる。
②術後は喉の力が抜けて楽に発声できるが、徐々に詰まり感が戻ってくる。
このいずれかです。
しかし、筋肉には反応力と記憶力がありますから(そう、自転車に乗れるようになったり逆上がりができるようになったりするのと同じ運動性能)、繰り返しの施術で、良い状態(楽な発声)が長くなってきます。

〔改善の様態〕
痙攣性発声障害(音声振戦症や過緊張性発声障害の方々を含む)は、無声時および発声時の両方共に筋硬化させます。
必ずです!
そして、病魔を克服した、つまり乗り越えられた皆さんの外喉頭には特徴がありました。
その順序が以下です。
4期にわかれます。
第1期:無声時も発声時も過緊張している(主に初検時や来院して間もないとき)
第2期:複数回の施術で無声時の過緊張が緩和する ⇒ この時期が最も長いため、ここで断念してしまうひとが最も多い難関のゾーン
第3期:発声時の過緊張が減るにしたがって、声を出すことが楽になってくる(最初のうちは意識的)
第4期:無意識でも力を抜くテクニックが身につき、どのような場面でも楽に会話ができる
これらを叶えるには、無声時だけでなく有効な Utterance treatment (発声しながらのピンポイントストレッチ)が必須!!!
その独自手法が完成しています。
自負するものではありませんが、かなりの効果があります。
軟部組織が相手ゆえ、本当に大変でした・・・
どんな音程や音量、どんな速度や息づかい、どの場所(ミリ単位の部位)に、そしてアプローチの力加減やタイミング。
このタイミングは超大切!
これが狂うと、まったく意味がないことも判明しました。
そのための楽譜と練習曲も作り上げました。
当サロンでお試しください。

再び申し上げますが、日々発展している現代医療でも、いまのところ完治は難しい状況だと思われます。
当サロンでは、あくまで「喉の運動性能アップで、病気の症状を乗り越えましょう」の趣旨を目的としています。
「声が震える」「声が詰まる」「声がかすれる」って、非常に辛いことです。
周囲に声のご病気のひとがいましたら、怪訝な顔つきで「えっ?」と安易に聞き返したりせず、温かく見守ってくださいね。
集中すれば聞えますし、前後の内容から理解できるはず。
痙攣性発声障害や音声障害の皆さまの症状改善とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
お大事になさってください・・・



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ブルーの丸印が Utterance treatment の重要部位





ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。
by aida-voice | 2010-11-30 00:30


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声の相談会での話。
「J-POPの歌がうまくなりたくて、ボイストレーナーに数年習っていますが、ぜんぜん思うようにいきません。もちろん、当初に比べたらテクニックも表現力もアップしていますが、どうも高音がコントロールできていない。先生からは『練習が足りない』『もっと気合いを入れて歌え』『声がガラガラになっても歌い続けろ』と過激なレッスンを続けています。本当にこれで良いのか不安です」との相談がありました。
残念ながら精密検査(輪状甲状関節の動きは、細密な触診とビデオ撮影検証が必須)が不可能であるため、正確性に欠ける返答しかできませんでしたが、〔甲状軟骨下角が左に比して右が突出している〕のを発見しました。
内喉頭および甲状腺に疾患が無い旨を確認し、変形または破格である可能性が8割以上ではないかと考え、そのようにお伝えしました。

會田:この状態では輪状甲状関節が正常に機能しないと思われるので、音楽的に優れた高音を発声するのは至難の業かもしれませんよ。
相談者:これまで何年も習ってきたのは無駄だったのでしょうか?
會田:確かに求める高音は獲得できていませんが、歌唱技術や音楽的センスは格段に向上したのではありませんか。そう考えれば無駄な練習ではなかったはずです。
相談者:そうですね。では、この状態から脱却するにはどうすればよいですか?
會田:まずは精査しましょう。そして、輪状甲状関節の動きを正常化させるアプローチを受けてください。喉頭隆起も正中から外れているので、軸系捻転だと思います。このケースでしたら、左右の筋肉の運動性を是正することで問題点が解決することが多々あります。それほど心配しなくてよいでしょう。これまでも大勢のひとが治っていきましたからね。きっと、高音が驚くほど楽に綺麗に出るようになりますよ!

個人差によって、「練習さえすれば高音は出る!」は正しくない可能性があることを念頭に置く必要があります。
根性を鍛える目的なら別ですが、無茶な高音発声の練習には気をつけてください。
それでなくとも、高音発声を強いて、①反回神経の断裂や圧迫による麻痺(不全麻痺)、②声が詰まって出難い過緊張性発声や音声衰弱症などの機能性発声障害、③声帯結節やポリープ様声帯、④高音発声するたびに痛む輪状甲状筋(または筋膜)断裂などで困っている方々を多く知っています。
当サロンには、耳鼻咽喉科で解決できない症例で、毎日、全国から多くの患者さまがお越しになります。
皆さん、人知れず苦しんでおられます。
このようなトラブルがビックリするほど多いのです!
罹患された方々にお会いするたび、わたしは心が痛みます。
そう、損傷したり調子を崩したりしてからでは遅いのです。
声を出すことも歌うことも、喉の小さく複雑な筋肉がかかわっています。
是非、優しく丁寧に扱ってあげてください。
大切にして十分に活動させれば、驚くほどの美声(素晴らしい音質)が獲得できます。
残念ながら、指導者を含め習う側も、ほとんどが『喉と声』に対して無頓着過ぎると感じています。
全ての皆さまの声が健やかであることを心から願っています・・・
この願いは理想主義に傾き過ぎでしょうか???




ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




追伸:あなたが行っている発声練習が、「本当に理にかなっているのか」、「自分に合っているのか」、もう一度、確認してください。声を壊してからでは遅いのです・・・



~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2010-11-23 00:18

風邪の予防と対処


今年も風邪やインフルエンザのシーズンがやってきました。
共にかからないのが一番。
そのための予防と、風邪を引いたときの対処をお教えしましょう。
まずは予防です。
今回は、手洗い&うがいだけでなく、外喉頭の観点から独自の予防法をお伝えします。
まず、風邪やインフルエンザはウイルス感染が主であるのはご存知だと思います。
ここで考えてください。
同じ環境や条件に居ても、風邪を引くと引かないひとがいます。
この違いは一体何でしょう?
確定はできませんが『感染経路』と『免疫力』と『運』ですね。
手洗いとうがいは、感染経路と運(?)の部分を防御します。
それでは免疫力はどうすれば良いのか…
まずは常に体調を整えておきましょう。
運動、食事バランスや睡眠も大切。
そして、外喉頭へは加温です。
外出して帰宅したら手洗いとうがいをし、ホット蒸しタオルを喉にあてましょう。
ホット蒸しタオルは、レンジで簡単にできます。
適度に濡らしたタオルをレンジでチンするだけ。
仰向けに寝て、喉全体にタオルがかかるよう置いてください。
5分で結構。
加湿もされるので、内喉頭への保湿もバッチリ。
熱すぎるとやけどしますので注意してください。
では、なぜ風邪予防になるのか?
仮説ですが以下のことが考えられます。
列挙します。
●軟部組織の運動性が高まるため、繊毛によるウイルスや異物の排出力がアップする
●温度(体温)が上がると免疫力が上がる(伝聞)
●加温によって喉頭全体の循環機能が高まり粘膜からの分泌液が増え乾燥を軽減する
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次に、風邪を引いたときの対処方法。
最初に内科または耳鼻咽喉科で診察を受けてください。
適切な処方をしてもらいましょう。
基本は予防法と同じです。
是非、喉頭を蒸しタオルで加温してください。(一日3~5)
即時に良くなるものではありませんが、改善を促すでしょう。
実際、風邪を引いたひと数名に試してもらいました。
かなりの効果があったようです。
そして、さらに積極的に免疫力を高めます。
それは・・・、上喉頭動脈の血流量増加。
舌骨甲状軟骨間隙開大のストレッチを行いましょう。
この手技(テクニック)は、正しく練習を重ねれば、それほど難しくありません。
しかし、安易に載せてしまうと「試してみたが利かない…」「力加減がわからない!」「こんな感じで良いの?」と驚くほど多くの意見や質問が来ます。
ときに「長時間行ったら痛くなってしまった!」「指に力を込めたら喉が詰まるように感じてきた」と、苦言をいただいたこともあります。(事故を起こしてからでは遅いので、正確な方法を知らない方は絶対にマネしないでください)
やはり、個体差もあります。
文章だけでなく、実際に目の前で指導させていただかなければ正確かつ安全に行えません。
したがって、施療終了時の質問コーナーで、お尋ねになった方々のみコーチします。(平成22年12月24日までの限定とします)
サロン内でお気軽にお申し付けください。
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ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)





~メッセージ~
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by aida-voice | 2010-11-19 11:08

素晴らしい仮説


ボイスアドバイザーである坂原晋太郎先生から質問をいただきました。




坂原晋太郎先生

いつもお世話になっております。
前回伺った際、声帯の振動についての質問をさせて頂きましたが、その続きです。
声帯の一部分が振動を止め、残りの部分が別個に振動することによって、より高い周波数の振動が得られる現象は、物理で言うところのn倍振動に当たるかと思いますが、そのような振動モードの変化は実際に観測されているものの、どのようにして制御しているかは解明されてない(但し、筋肉の働きではない)とのことでしたね。
そこで仮説なのですが、飛行機の翼が形状によってその働きを大きく変えるように、呼気の通り道である共鳴腔の形状が変わることによって、声帯が振動する空間上において流速が常に0となる点が発生、その結果として振動モードが変化する、というのは考えられないでしょうか。
実際はどのように流れの場が変化しているのか全く想像はつかないのですが、お気づきの点等御教授頂ければ幸いです。




會田茂樹

會田です。
おぉ、鋭い視点!
「飛行機の翼が形状によってその働きを大きく変えるように、呼気の通り道である共鳴腔の形状が変わることによって、声帯が振動する空間上において流速が常に0となる点が発生、その結果として振動モードが変化する」
これは新しく且つ論理的ですね。
軟部組織の形状を正確に計測することは難しいのですが、わたしは「有り得る」と思いますよ。
素晴らしいご意見ありがとうございました。





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坂原晋太郎先生は喉と声に関して相当な知識をお持ちで、ボイスアドバイザー試験のとき、わたしの作った問題の不手際を指摘した有能な先生です。
さらなる精進とご活躍をお祈り申し上げます。




ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)






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by aida-voice | 2010-11-17 17:32

ジストニア発声


よく痙攣性発声障害(SD)とジストニアの関係を問われます。
ジストニアに罹患しているからといって必ずSDになるものではないようですが、この診断は音声専門医に任せるとして、当院には両疾患の方々が大勢来ます。
現在、この二つは異なる疾患のようですが、やっぱ似ています。
しかし、細かく調べると大きな違いがあります。
それは、痙攣する筋肉の場所と声の様子。


痙攣(筋緊張)に・・・
SD:左右差が少ない
ジストニア:左右差が存在 ← これが最大の特徴と言えるでしょう!

肩こりや首こりと
SD:ジストニアほど大きく関係しない
ジストニア:大いに関係する

疲労との関連
SD:身体が疲れると多少声が出にくくなる
ジストニア:肉体的(筋)疲労と関連あり

声の様子
SD:詰まる、割れる、途切れる、大きな声が出せない
ジストニア:多くは嗄声(させい)がメインとなる → 平常発声も可だが、喉頭疲労が顕著!

筋硬直の場所
SD:内喉頭筋(後輪状披裂筋など)が主
ジストニア:外喉頭筋(肩甲舌骨筋など)が主 ← これも重要な性質!

頚部の違和感
SD:発声しなければ気にならない
ジストニア:発声時以外も気になることが多い


このような違いがあります。
ジストニア発声の場合、ダイレクトに声帯を動かす筋が侵されていなければ、改善は可能だと思っています。
発声は筋運動です。
筋肉は微細な電気の信号によって指令を受けています。
それを考慮したジストニアに効果的な電療を開発(使用方法の発見)しています。
さらに、ジストニア症状を起こす筋肉を見つけ出し、その部位に対してピンポイント・マイクロストレッチを施すことで発声がグングン楽になります。
ある程度、ジストニア症状を抑え込めば、日常生活に問題ないレベルまで回復できますよ。
お大事になさってくださいね。

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ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)



追記1:ジストニアって思いのほか存在しています。目の周りのピクピク痙攣(疲労を除く)、首が突っ張り傾いてしまう痙性斜頚、字を書くときにブルブル震える書痙など・・・



追記2:発声時のみジストニア症状を起こす場合は、もともと痙性斜頚に罹患しているひとが、胸鎖乳突筋と肩甲舌骨筋の筋膜癒着(癒合)を伴っているケースがあります。とくに中間腱を中心として広範囲に存在するときは、歌唱に大きく影響します。特徴は、何しろ歌い難くなる・高音が出ない・声質が落ちた・力むようになった・声がかすれる・歌唱後の疲労が激しいなどでしょうか!?




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by aida-voice | 2010-11-16 13:10

講演&セミナー情報


音大有志、合唱グループ、音楽教室、ボイストレーナー勉強会など、10名以上集まれば、會田茂樹が出張して講演やセミナーを行っています。
2009年から、毎月2回のペースで開催しております。
ご希望の方(団体)は、日時や内容の条件をすり合わせますので、メールor電話にて、お気軽にお問い合わせください。

・講演内容:発声の正しい最新情報、簡単な喉の医学、喉体操セミナー、ベルカント医学、喉と声の質疑応答会など、演題や内容は話し合いのうえ決定
・講演料:21,000円(約60分)
・交通費:東京23区、名古屋市内、京都市内、大阪市内は無料(その他は実費)
・その他:ボイスケア商品の試供品をプレゼント
・特典:ボイスアドバイザー試験のポイントを付与(2点)

※例:20人そろえば、一人1,050円で最先端の喉運動学を学べるのです!
※なお、30人以上の場合は、分けて開催します。一人ひとりをチェックするため、時間が足りなくなるからです。
※ 参加者の全員に「喉ニュース」を熟読しておくようお願いします。あまりに簡単な説明(例えば、喉の中にラジオやスピーカーは入っていないとか、声帯は木や金属でなく筋肉と粘膜から出来ているなど)に時間を要し、大切な講義時間がなくなってしまうからです。主催者は、趣旨の周知徹底を図ってください。



★★★ 現在、2011年8月まで講演予定は一杯です ★★★


なお、現在は新規講演を受け付けておりません・・・




~メッセージ~
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by aida-voice | 2010-11-15 11:35

平井堅さん大研究


ここ数年、わたしの尊敬するビッグアーチストである平井堅さんを研究してきました。
詳細報告は専門誌に発表しますが、喉ニュースでは要点をわかりやすく掲載します。
わたしが最初に平井さんを初めて知ったのは名曲『楽園』です。
2000年のことですね。
以来、彼のCDやミュージック・クリップ(プロモーション・ビデオ等)を収拾し、楽しませていただきました。
それら研究の集大成です。
まず、平井さんの喉の高い運動性能に驚かされます。
圧倒的な喉頭性能・・・
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触診しなくても、TVやビデオの画像から、喉頭の二次元的動きに加え三次元的動きの良さもはっきり確認できます。
野球で例えるなら、メジャーリーガーのレベル。
平井さんのピュアな高音はどこから出てくるのか?
一説には、平井さんのピッチと曲速度を上げると一青窈さんの歌声にそっくりだと言われています。
実は、一青窈さんの喉も研究していますが、答えは、平井さんと一青さんの喉の形が似ているからです。
詳しく述べると、次のポイントが相似形であると思われます。
1:甲状軟骨の形状
2:舌骨の形状
3:共鳴空間の形状
とくに1に関しては、甲状軟骨翼の角度が鈍角(広角)で、甲状軟骨板の大きさが頚部の太さに比して大きいことが共通ですね。
つまり、一青さんの喉を大きくすると平井さんになり、平井さんの喉を小さくすると一青さんの喉になるのです!
さて、平井さんの特徴に戻ります。
次に重要なのは、平井さんの舌骨のPositionです。
これはすごい!
横向きの画像で何度もチェックしていますが、ここぞと言うときの平井さんの舌骨前方移動に伴う咽頭共鳴腔拡大力は筆舌に尽くしがたい素晴らしさなのです。
そう、発声三角の大きいこと大きいこと・・・
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素晴らしい発声三角の大きさ!


平井さんの甲状軟骨は大きく秀逸な形状ゆえ、喉頭隆起は目視できる存在です。
歌っていないときの喉頭隆起(のどぼとけ)はしっかり認められます。
しかし、歌い始めたとたん、喉頭隆起と下顎(オトガイ)を結ぶ線は一直線となります。
喉頭隆起の突端がわからなくなります。
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おぉ、excellent


驚きです。
そこが平井さんの真骨頂。
輪状甲状筋をしっかり稼働させ、輪状甲状関節のヒンジ運動およびスライド運動を巧みにコントロールしながら、咽頭共鳴腔を自在に操る。
圧巻ですね。
ビデオを見ると、平井さんはやや苦しそうに歌っていますが、実際は楽に高音を出しています。
喉頭の自由な動きから考えると、余裕で歌っているはず。
もし、全力でギリギリ高音を発声していたら、アッと言う間にスタミナが無くなってしまったり、ガラガラ声になってしまったりします。
そして、無理矢理発声の金属音的な高音ばかりでは、聴く方も疲れてしまいます。
つまり、平井さんは感情をこめて “演技” で歌っているのです。
これこそ王者の証し。
一般人は簡単にまねできませんよ。
お間違いなく。
これまで『楽園』から『大きな古時計』『瞳をとじて』、そして最近の『アイシテル』まで大ヒットが数々。
ところで最近ちょっと気になることがあるのです。
TVの歌番組などで拝見拝聴していると、極小な嗄声(かすれ声)が増幅する瞬間が、ごく稀に存在しているように感じます。《2010年秋現在》
訓練された聞き分ける能力を持った耳で、よ~く聴かなければわからない程度。
これは、咽頭収縮筋の硬度アップによる甲状軟骨深奥現象ではないかと考えます。
披裂軟骨の動きを阻害し、声門間隙の開大を促してしまう可能性が出てきますよね。
同時に、喚声点〔パッサージョ〕を迎えるとき、ときどき発声三角の形状の乱れも確認しました。
三角形の面積が若干小さくなりますから、咽頭共鳴腔の体積が減って音色に影響してきます。
①多忙ゆえ筋疲労が元で起きたのか!?
②甲状軟骨の維持に負荷がかかっているのか!?
もしかすると、原因はこのあたりにあるのかもしれませんね。
共に活躍の証でしょう。(平井さんはプロ中のプロゆえ、歌唱技術と喉頭能力で回復できるはずですから大きな心配はいらないと思いますが…)
それにしても平井さんの喉頭の形状と運動性能は極上で、絶世のトップアーチストであると断言できます。
そう、正真正銘、わたしが平井堅さんの大ファンですから。
末永いご活躍をお祈り申し上げます。



ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




追記:上図の絵は、平井堅さんの風貌に似ている方の横顔を該当腺や面積と合うように作画したもので、平井堅さんではありません。また、当内容は本人を直接検査したものでなく、音声と映像から考察した予想です




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by aida-voice | 2010-11-14 00:07

嚥下・摂食 最新情報


嚥下・摂食 最新情報

嚥下・摂食のアプローチ報告です。
嚥下ストレッチ」(無料施療)でお伝え済みです。
外喉頭と嚥下・摂食の関係がかなりわかってきました。
今日は、その中でもキーポイントとなる話題をお伝えしましょう。
それは・・・「口を開けたまま、食べ物を飲み込めない」と言う事実です。
これを逆手に取る手法です。
飲み込みが困難な方は、嚥下不良の状態になりますよね。
つまり、喉頭蓋の動きが正確でなく、食べ物が梨状陥凹に残っています。
具体的には以下の様式です。
①準備として、顎二腹筋や茎突舌骨筋のピンポイントストレッチを丁寧に行います。
②舌骨を正確に引き出しながら開口します。
③喉頭蓋の位置をリセットします。
④口を閉じ、飲み込み運動を再チャレンジします。
⑤高確率でスムーズに飲み込めます。
やはり、嚥下・摂食の運動性能をアップしなければ叶いませんので、①が最も重要になります。

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ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




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by aida-voice | 2010-11-09 08:13


モデルとしてタレントとして活躍しているJOY君。
10回にわたってお送りしたJOY君とのボイストークは大好評で幕を閉じました。
今回は番外編の動画です。
まず、何よりも彼の喉頭は大きく形状も秀逸です。
JOY君の輪状甲状関節の動きをご覧ください。



最初に、右指で輪状甲状関節と輪状甲状筋を繊細なタッチで探し出します。
それらの状態を指に覚えさせましょう。
右指腹を輪状関節前下縁に圧着させます。
そして、喉頭周辺筋の左右差(筋腹や筋力)を考慮して軸を調整します。
次に、甲状隆起上縁を押し込まないよう左中指第一関節付近でホールドします。
「おはようございます」「おはようございます」「おはようございます」を連続で、同じトーン同じピッチで発声してもらいます。
右手指を、ヒンジ運動に伴う円弧を描きながら徐々に屈曲させます。
これらを一瞬にして敢行します。
決して押し込んではいけません。
押し込むと、結果が求められないだけでなく、損傷する恐れが生じます。
このような手技によって、輪状甲状関節を屈曲させるにしたがい、高い音になる様子を確認してくださいね。
ここで注意があります。
絶対にマネしないでください。
十分な知識があり、輪状甲状関節の位置を正しく判別して正確な動きを再現できるテクニックをお持ちなら構いません。
しかし、訳もわからず見様見真似で行うと、多くは輪状軟骨を強く圧迫してしまい、好結果を得られないだけでなく、周辺組織を痛めることがあります。
さらに甲状軟骨小角の一方が浮いている構造の持ち主の場合、過度に外力が加わり、関節が外れて脱臼する恐れもありますからね。
動画では簡単に見えますが、かなりの超絶技巧テクニックなのです。
お間違いなく・・・




ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




追記:当サロンに通って、JOY君の声は格段に向上しました。最近では、歌も高評価を得ているようです。ますますの活躍をお祈りしています。




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by aida-voice | 2010-11-06 02:57


患者さまのご許可を得て報告および掲載します。
何よりも「甲状腺手術後の声で困っている皆さんのためになるなら・・・」とおっしゃってご許可をくださったお心の優しさに感激しました。
詳しい経緯は割愛しますが、数年前、腫瘍の手術で甲状腺右葉を全摘(すべて取り去ってしまう)しました。
その際、反回神経が切れ、麻痺を起こしました。
手術直後、「声が出ない」ことに大きなショックを受けられたそうです。
執刀医からは「数ヶ月もすれば戻ってくるよ」と言われたそうですが、声は戻りませんでした。
その後、優秀な音声医の元で、披裂軟骨内転術、次に自家脂肪声帯注入を行い、かすれは残るものの声は改善しました。
さすがM先生です!
日常生活には大きな支障がない声となりましたが、やはり、①かすれる、②声が出難い・詰まる、③大きな声が出ない、④すぐに疲れて誰とも話したくなくなる、⑤「えっ?」と聞き返されるのが辛い、と言った状態が残っています。
そして、当サロンにお越しになりました。
まず、①何が起こっているのか!?、②何が原因なのか!?、を徹底的に検証してみました。
その結果、以下のことが判明したのです。
●右胸骨舌骨筋 瘢痕
●右肩甲舌骨筋中部 瘢痕
●右肩甲舌骨筋上腹部筋膜と右胸鎖乳突筋中部筋膜 癒着
●右輪状甲状筋 瘢痕?(輪状甲状関節自立可動の不全)
●喉頭周辺筋全体 硬直傾向
外皮からの写真でも確認してください。
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そして、瘢痕や癒着が時間経過のため硬く固着している印象が否めませんでした。
つまり、それらを取り除くのに時間と根気(施療回数)が必要なのです。

触診やビデオ検査によると、この方の甲状軟骨は大きく形状も秀逸であることがわかりました。
この形状なら美声が可能と思われ、お尋ねしたところ、やっぱり以前は歌が非常にうまかったそうです。
甲状軟骨の形状やその周辺を診れば、たちどころにそのひと本来の声が想像できます。
「再び歌いたい・・・」
その思いもありました。
どうにか元の声に戻したい。
ところで元の声って?
そこで、一時的ですが瘢痕・癒着が影響しないよう、特殊な手技で試してみました。
右胸骨舌骨筋と右肩甲舌骨筋中部の瘢痕部を回避しながら、右肩甲舌骨筋上腹部筋膜と右胸鎖乳突筋中部筋膜の癒着を引き剥がし、輪状甲状関節を屈曲させて声帯の張りを強め、喉頭周辺筋全体を弛緩させて共鳴腔を活かすように動かす。
これらの動作を、同時かつ瞬時に行います。
それが次の動画です。
ビックリしました。
素晴らし変化です。
どうぞご覧ください。
なお、超絶技巧ゆえ、わたしの指先はティッシュペーパーで隠してありますことをご了承ください。



上の動画は会話声でした。
次は、音楽的要素を加味した発声によるアプローチの有無の動画を供覧します。
声の違いを聞きわけてください。



長時間の検査とご協力ありがとうございました。
甲状腺の手術をしてからやや時間が経っておりますので即時改善は難しいですが、音楽性に富み感性豊かな方ゆえ、きっと美声を取り戻せるのではないかと大いに期待しています。
快癒に向け、わたしも全力で施術させていただきます。
どうか、お大事になさってください。




ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)





~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。
by aida-voice | 2010-11-02 06:37