ひみつの声の答え・・・


茎突咽頭筋ストレッチの能動的伸長の正しいやり方

《第3回喉体操に出席した皆さまへ》
昨日の講演で「ひみつの声」に関する話題をお伝えするのを失念してましたので、ここに記載します。
茎突咽頭筋ストレッチの能動的伸長の正しいやり方です。
3つお教えしたうちの、2番目の茎突咽頭筋ストレッチを思い出してください。
このストレッチを行っている20秒の間に、茎状突起の下約2㎝と甲状軟骨翼(筋肉が付着する場所)を両手指で、ゆっくり優しく伸ばしてください。
これによって、さらに効果が増します。
なぜ、茎状突起の下約2㎝か?
喉体操を受講した皆さまなら、もうおわかりでしょう。
そうです、茎状突起の形状と構造に答えが潜んでいます。
このストレッチによって、喉頭の奥上Position傾向が改善され、喉の自由度が格段に増しますから・・・
「声が出しやすい」「声が響く」「声に艶が出てくる」「滑舌が良くなる」・・・
大切なことは、知るだけでなく、実行することです。
そして、続けてください。
さあ、声を磨きましょう!

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ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2010-05-31 08:00

第3回喉体操 報告


第3回喉体操 報告


今回も大盛況のなか、無事に終了しました。
出席していただいた皆さま、ごくろうさまでした。
3つのストレッチを正しく上手に利用して、さらに声をグレードアップさせてください。


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また、今回、当講演を受けられた方には、ボイスアドバイザー確認試験で2ポイントを差し上げます。(第1回、第2回は含みません)
口頭試問20出題中、15問以上正解が合格ですが、この講演受講により、13問以上正解で合格します。
有効期限は3ヶ月間(2010年8月30日まで)です。
受験の際は、その旨をお申し付けください。
お申し込みは、メール、または、お電話で。
合格するまで何度でも受験できます。
皆さまのチャレンジをお待ちしております。



ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




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by aida-voice | 2010-05-30 21:08

喉の筋肉を鍛えよう!


高音のために輪状甲状筋を鍛えよう。
低音のために外側輪状披裂筋と声帯筋を鍛えよう。
音を各種コントロールするために後輪状披裂筋、横披裂筋、斜披裂筋、甲状披裂筋を鍛えよう。
響きある音のために甲状喉頭蓋筋、オトガイ舌筋、舌骨舌筋、胸骨舌骨筋、甲状舌骨筋、その他を鍛えよう。
歌や滑舌のために舌骨上筋群、懸垂機構、口蓋帆挙筋を鍛えよう。
その前に・・・、これらの筋肉のおおよその場所と正しい動き方を知ってください。
そして、運動能力あふれる筋肉に仕上げるには、筋肉の柔軟性が必須。
あなたは喉のボディビルダーになりたいのですか!?
お願いです・・・、見せる筋肉でなく、声と歌のために使える筋肉を作り上げてください。



後輪状披裂筋の正確な位置(水色円内部に存在)
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アメリカ合衆国メイヨークリニック喉頭機能外科教室にて




ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




追記:発声には関与しない、つまり主に嚥下にかかわる筋肉、下咽頭収縮筋と中咽頭収縮筋と茎突咽頭筋が恒常的に硬いひとは、喉の自由度を奪ってしまい、思い通りの発声ができません。もちろん、呼吸や嚥下には問題なく、声もふつうに出ますから、病気ではありません。ただ、美声や歌がうまいから外れるのです。また、喉づめ発声や過緊張発声の方も、この三つの筋肉の柔軟性が乏しくなっている特徴を有しています。下咽頭収縮筋が硬くなると、甲状軟骨の動きが悪くなります。さらに頚椎方向へ移動し、声帯の開閉を担う後筋に影響を与えかねません。中咽頭収縮筋が硬くなると、舌骨が奥に引き込まれ、音色の調節で大切な咽頭共鳴腔を狭くする可能性が出てきます。茎突咽頭筋が硬くなると、甲状軟骨を上方奥に移動させ、本来の機能である「咽頭を持ち上げ広げる」役目が損なわれてします。




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by aida-voice | 2010-05-28 06:30

歌唱力を高める


歌がうまいひとは、歌がへたなひとの “正確な理由” を理解していません。
そう、自分は何もしなくても自在に声が出てしまうからです。
足腰の悪くない健常な人に階段を下りてもらいます。
そして「どうやって階段を下りてきましたか?」と問うと「どうやってって・・・、ただ普通に下りてきただけだよ・・・」と答えに戸惑ってしまいます。
ところが膝の動きの悪い(ケガをして膝が痛いのでなく、膝の関節が曲がらないだけの状態)ひとが階段を降りる際は、きっと四苦八苦しながら慎重に下りることでしょう。
これと同じです。
自分と他者のどこが違うかどころか、自分のどこが優れていて良い声になっているのか知りません。
あなたは、音階ドレミの、ド音とミ音の違いを、筋肉運動レベルで説明できますか?
どこの筋肉を、どのくらいの力で使っているかを、知っていますか?
そう、手足の見える部位や、動き方を知っている筋肉では、ある程度簡単なことです。
でも、喉の筋肉は見えないし、動かし方もわかりません。
知らなくても声は出ます。
声がよいひとや歌がうまいひとと、そうでないひとの違いは?
わかってきました。
それは喉頭の運動能力保有の有無。
俗に言う運動神経にも近い言葉でしょうか。
この能力に優れたひとは、歌がうまいのです。
そう、単純にこれだけ。
では、後天的に性能アップはできないのか?
可能です。
声は、声帯を含め、すべて筋肉から作られます。
そこには、筋肉の持つ特性が大きく立ちはだかってきます。
筋肉は独特メカニズムを有しています。
動く範囲、硬度、関節との融合性、筋腱移行部の位置など種々に及びます。
これらを考慮しながら運動能力を高めるのです。
キーワードは柔軟性と筋力でしょうか。
「やわらかい筋肉」と言い切ってしまうと、この言葉は医学的でないため語弊があります。
実際には、筋線維内のエネルギー(ATP)効率と伸縮の関係を示して「かたい」「やわらかい」と言われるのでしょうね。
さて、歌唱から大幅に外れていきました。
元に戻しましょう。
実際、歌唱の中心はアート(芸術)であることは、疑う余地もありません。
「歌は芸術だ」まさしく至言です。
そのアートを創出する道具が喉頭のフィジカルです。
絵で例えるなら、キャンバスや絵の具にあたります。
この道具なしでは絵画は成り立ちません。
どんなに芸術性に長けた画家でも、念じるだけで絵が完成するとは思えません。
そして、そのキャンバスや絵の具が使いやすい方がベターですよね。
歌唱に対する当サロンの独自アプローチは、ここを目指しているのです。
よって、歌唱力を高めるには、最初に喉頭の運動性能を上げること。
たった、これだけのことです・・・
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會田茂樹(あいだしげき)





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by aida-voice | 2010-05-27 09:24

明石家さんまさんの声


つい最近、某テレビ局から、「企画段階ですが、明石家さんまさんの声を分析しようとうい趣旨の番組を予定しているので、出演してください」との連絡を受けました。
残念ながら、企画そのもが立ち消えたようで、私は出演していません。
実際、この頃、よくTV局や番組製作会社から協力依頼が舞い込んできます。
しかし、あまりに行き過ぎたバラエティに対してはお断りしています。
現在も、これまでも、血のにじむような探求を続けていますが、まだまだ私の研究は世間的に認知されていないため、面白おかしく茶化されたら、そこから先は無くなってしまいます。
さて、その明石家さんまのお話をいただいたとき、さんまさんの喉を、前もってじっくり研究しておきました。
結局、触診や発声検査をしていないので、正確にはわかりませんが、たくさんのTV画面と音声から外喉頭の様子が推察できました。
難しくならないよう簡単に述べます。
さんまさんは愛煙家です。
したがって声帯および内喉頭に乾燥があるのは必至でしょう。
声の質からも想像できますね。
また、その音質から、声帯の萎縮傾向も懸念されます。
それを物語るように、最外に位置する喉頭筋の活動性減少(筋力低下)を、TV画面を通して、皮膚から見てもわかります。
しかし、さんまさんは何時間もしゃべりまくっています。
そう、四六時中、常にしゃべっています。
まさに疲れ知らず。
ふつうなら、かすれや枯れがひどくなり、長時間の発声が困難になるはずです。
しかし、さんまさんは大丈夫。
なぜ?
その答えはわかっています。
外喉頭の筋力低下があっても、余りあるほどの舌骨上筋群(とくに懸垂機構)の柔軟性と活発性があるからです。
さんまさんの発声時の動画をスローにしたり、静止画にしたりして、目視確認できました。
おっと、ちょっと難しいですね。
つまり、のどぼとけ(甲状軟骨)周辺の筋肉が、使い過ぎや加齢によって若干落ちてきているにもかかわらず、のどぼとけ(甲状軟骨)をつっている筋肉群がしなやかに動いているため、声を作り共鳴させる空間も大いに使いこなし、素晴らしいトークを連発し続けることができているのです。
さらに付け加えるなら、口腔共鳴腔の体積です。
口が大きいということ。
これで調音を効果的に行えるため、発声効率も良いのです。
もちろん、さんまさんの出歯も、音声作りに一役買っています。
さすがです!
すごいです!
お見事!
やはり、しゃべりも天才ですが、喉頭環境(のどの運動性)も天才だったのです!



ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)



追記1:さんまさんの懸垂機構の良好な運動性を参考にすれば、正しいボイス・アンチエイジングのアプローチ方法が浮かび上がってきますよね。下は舌骨に付着する各筋の模式絵。濃赤色:茎突咽頭筋、緑色:顎二腹筋、オレンジ色:顎舌骨筋、青色:茎突舌骨筋(茎突舌骨靭帯が並走しています!)
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追記2:舌骨上筋群の柔軟性により、甲状軟骨舌骨間の間隙も健全に保持されていると考えられます。すなわち、上喉頭動脈からの内喉頭への血流も多いため、分泌液も確保され、乾燥に強い喉だと言えるかもしれません。しかし・・・、声をこれだけ使って、あんなにタバコを吸って・・・、やっぱ、さんまさんの喉は超優秀です!



追記3:さらに・・・、舌骨上筋群の柔軟性により、舌奥の上方圧迫が少なくなります。これによって舌の運動性能は損なわれないことになります。つまり、言葉をかむことが少なくなる・・・、そう、滑舌も良好になりやすいのです!
これまで、滑舌は口元周辺の筋肉の問題とされてきましたが、実は、舌骨上筋群の筋柔軟性にあったのです。滑舌の優れたアナウンサーやナレーターで検証済み。「と言うことは・・・、言葉をかみやすいひとは、この部分を柔らかくすれば良いのしょうか?」「はい、その通りです」「方法は?」「それは、



追記4:さんまさんに似た細面の顔に上歯をデフォルメし、甲状軟骨と下顎一部の絵を重ね、茎突咽頭筋(赤)と茎突舌骨筋(青)を描きました。正確性に欠けますが、自由度のある喉頭の位置や筋図を確認しましょう。
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追記5:これらは数多くの映像や音声をもとに、徹底的に研究した報告です。実際に検査はしていませんので正論でない可能性もありますのでご承知ください。





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by aida-voice | 2010-05-25 20:28

ほしいままの裏声を!


声を大切にしているひとなら、声帯の粘膜振動のみで発せられた声が『裏声』であると知っていることでしょう。
そう、初心者の皆さんの理解を最優先して、大胆かつ簡潔に解説すると以下のようになります。
◆声帯は、筋肉と粘膜から作られている。
◆声帯筋をおおうように声帯粘膜が存在している。
◆地声は筋肉の振動である。
◆裏声は粘膜だけの振動で、筋肉は振動していない。
◆問:裏声のとき、なぜ筋肉は振動しないのか? 答:次の①②を無意識または意識的に行っている。なお、③のみ無自覚。①声帯筋肉を硬化させている、②声門下圧が弱い(つまり呼気が少ない)、③喉頭過緊張の存在
◆ミックスボイスは声帯筋と声帯粘膜の積極的な同時振動である。秀逸な歌手は、地声:裏声=8:2や地声:裏声1:9など、その割合を自由にコントロールしながら発声している。
実際は、もっと複雑です。
声帯筋の五層構造の存在、粘膜との境界線の個体差、声帯粘膜による声門閉鎖の割合、声帯靭帯の硬度、披裂軟骨の回旋域とその運動性能、呼吸の癖、Double vibrationの仕方などが関わって、地声と裏声が作られています。
それゆえ、ひとそれぞれの音色であり、基本的な部分以外は誰一人として同じ発声方法でもありません。
つまり、同じように聞こえる音声でも、全員が同じやり方で声を作っているのではありません!
皆、異なるのです。
したがって、それを見極めたうえで歌唱技術を習得することが重要になります。
肉体的構造および機能が、その歌唱練習法に合致すれば、歌唱力は伸びるでしょう。
しかし合わないひとは、絶対に伸びない。
世の中の万人に必ず効果のある歌唱法は存在しないことになります。(ダイエット方法と同じようなものです)
自分の喉(フィジカル部分)に合った歌唱法を見つけてくださいね。
でないと、時間と労力の無駄になりますよ。

下の絵は、優秀なオペラ歌手の裏声発声の状態です。
喉頭ファイバーの映像を絵画にしました。
この歌手は、若干の披裂部緊張が存在していましたが、十分に濡れた声帯粘膜の振動は見事で、検査しながら裏声の質の素晴らしさに鳥肌ものでした。
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さて、普遍的な裏声の方法・・・、と言うより裏声を出しやすくする方法をお伝えします。(出し方は省きます)
美しい裏声は、声帯粘膜の繊細な振動効率に比例します。
粘膜の最大の特徴は、水分を多く含んでいること。
この水分含有量が減少すると、しなやかな振動ができません。
そこで、方法。
①声帯粘膜の保水機能を促進する(ヒアルロン酸のたっぷり入ったボイスケアサロン声専用キャンディの使用など)
②水分補給をこまめに行う(飲むと言うよりは、ほんの少しの水で喉をうるおす)
③喉頭周辺の柔軟性を獲得して血流を増やす(とくに上喉頭動脈)
④肩まわりのストレッチング(僧坊筋などの筋運動を活発にして循環機能を上げる)
ここでは、裏声の出し方でなく、裏声が出やすい環境要因を作り上げることを述べています。
それには①が必須ですね。
カラカラに乾燥しきった粘膜では、振動しないことは容易に想像できるでしょう。
例えるなら、プルプルのこんにゃくの水分が飛んでカチカチになってしまったら、美味しくなくなってしまうようなものでしょうか。。
みずみずしい粘膜が出来上がれば、ほしいままの裏声に近づき、トレーニング次第では、どのような美声もミックスボイスも簡単になります。
ご精進くださいませ。




ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)



追記:『頭声』や『胸声』および『当てる』などの概念は十分に研究しました。しかし、言葉と実際の医学的メカニズムが一致しにくいため、当サロンでは多用していません。やはり、正確な根拠に乏しいイメージの分野となっています。頭骸骨や胸骨が振動して直接音を作り上げることは無いからです。さらに、身体の特定部分のみが共振してスピーカーのような音源となることもありません。もちろん、歌唱上達方法の一環で、感覚として伝えるためのワードツールとしては的確かつ有効だと思います。ご報告まで。




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by aida-voice | 2010-05-24 18:26


前作「この3つで歌はうまく聴こえる!?」の内容が難しすぎる(英語多用を含む)とのご意見をいただきましたので、簡明に解説します。
実際に歌がうまくなるのではなく、「うまい」と思わせる戦略方法なのです。
その重要点は3つ。
①ビブラート
・輪状甲状筋をしっかり使うこと
・呼吸だけに頼らないこと
②ハスキー
・かすれ声を思い通りに使いこなすこと
・甲状軟骨の内側にある後輪状披裂筋と外側輪状披裂筋が重要
③フェードアウト
・胸郭の動きを伴った横隔膜の運動性を高めること
・各共鳴空間を十分活用すること
この3つの方法を織り交ぜながら歌えば、確固たるテクニックが無くても、他のひとに「歌がうまい人物」と思い込ませることができます。
なお、この3つを行うのには、必要条件があります。
それは、喉周辺筋の【柔軟】と【筋力】です。
もう一つ追加して言えば、呼吸に関して、肋椎関節の可動性でしょうか。
「よくわからないけど・・・で、この3つを体得するには、どうすればいいの!?」
ご安心ください。
これらに関しては、当サロンへお越しになっている全員に、もれなくアプローチしております。
つまり、通院中の皆さまは、獲得できる環境を作り上げる施術を含んでおりますので、まったく心配いりませんよ。
お任せください。

多くの方々が当サロンにお越しになりますが、ほとんどのひとは「自分の喉が硬い」(やや硬いを含む)ことに気づいていません。
とくに、古い概念しか持たない歌指導者や、過去の栄光に輝いた経歴を持つ大歌手に多くいます。
あいかわらず間違ったイメージオンリーで突き進み、生徒さんや自分の喉の状態なんかお構いなし・・・
「やればできる!」「根性が足りない!」「君には才能がない!」「こんな簡単ことが、なぜできない?」などなど。
これからの歌は、芸術性と科学性が融合しなければ、極一部の生まれ持った才能のひとだけのもので終わってしまいます。
これでは寂し過ぎます。
だって、誰もが自由にうまく歌えたら、ハッピーじゃないですか!?


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さあ、自由な歌声を




ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)



追記:当サロンの患者さまに「喉ニュースは読んでいただいていますか?」「内容はいかがでしょうか?」と頻繁に聞きます。その結果、「最近の喉ニュースは、濃厚過ぎて読まなくなった」「もっと簡潔に書いて欲しい」「以前より内容が充実して良い」「詳しく教えすぎではないか。お金を出して通っている私たちの優位性が失われている」との意見がありました。皆さまのお声を参考に、可能な限り配慮いたします。ご意見ありがとうございました。




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by aida-voice | 2010-05-17 14:34


これまで、歌がうまいひとの喉をいっぱい調べてきました。
へたなひとと一体どこが違うのか?
かなりわかってきましたよ。
3つの要素がありました。
その3つを駆使すれば、誰でも歌はうまくなります。
いいえ、うまくなると言うより、歌唱力(技術)が無くても、うまく聴かせることができるようになると言ったほうが正確でしょうか。
技術とはテクニックですから、歌うテクニックを完全に習得していなくても、うまく出来てしまうことになります。
ここで、野球の試合に例え、とくに投手の視点から考えてみましょう。
相手は、あなたのはるか上の強豪。
ストレート、カーブ、フォーク、ナックルボールと球種もあり、試合経験も豊富。
それに比べ、あなたは、直球しか投げられません。
しかし、あなたは、ある運動能力を高めることで、その直球のスピードを格段に上げました。
特筆すべきは、初速と終速が違わないこと。
つまり、しなやかな筋肉の腕の振りから投げられたボールは、バッター付近でも球速が落ちず、むしろ手元で伸びてくる感覚さえ与えます。
これでは誰も簡単に打てません。
そして、最終的に投げ勝って、あなたは勝利を手にします。
世間の評価でも、相手チームのほうが戦力は数段上と考えられていたにもかかわらず、あなたは勝ったのです。
見事な投球に、あなたは絶賛を受けます。
例が突飛だったでしょうか。
これと同じように、聴くひとに「素晴らしい!」と言わしめればOKなのです。(歌には勝ち負けはありませんから)
もちろん、あなた自身もストレスなく気持ちよく歌えます。
これも大事ですよね。
その方法は・・・
喉と声の持つポテンシャルをグンとアップさせる。
それに伴い、構えることなく、緊張することなく、自由自在となって勝手かつ自然に歌えてしまう・・・
聴くひとを魅了する、理想的な歌声ですね。
その重要な3つが以下です。

①Vibrato
②Husky
③Fade-out

さて、解説します。
獲得方法や実行は、当サロンで個別にアプローチおよび指導していきます。
①のVibrato。
多くのひとは、Vibratoをテクニックだと知っています。
そう、その通りです。
では、もっと正確に、何をしているのでしょう?
詳しくは過去報告を参照してください。(目次集のビブラート項目をご覧ください)
手法分類として、ボリュームビブラートとピッチビブラートを解説したことがあります。
今回の要素としてキーワードは、ワードビブラートとフレーズビブラートの融合にあります。
簡潔に言えば、歌詞の単語単位Vibratoと句単位Vibratoです。
どの場合も、輪状甲状筋の活発な運動性が必須です。
呼気コンだけでVibratoを行うと、上記の融合がうまくいきません。
輪状甲状筋を十二分に使ってくださいね。
ここでチェックです。
輪状甲状筋を使ったVibratoかどうか調べる方法です。
甲状軟骨正中下端と輪状軟骨正中上端の陥没部位に、人差し指の先端腹をそっと差し入れ、Vibratoを行っているときの感触を察知します。
正しくできていれば、輪状甲状関節の屈曲とスライドが感知できます。
ただし、相当の繊細なタッチを感じ取るアクティブタッチの精度が必要ですよ。
なお、甲状軟骨そのものが上下する方は、上手なVibratoでないことを知ってください。
Vibratoの運動を、科学的に解説しだすと、どれだけ紙面があっても足りません・・・
ここでは、このくらいにしておきましょう。
次は②のHuskyです。
これも、多くのひとは、もともと生まれつきの声質だと思っているはずです。
もちろん、声門閉鎖不完全タイプや披裂軟骨過内転タイプでHuskyな声のひともいるでしょう。
さらに、声帯結節や声帯萎縮などの音声障害を原因とすることもあります。
ところが、ここでの要素としてのHuskyは、自己操作にポイントがあります。
つまり、“かすれ”を自在にコントロールするのです。
この方法は、後輪状披裂筋と外側輪状披裂筋のバランス運動。
そして、このバランス運動を完成させるためには、甲状軟骨周辺筋の柔軟性が絶対に必要なのです。
かすれをうまく使って、やり過ぎず取り込むと、音声に色艶がでてきます。
そうそう、巷で言われるエッジボイスやボーカルコード(声帯)のダブルテンションメソッドも、このあたりの筋肉の運動によってなされます。
方法は、当サロン内でお教えします。
ただし、喉頭周辺筋が十分な柔軟性と運動性を有している方のみ限定です。(喉が硬いひとには無理!)
最後の③Fade-outです。
これは、呼気圧の操作と各共鳴腔を連動させればうまくいきます。
優秀なあなたならすでに気づいていると思いますが、PP(ピアニシモ)もこの範疇に入ると言っても過言ではありません。
消えそうで消えない、しかし、線がはっきりしている音。
音圧0になるまで、キチンと聴こえる。
曲の最後だけでなく、各所で使いこなせば、徹底的に磨き込まれた極上の歌になることでしょう。
そして、これらを余裕綽々で達成させなければなりません。
それには、横隔膜の運動能力アップ。
なお、声帯振動率も重要で、声帯粘膜によるFalsetto techniqueが有効ですね。
日本人の胸郭はFlatness typeが多いため、適切に動かさなければ、呼気を100%使いきった歌唱は難しくなると思ってください。
呼吸に関して、当サロンの来院者には、肺活量アップのアプローチを全員に行っています。
歌手だけでなく、アナウンサー・ナレーター・声優・俳優・一般の方々にも敢行しています。
この理由は、「声にとって、呼吸は重要な能動活動」との認識からです。
そうです、上の3つを自在に駆使すれば、他者に歌をうまく聴かせることができます。
出来上がるまでは大変ですが、体得してしまえば簡単。
そう、鉄棒の逆上がり程度・・・?
お試しください。

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Let's challenge it.





ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




追記:丹念な調査の結果、何もトレーニングをしていないのに、もともと歌がうまいひとは、この3つ(ときに2つ)をうまく使いこなしているケースがほとんどでした。けれども、そのようなひとは、この3つの手法を使っていることを知りません。「えっ、何も練習していないけど、だって出来ちゃうもん!?」
うらやましいかぎりです・・・




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by aida-voice | 2010-05-16 03:39


声帯結節は、声帯の前1/3の部分《好発部位》が、繰り返しぶつかり合って、胼胝(たこ)のように組織が硬くなってしまい、痛みや嗄声(かすれ声)の症状をあらわす疾患です。【下絵の緑丸部分が声帯結節】
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耳鼻咽喉科での処置は、①声を使わない(安静)、②ステロイド処方、③手術、が挙げられます。
このどれかで良くなるでしょう。
しかし、実は、再発しやすいのも大きな特徴です。
当サロンには、8回も再発し、そのうち2回は手術した著名な声優さんが来たこともあります。
何度も何度も発症するため、根本改善を求めての受術でした。
かなり時間がかかりましたが、快癒し、ご本人も大喜びでした。
では、なぜ再発して繰り返すのでしょう?
主となる原因がわかってきました。
まず、同じよな条件で声を使っても、声帯結節になるひとと、ならないひとがいます。
なぜでしょう。
声帯結節、あるいは過去にかかったことのあるひとの喉頭を調べたところ、すべて筋硬度20Tone以上の硬さがありました。(正常喉頭周辺筋との比較によるもの)
そう、声帯結節になるひとのほとんどは喉頭の筋肉が硬いのです。
そして、喉頭の筋肉が柔らかく動きの良いひとは、声帯結節とは無縁のようです。
喉頭周辺が硬くなると、発声するときに力が入りすぎてしまいます。
無意識かもしれませんが、声を出すのに必死なのです。
喉頭が硬くなると、深奥Positionを構成し、クリック音が発生します。
ひどい場合は披裂軟骨の小角軟骨が下咽頭収縮筋に触れて圧がかかり、披裂軟骨を回旋助長によって、声門がほんの少し開く傾向がでてきます。
これによって『かすれ』声が生じます。
『かすれ』を直そうと、さらに力をこめて声帯を閉じます。
まさに悪循環ですね。
したがって、声帯結節を繰り返すひとは、喉頭の柔軟性が欠如していると断言しても過言ではありません。
これは過緊張発声と同義となります。
障害や病気とまではいかなくても、喉の緊張を高めすぎて発声することを示します。

声帯結節を繰り返さないために・・・
①喉頭周辺の筋肉を軟らかく保ちましょう
②上喉頭動脈の血流を増やしましょう
③首や肩の体操などで、肩こりや不良姿勢を治しましょう
④首まわりを冷やさないようにしましょう
⑤声が疲労したら、すばやく回復させましょう

さあ、声帯結節と本気でおさらばしましょう!




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會田茂樹(あいだしげき)




追記:耳鼻咽喉科で診てもらうと、安静(声を使わない)を指示されます。しかし、プロの声遣いでなくとも、しゃべらないで生活を送れるひとなんてそうそういませんよね。だからこそ、体質改善的な根本解決が必要になるのです。声帯結節を繰り返さないよう、罹患してから可能な限り素早い受術をお薦めします。なお、当サロンは医療機関ではないため、声帯結節の診断は行っていません。まずは、優秀な耳鼻咽喉科医に診てもらいましょう。




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by aida-voice | 2010-05-14 01:36


当サロンに通院する歌手ERIKOさん。
彼女の壮絶な生き様と歌手魂を、一人でも多くの皆さんに知っていただくために、この先、複数回の特集を組んでお伝えします。
私が初めてERIKOさんの喉を診たとき、絶句して言葉が出てきませんでした。
甲状腺手術して間もない、痛々しい傷跡。
「こんなに大きく切開したなんて・・・」
胸が詰まりました。
そう、韓国人テノール歌手ベー・チェチョルさんよりひどい状況だったのです。
「これでは、まともな歌声なんて出ない・・・」と心でつぶやきました。
この先、手術創が治ってくるにしたがって、広範囲に瘢痕・癒着が形成され、発声に関係する筋肉の動きのバランスが崩れるため、通常会話はできても、繊細な歌唱のコントロールは、本気で無理だと思いました。
悲しくなりました。
けれども、歌手のERIKOさんに残酷な真実を伝えることはできず、「元の声に戻る可能性はありますよ」と弱気な小声で話したのを鮮明に記憶しています。
しかし、彼女は意に介さず、「な・お・る!」と信じ切っていました。
その思いの強さは、平凡に生きる一般人の境地をはるかに越え、今にも神の領域に届くような気がしました。
弱輩な私は、怖々(こわごわ)アプローチを開始したのでした。
皆さんに全容を知っていただくために、彼女の手術痕と、その喉頭周辺筋予想図(外皮より)を掲示します。
目をそむけず見てください。
ザックリと大きな手術創・・・
発声に関与する筋肉の数々は廓清され(取り除かれ)、発声が困難に・・・
広範囲にわたる組織の瘢痕と癒着で、声に重要な外喉頭筋が動かない・・・
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※注意:右胸鎖乳突筋のHigh Tension、および、その圧による肩甲舌骨筋の可動不全も存在していますが、ここには描いてありません。





以下は、彼女の手記です。
今回は、序章・・・






甲状腺乳頭癌の手術を経て、歌手活動復帰に至るまでの経緯。

2007年6月初旬、顎の下がぷっくりと腫れて微熱があったため、近所にあるクリニックに行った。が、先方の都合で休診日。ふと隣を見たら「甲状腺クリニック」が新しく開設されていた。ここでも風邪薬なら処方してもらえるかな、と思い診察を受けることに。
初診時の見解は「おそらく炎症でしょう。抗生物質を3日分処方しておきます。それでも治らないようでしたらまたいらして下さい。」と先生から言われた。
3日後、熱はおさまったものの顎の下の腫れはあまり変わらない状態だったので再び診察に行き、エコー検査をすることに。
「リンパ節がここにあります、血流が確認できるので悪いモノではないです。炎症ですね。
あ、ついでに私の専門の甲状腺もこの機会に見てみましょうか?」と。
「甲状腺ってどこにあるんですか?」と私が聞くと「喉仏の上に蝶ネクタイみたいに乗っかっているモノですよ。これです。」と先生はしばらく私の喉と首周辺をエコーにかけた。
しばらく先生は黙々とエコーとにらめっこをしていた。「うーーん。」と言いながら。
そして「林さん、・・・驚かないでくださいね、というか私自身が一番驚いているのですが、いきなりと思われるでしょうが、林さんの甲状腺の中にあるこの部分、これ、甲状腺乳頭癌という種類の癌なんです。」
私は「え?何ですか?癌??甲状腺??私が??」と思わず笑ってしまった。
全く実感がないというか、訳が分からないというか。甲状腺がどこにあるのかも分かっていなかった私が甲状腺の癌だなんて、到底信じられなかった。
「とりあえず命に別状のある癌ではないので心配は要りません。甲状腺の場合エコー検査が一番信頼度が高いので、ほぼ間違いなく乳頭癌であると言い切ってよいでしょう。年齢が若いため早期に摘出手術を行うことを勧めますが、焦ることもありませんよ。」と、先生は千葉大学医学部付属病院への紹介状を渡してくれた。
私がまっさきに懸念したのは命ではなく「声」だった。
「先生、私は歌を歌っているのですが、術後すぐに声は出せるようになるんですか?」
「ええ、大丈夫です。声も出ますし、その他の生活制限も一切ありません。ある意味、現時点で発見出来てラッキーですよ。」と先生は笑顔だった。少し安堵感を覚えた瞬間だった。

そして翌7月上旬に千葉大学医学部付属病院甲状腺科へ入院。まだ夢見心地(悪夢)のまま、めまぐるしく時間だけが過ぎていた。手術予定日1週間前にライブが入っていた。
担当医の先生にお願いして外出許可をもらいライブへ出向いた。
「これが最後になるかもしれない」そんな思いを抱きつつ、歌いながら涙がこぼれた。

無事に歌いきった。バンドメンバーや友人たちに励まされ見守られながら、私は病院へと戻った。周りの人々への感謝をあんなに強く感じた時はなかった。
その感謝を勇気にして、私は手術に臨んだ。
手術前夜、担当医から私本人と家族に病状の詳細・手術方法と後遺症の説明が行われた。
その内容は想像をはるかに超える厳しいものだった。
まず甲状腺右葉にある癌は2cm弱、気管にまで達している可能性が非常に高い。
その場合、気管切開となり、しばらくは喉に穴が開いた状態での生活を強いられる。
しばらく経過を見て、肩の肉などを移植して喉の穴をふさぐ手術をすることになるでしょう、と。そうなると歌は勿論、通常の会話の声さえも困難になるため、歌手活動は諦めてください、とハッキリと言われた。「命と声、どちらを選びますか?」という先生からの質問に、家族は「もちろん命です!」と即答していたが、私は「声のない人生なら命さえ要らない」と心の中で思っていた。
そして、右頸動脈の上にも同じく2cm弱の癌があり、それを剥がすときにも大きなリスクが伴う事を説明された。そして右肩にも同じ大きさの癌があるため、首の皮膚の切開部分が通常の人よりも広域になると言われた。右首にあるリンパ節もあやしい箇所は切除するので、術後の免疫力の低下は避けられない、患部の痛み・痺れ・違和感は一生続く、そして、反回神経への接触による発声障害の可能性、など様々な事を宣告された。
誰がどこの手術をするにあたってもこの手の説明は義務であり、決して自分だけが特別ではない事は分かっていた。しかし、いざ当事者の立場になるといささか気持ちが萎える。もうダメかも知れないと絶望的になる。怖い、不安だ、逃げ出したい、という気持ちだけが頭の中を駆けめぐり、あまりのショックに涙も出なかった。

家族におやすみの挨拶をし、病室のベッドでひとりになったら、途端に涙が溢れてきた。
友人達から送られてくる激励のメールを読みながら、当日の朝を迎えた。

全ての仕度が整い、いざ出陣!
家族に見送られながら笑顔で「頑張ってくるね!」と手を振った。
手術台のベッドは冷たかった。でも看護婦さんや麻酔科の先生達がとても優しくて、手を握ってくれて、心強かった。果たしてちゃんと麻酔が効くのか心配になっていた。私お酒強いし・・・って関係ないかもしれないけど。「大丈夫ですよ、リラックスしてください。」
という看護婦さんの声。  そこから先の記憶はない。


何となく目を開けたら、担当の先生がそこにいた。意識は朦朧でありながら、
声にならない声で「先生、ありがとうございました。」と言った。
ん??声にならないような声でも声が出ていた!ということは、気管切開は免れた!?
と、冷静な判断が出来るようになったのは翌日の話。
当日の夜の思考回路はショート。とにかく高熱にうなされ、痛みで辛かった。
術後はつばを飲み込むことも至難の業だった。顔も首も腫れ上がっていた。
気管に達していた癌は、気管軟骨を削った段階でそれ以上深く入り込んでいないと確認しため切開は回避できた。ギリギリセーフ!という状態だったらしい。先生が私の歌手生命を救ってくれたのだ。この判断には深く深く感謝している。
この悪運の強さが私の歌手としての使命感・原動力となっている。

退院したのは8月頭の事だった。暑い夏のまっただ中。首の傷が膿む心配はあったが、そのほかは順調だった。ケロイドになりやすい体質だったため、傷跡のケアには気をつけた。
声の状態は術後からあまり変わらず、力のないかすれた声。首を絞められているような息苦しさと圧迫感から四六時中逃れられず苦しんでいた。

會田ボイスケアサロンのことを知ったのは、入院前。
甲状腺にまつわる事はネットでくまなく調べていた。そんな時、検索でヒットした中に
會田先生の画期的かつ特化した治療方法があった。とても興味をひかれた。そして一筋の希望の光を見つけた。もしかしたら、ここで私の術後の声の悩みは解決できるのではないかと。
そして、まだとても自分から歌の活動を再開出来るような段階ではなく、自宅療養を続行していた10月、知り合いのミュージシャンから歌録音のオファーをいただいた。
私の病気も手術も、その時の声の状態も知っている人だった。でも、どうしても私に歌って欲しいというお願いであった。とても嬉しかった。こんな状態にもかかわらず、私を選んでくれる。何としても応えたい!!このとき、ずっと気になっていた會田ボイスケアサロンに電話をするチャンスが訪れた。
先生は多忙なスケジュールの中、時間を作ってくださり、私の初診を行ってくれた。
まだサージカルテープを傷跡に貼っているような状態だったので、牽引は無理、咽頭上部を軽くマッサージしてくださった。が、たったそれだけでも、私の声は劇的に変化した。
首を絞められたような圧迫感からの解放。それは喉だけでなく、精神的にも自由を与えてくれた。早速、仕事をオファーしてくれた友人に電話をした。「すごい!前のERIKOさんに戻ってますよ!」とすぐさま反応してくれた。よかった!涙がこぼれた。
自宅に戻り、録音を開始。もちろん術前のようにはいかないが、右首半分をざっくりと切開した人が今こうして音程をコントロールして歌を歌っているという事はすごいこと!
この感動を多くの人に知ってもらいたいと思った。
おかげさまで無事に仕事も全う出来、この事がきっかけで、また歌の活動に復帰するぞと決心した。必ずシンガーとして復活する!今まで以上に良い歌を歌えるようになる!という根拠のない自信が私を支配し始めた。その直感を信じてこられたのも、全て會田先生との出会いから始まっている。それくらい、會田先生の施術力、人間としての器、声や歌に対する情熱は、私を突き動かす凄まじいパワーを持っていらっしゃった。

To be continued・・・






ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




追記1:ERIKOさんのCD情報はこちら ⇒ Rolling Globe Records
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追記2:御礼
「ERIKOさん、がんばって、応援しています!」「食い入るように読みました。ご回復を祈っています」「わたしはERIKOに勇気をもらいました。ありがとう・・・」「早く続きを読みたい」との、多くのお言葉を頂戴しました。ありがとうございました。反響の大きさに驚き、この旨をERIKOさんにも伝えました。心より感謝申し上げます。
そう、ふつうに声が出るって、どんなにありがたいことか・・・





~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2010-05-12 11:36