頭板状筋を調整しよう!


発声に関与しないと考えられる頭板状筋。
しかし、繰り返しの実験の結果、この筋の緊張度と声に大きな関係があったのです。
頭板状筋は、主にC7~T3の棘突起および項靱帯の下半分から起こり、乳様突起と上項線の外側部(喉頭骨の一部)に付きます。
神経支配はC3・4・5の後枝です。
機能として、両側がはたらくと頭部と頚部の伸展、片側がはたらくと頭部と頚部の側屈と回旋が挙げられます。
ここで重要なのは、喉頭に関与する筋の付着部で頻繁に名前がでてくる乳様突起の存在です。
つまり前面部から後面部への力学的な橋渡しをしている可能性があります。
この頭板状筋をうまくゆるめて動きを出し、調整していくと、乳様突起付着筋の動きも活性化され、発声が非常にしやすくなります。
また筋下部の弛緩によって頚椎椎間関節の可動範囲が増し、甲状軟骨と頚椎前面部の空間率がアップします。
そう・・・、自由自在の声作りに効果的です。
当サロンに定期的に通院する高名なテノール歌手は、この頭板状筋の調整(施術)を受けた後は「ハイCが常にスルッと楽に出るよ!」と大喜びいただいております。≪効果には個人差があります≫
正しい施術はボイスケアサロンでお受けください。(乳様突起と隣接して茎状突起があります。茎状突起を損傷しないよう必ず位置を考慮してください。また顎二腹筋後腹の筋腱移行部を傷つけないことも大切です。どれも繊細な筋肉です。十分ご注意くださいね!)

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ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)





~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2009-05-30 14:11


多くの痙攣性発声障害(SD)の患者様の喉頭の動きを撮影し声を録音したものを、何度も何度も見返し聞き返しています。
すると・・・、喉頭の筋肉や声に関して共通の事項に気付きます。
その中で今回は声の感覚についてお伝えします。
大多数は、初音が言い難いため、舌骨上筋群Tightによる舌骨の深奥Positionを形成してしまいます。
そのため、喉頭蓋が押し込まれぎみになり咽頭共鳴空間が小さいような気がします。(SD患者様の喉頭ファイバーでも検証済み)
そこで聞こえをチェックしました。
耳に自信のある歌手やボイストレーナーの協力を得て、それらの音声を評価したところ、最も多い意見が「平坦な音」「二次元的な声」でした。
つまり立体感がない閉塞的な声になっているようです。
SD患者様にその旨を伝え、舌骨上筋群を当サロンで集中的に施術し、自宅でも特別な方法で体操していただき、柔軟性を獲得してもらいました。
さらに、意識的に声を立体的あるいは三次元的にするよう努力してもらったところ、SD疾患が治るものではありませんが、初音が非常に言い易くなり詰まり感が減った様子を確認しました。
SDには内転型と外転型、それらの混合、そして軽症から重症まで様々なので、一概に効果があるものではありませんが、声の感覚を養って改善の道筋をつけるには良い方法かもしれません。
今回は『○○的』の文字が多く踊る“感覚”中心の記事でした。
SD改善にはいろいろな方法があると考えます。
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SDをお持ちの患者様の何らかのお役に立てればと願って日々研究に勤しんでおります。
お大事になさってください。




ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)





追記:立体的あるいは三次元的な声を出すには、喉頭だけでなく胸郭による呼吸法も大切です。ポイントは、①胸鎖関節の可動性、②鎖骨下筋の運動性、③肋椎関節の可動性、④内外肋間筋の柔軟性、⑤姿勢、⑥肩こりや腰痛が少ないことなどでしょうか。胸郭体積を増やせば横隔膜の上下運動が活発になります。そう、横隔膜の支えが可能になってきます。その結果、呼気量が増えます。會田茂樹の胸郭施術によって肺活量が3~10%増えるデータもあります。皆さんも呼吸を大切にしましょう!



~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。
by aida-voice | 2009-05-20 13:55

かすれ


声がかすれることを「嗄声(させい)」といいます。
かすれがあるときは、まず優秀な耳鼻咽喉科で診てもらいましょう。
声帯浮腫、声帯結節、急性喉頭炎、声帯萎縮、ポリープ様声帯、喉頭癌、反回神経麻痺、器質的声門閉鎖不全、種々機能的疾患、その他過使用や喉頭疲労などが挙げられます。
基本的に、声帯を通過する際に呼気の流量が多くなりすぎる「息漏れ」が現象の主です。
疾患がある場合は耳鼻咽喉科でしっかり治しましょう。
それでも改善しない場合があります。
①慢性的な声帯浮腫
②ステロイドや手術で治療しても繰り返し罹患する結節やポリープ
③治す方法がないとされている声帯萎縮や声帯溝症
④投薬や発声法ではなかなか改善しない機能不全
⑤長期にわたる声の乱用などでしょうか。
その場合は当サロンの施術が有効なことがあります。
声帯に血液を送り込む上喉頭動脈の流量を増やして声帯可動を活発にする
⇒ 主に①②③④に有効
喉頭周辺筋の柔軟性獲得および筋能力をアップさせる
⇒ 主に③④⑤に有効
実際には、症状や状態が一人ひとり異なるため、その患者様に見合った施術が必須です。
これらによって長年苦しんできた嗄声を治せる可能性がでてきます。
あなたも“かすれ”を改善しませんか?
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声帯萎縮のある摘出喉頭(米国メイヨークリニックで撮った写真を加工)





ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)






追記1:当サロンの施術は、かすれ症状を治すのが直接の目的ではなく、喉頭環境を整え、軟部組織に着眼した発声能力向上によって改善を促すものとなります。最初に優秀な耳鼻咽喉科の医師に診てもらいましょう。



追記2:甲状軟骨ポジションが深奥タイプの人も“かすれ”やすいことが分かってきました!




~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2009-05-19 12:48

喉の詰まりやすい人


耳鼻咽喉科や呼吸器科などで診てもらい、喉に異常がない(痙攣性発声障害も否定)と言われたものの、時折、喉が詰まった感覚に陥ってしゃべりにくい状態になる人が少なからずいます。
息が出来なくなって窒息するのではありません。
声を出すときに喉がギュッと締まってしまい、出難く感じます。
他の人からは「声は普通に出ているよ・・・」「会話はできているし何も問題ないじゃないか・・・」と判断され、その人の苦しさが分かりません。
一般の人にとっての“声を出す”とは、通常の歩行の際に何も考えることなく右足左足が前に出て歩いているのと同じようなものですから、ほとんどの方が分からないのは当然かもしれません。
しかし、詰まって声が出辛いのは本当なのです。
フィジカルだけでなくメンタルな部分も大きく関与しますが、おおむね喉頭周辺筋を固めて発声しようとします。
それも無意識に
特に甲状軟骨の大きな人や舌骨がV字型の人、つまり楽器としての喉頭が優秀な形の方に多いのではと感じています。
甲状軟骨が大きいと周りの筋肉も活動的でなければなりません。
大きな喉頭を持て余すのでしょうか、思い通りにならないのです。

このような患者様が全国から来院してきます。
当サロンの的確な施術によって、即時快癒する人もいれば、残念ながら治らない人もいます。
日夜、さらなる効果的な治療法を研究しています。(現在、舌骨後端の中咽頭収縮筋に焦点を当てています)
声で苦しむ皆さまのご快癒を心よりお祈り申し上げます。

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ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




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by aida-voice | 2009-05-17 14:13


4月21日に甲状腺専門疾患の伊藤病院で行った講演の原稿の一部を発表します。
甲状腺手術後に声で悩む皆さまのお役に立てればと願っての公開です。



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【甲状腺手術後、反回神経麻痺を伴わないが、何となく声が出し辛い症例へのアプローチ】

本日は、お招きいただきありがとうございます。これからお話しすることは、医学的に立証された治療ではなく「施術」のため、どうか、お気軽にお聞き流しくだされば幸いでございます。
現在、港区白金台で會田整骨院付属ボイスケアサロンを開業しており、また、甲状軟骨形成術で有名な一色信彦京都大学名誉教授の一色クリニックでも月2回の外来を持っています。今日は、私が行っている施術内容をごく簡単にご紹介したいと思います。
まず、どのようなものなのかを知っていただくために、最初に、ここまでの経緯をお伝えします。私は、骨・筋・腱等軟部組織の治療を行う国家資格:柔道整復師です。平成2年に小さな接骨院を開院しました。立地条件が良かったのか、毎日200人以上の患者さんが来る院となり、これまで、実に多くの軟部組織にタッチしてきました。その後、いくつもの分院を開院し、さらに飲食店・物販店・学習塾・コンサルタント会社など小規模コングロマリット企業を興し、最終的に、私の仕事は週に一日の決済業務だけとなりました。時間に余裕ができたため、その頃から、最も好きであったオペラを本格的に習い始めました。凝り性ゆえ、複数の音楽教師からの指導を受け、日々、歌唱に精進しました。誰よりも上手くなりたい欲求が強く、そこで、友人の耳鼻科医に「どうしたら、もっと声が良くなるのか?」など問い詰めたりもしました。彼曰く「喉の病気や障害に対しての治療は確立しているが、どこも悪くない喉を良くする方法は分からない」と言われ、「ならば・・」と、いろいろ研究を始めてみました。そこで、「声は、声帯も含め、すべて軟部組織が担っている」ことを再認識し、喉頭周辺の軟部組織、特に筋肉を探求しました。私は、過去に、何万もの四肢躯体の軟部組織を触り、触診には長けていると思っていましたが、思いのほか喉頭の筋肉は小さく繊細で、簡単にはアクセスできませんでした。そこで、触覚を重点的に研究している聖徳大学の山口創先生にアドバイスをいただいたり、砂粒を指先の触覚だけで大きい順に並び変えたりするトレーニングなど、徐々にアクティブ・タッチの精度を練磨していきました。また、アメリカのメイヨークリニックの喉頭機能外科教室で、数多くのレアな摘出喉頭の触診を繰り返し、筋肉はもちろん甲状腺から甲状軟骨周囲の神経や血管まで触り慣れることができました。その結果、外皮から軟部組織の状態を判別できるようになり、どの筋肉がどのように発声に関与しているかが、分かるようになりました。外喉頭筋や前筋・内筋のバランスを調整したり、ピンポイントで筋活動能力をアップさせたりすることで、声を変化させることができるようになったのです。もちろん、喉頭機能に関与する発声能力のポテンシャルを高めることしかできませんので、歌唱のテクニックや歌心を養うことはできません。最初は、完全な趣味で、私の歌手仲間だけに施術を行っていましたが、診て欲しい人が激増したため、3年前に声の専門院として始めました。その後、一色先生から特別外来を要請され、一色クリニックで研究および研鑽させていただき、音声障害にも有効であることが分かりました。
現在、院には、二つのカテゴリーの患者さんが、全国また海外からも通院してきます。
1:TVや舞台で活躍する歌手や俳優、TV局アナウンサー、声優、オペラ歌手、歌舞伎や能、劇団四季、宝塚歌劇団など声を良くしたい人
2:痙攣性発声障害、音声振戦症、過緊張性発声障害などの機能性発声障害、および、喉頭・甲状腺・頚部の、手術後の声の改善目的の人 (ただし当院は病院ではないため病気治療ではなく発声能力向上の施術を行っています)

今回は、伊藤病院院長:伊藤公一先生よりお招きをいただきましたので、当院で頻繁に行っている甲状腺疾患にまつわる声の施術についてお話します。それは、甲状腺の手術後、反回神経麻痺は伴わないが、何となく声が出し辛い、あるいは、高音が出なくなったなどの症状に対する独自のアプローチです。もちろん、反回神経麻痺による甲状軟骨形成術Ⅰ型後の各種リハビリも頻繁に行っております。著名な例では、ドイツ・ザールランド歌劇場・元専属テノール歌手:ベー・チェチョル氏の喉頭周辺筋可動改善の施術を行い、この様子は、一昨年と昨年、NHKのTV番組で特集として放送されました。
さて、専門の先生の前では釈迦に説法となりますので、原因や論理などは割愛し、施術の様子をごく簡単にお伝えさせていただきます。これまで時間やコストなどの労力を惜しまず、徹底的に調べ、関与する筋肉や特異な状態など、かなり詳しく分かってきていますが、医療と言うより「声のエステ」に近いため、概要のみお伝させていただきますことをご了承ください。第52回、日本音声言語医学会でも、おおざっぱな「取り組み」報告のみ口演いたしました。また、最近は医師から紹介されて来院する患者さんも増えていますが、3カ月先までギッシリ予約が埋まり、新患予約を受け付けない期間もあるほどです。予約が取れないと、お叱りを受けますが、施術の効果を最大限に希求するため、一人に2時間ほど時間をかけて診ています。受診希望の声でお困りの皆さまには、大変ご迷惑をおかけしております。

甲状腺疾患専門医である皆さんにも経験があると思います…。手術後の患者さんから「何となく声が出難い」「しゃべり辛い」「話しているとすぐに疲れる」「詰まる感覚がある」「手術した部位が突っ張る」「大きな声が出ない」「かすれる」「声が割れる」「高音が出ない」「音程が取れなくなった」「すぐ咽る」などです。丁寧な手術を行い、反回神経は正常で、実際、声は確実に出ており、聴き取りも悪くなく、喉頭ファイバーなどの各種検査でも声帯に全く異常がないものばかりです。でも、患者さんは気になっているのです。特に、歌手や多少神経質な人に多く見受けられます。これらは感覚レベルの問題であり、的を射た処方も見当たらないため多くは「気のせいですよ」となってしまいます。

それでは、実際の施術の様子です。まず、緻密な触診を行います。手術創周辺をフェザータッチで探ると、大きいものではゴマ粒ほど、小さなものでは細い髪の毛の断片ほどの、しこり状の瘢痕や、筋肉と筋肉がほんの少し癒着して、動きが悪い部分を見つけることができます。さらに発声時の喉頭をビデオ撮影して、外皮からの筋肉の動きも調べます。また、必要に応じて、各筋の硬さを筋硬度計で測定したり、上喉頭動脈や上下甲状腺動脈の血流量を測ったりもします。
そして、症状の状況を2つのステージに分けます。
1:術後の軟部組織の瘢痕・癒着が直接原因のもの
2:それらが元で筋バランス異常を呈しているもの

1の、瘢痕・癒着が原因の場合は、その部位を特定します。特に多いのが胸骨舌骨筋、胸骨甲状筋、肩甲舌骨筋です。また、それらの複合的な癒着によって輪状甲状関節の可動域が消失していることもあります。この場合は高音が出難くなります。
治療として、最初に物療を行います。まずは、超音波治療器を用います。当該患部にピンポイントで3MHz1.5Wを5分前後照射します。なお、振動数を減らして1MHzで行うと咽てしまいます。特に、外喉頭筋硬化傾向の人や神経過敏の人、そして、高齢者に多く見受けられます。1秒間に300万回の微振動を皮下浅部に送りこみ、軟部組織の柔軟化と、ジュール熱による血流促進を狙います。その後、瘢痕・癒着部位を探し出して、繊細な喉頭クリニカルマッサージを行います。
次に、2の、瘢痕・癒着によって、喉頭周辺の各筋のパワーバランスが、ほんの少し狂い、発声し辛くなるケースも多々あります。触診で、左右の筋バランスや筋腹の厚みを探って判別します。また、輪状咽頭筋の硬縮を発症するケースもあり、この場合は「詰まる感じ」を訴えます。主に、手術創周辺筋がコントロール不全に陥りますが、最近の調査では、反対側の茎突咽頭筋もテンションを増し、大きく関与していることが判明しました。さらには、喉頭が捻転するケースもあります。バランス異常で、さまざまな喉頭環境になります。ここで簡単に図解してみましょう。【図解】
この症例の物療は、微弱電流を用います。低周波のような強刺激でなく、300μAレベルの低刺激の可変パルスで、細胞を活性化させ、筋肉の可動性を高めます。そして、20分の通電後、喉頭筋の力学的均衡をデザインし、該当筋にピンポイント・ストレッチや喉頭クリニカルマッサージを敢行して、各種改善をしていきます。また、筋バランスを是正するために、弾性テーピングを筋幅に合わせて細く裁断し、起始停止を十分に考慮しながら貼付して、動きを補助したり、逆に保護の目的で動きを阻止したりする療法も時に施します。
その他の物療として、喉頭牽引器:これは整形外科で用いる頚椎牽引器を改造したものです。頚椎の牽引は通常10~15度の角度ならびに体重の7分の1程度の強さで引っ張りますが、喉頭専用では約7度の角度ならびに3~6キログラムと弱い力の間欠牽引を行っています。光線照射治療器:直線偏光近赤外線を患部および反回神経の走路にダブル照射します。これによって直接的ならびに間接的な血流増大効果と、細胞機能正常化作用によると思われる効能があります。また、星状神経節への照射も喉頭のリラックス効果を導き出します。低周波治療器:家庭用の電圧の低い低周波治療器をさらに改造して、個別にターゲットを絞って通電します。徐痛が目的ではなく、どちらかと言うと、筋力アップと筋可動性向上を目指しています。また、過緊張性発声傾向がある人に、いきなり低周波を用いると、さらに筋硬度を増すことが分かってきました。この観点から低周波パルスは注意が必要です。その他にも、ホットパックやアイスクリッカーなどの温熱および寒冷療法、磁気器具療法などがあります。これらの物療を、症状や必要に応じて行います。

喉頭クリニカルマッサージなどの手技の時間は5分ほどです。アロンソンは、母指と中指で行うよう言っておりますが、当該施術はミリ単位で行うために、私は示指先端部と母指先端やや尺側部で行います。求める筋肉を探し出し、的確かつ繊細に軽擦法と揉捏法を行っていきます。指先の訓練によって、相応の筋肉や組織が判断できます。現在、発声に関与すると思われる私が判別できる筋組織は、顎二腹筋の後腹(前腹は顎舌骨筋と同化しいるために困難)、茎突舌骨筋、舌骨舌筋、オトガイ舌骨筋、顎舌骨筋、茎突咽頭筋、胸鎖乳突筋、肩甲舌骨筋、胸骨舌骨筋、甲状舌骨筋、輪状甲状筋、甲状軟骨をやや反転させ後輪状披裂筋の一部、斜披裂筋の一部、横披裂筋の一部、外側輪状披裂筋の一部、上中下咽頭収縮筋の一部、輪状咽頭筋の一部、前中後斜角筋、広背筋、僧帽筋、肩甲挙筋、頭板状筋、大小喉頭直筋、上下頭斜筋、大小菱形筋、大小胸筋、鎖骨下筋、前鋸筋の一部、肋間筋、肋骨から指先をカールさせ横隔膜の一部、咬筋、側頭筋、外側翼突筋の一部です。やはり浅在性の筋がメインで、深在性の組織は困難です。また、皮膚や脂肪の厚み、あるべき軟部組織が無かったり、癒合して一つになっていたりと、個体差も非常に激しく、通常は判別可能であると考えられる筋でも、触れられないことも多々あります。また、ピンポイント・ストレッチでは、ときに両手指を用いたり、甲状軟骨の反転移動や輪状甲状関節の最大可動を利用したりして、各筋に対し正確にアプローチしていきます。脆弱な筋肉ゆえ、強く長時間のマッサージやストレッチングは必要ありません。もし、強く、また、不正確に行ってしまうと、次のようなケースが起こることがあります。①軟部組織の損傷:喉頭内外の筋膜や筋線維を傷付け、肉離れ的な痛みを伴い、声が一層出し辛くなります。特に、声に敏感な声楽家やオペラ歌手には要注意です。②頚動脈洞の血管神経性反射の誘発:マッサージの途中で失神します。触り慣れない人が行うと、ずいぶん遭遇します。③反回神経の損傷:実際、自分自身で喉頭を強く揉んでいて、反回神経麻痺の診断を受けた患者さんを数名診てきました。④最後に関連性は定かではありませんが、慢性甲状腺炎の急峻症状露呈です。ご自身が甲状腺疾患に気付かない状態で起こりました。これまで数千の喉頭を触ってきましたが、この1例のみです。以上のような禁忌および副作用があります。

現在、このような特殊な治療を行っております。当院治療後の即時効果は大きく「あぁ、声が出しやすい…」と、ほぼ100%の方々から高評価をいただいております。ただし、その効果は数時間~10日ほどで、残念ながら元の「声の出し辛い」症状に戻ってしまいます。それでも複数回の治療で、瘢痕部が徐々に消失し、癒着部分が剥がれて各筋が正常に動き出し、声の症状が改善、もしくは、寛解していきます。手術後、数年経過して固着してしまったものは改善が難しいのですが、1年以内なら、かなりの確率で快癒に向かいます。ここでの快癒の定義は、手術後の瘢痕・癒着が完全に無くなるのではなく、発声が苦にならないということです。私が一色クリニックで外来を開設したころは、一色先生の手術でも、フラップマッスルとしての胸骨舌骨筋、肩甲舌骨筋、甲状舌骨筋などはクロージングの際に筋肉の断片を適当に集めているだけでした。その後、「會田先生に会ってから瘢痕や癒着の重要性を再認識した。できるだけ筋組織を傷つけないよう心掛けなければ。」とおっしゃっていただきました。誠に光栄だと感じております。

最後に・・・、甲状腺の病気、特に腫瘍や癌は命にかかわるため、声より優先されるべきものですが、手術の際に、反回神経の損傷だけでなく、周辺の筋肉にも、ほんの少しご配慮をいただくと、患者さんの幸せが増えるのではと思います。
稚拙な講話となりましたが、本日はお招きいただき、伊藤公一先生には心より感謝申し上げます。これまで、多くの患者さんの手術創を触診してきましたが、伊藤病院で手術された患者さんの瘢痕や癒着はごく小さく、丁寧かつ正確な手術がなされたことが伺え、当院に来られたほとんどの方の声が改善されていることをご報告申し上げます。

もう一つ。当院ではエリート・ボイス・ユーザーの方々に「声が良くなる」オリジナルのキャンディを販売・提供しています。消炎や除痰のための薬ではありません。「喉」を良くするのではなく、「声」を良くします。それが、このボイスケアサロン声専用キャンディです。優秀な歌手ならびに薬品会社と飴屋と共に、試行錯誤を繰り返し、食品ヒアルロン酸を用いて最適なバランス配分を割り出しました。食品ヒアルロン酸の中でも極上の品を選んだため、販売価格が1個420円となっております。今年から売り出しましたが、飛ぶように売れ、ときに販売制限や受注生産になります。今から皆さまにお配りしますので、よろしければお召し上がりください。




ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。
by aida-voice | 2009-05-16 14:28


これまで多くのソプラノ歌手に会ってきました。
合唱程度のアマチュアから国際的に活躍している有名大歌手まで。
年齢も様々です。
下は14歳から上は92歳まで。
気付いたことがあり、検証してみました。
それは加齢に伴う声の変化があることです。
そして大きく二つの時期があります。




第一期です。
10代は何も考えず自然にできていたコロラトゥーラが、20代後半になって突然できなくなってしまいます。
急変過ぎて何が起こったのか分からず悩みます。
どんなに練習しても、指導者を変えても良くならず、声楽をあきらめてしまう人もいます。
どうしてこうなったのか?
解明しています。
また、治す方法も分かっています。
答えは・・・、10代および20代前半のしなやかな喉頭の筋肉が、加齢によってバランスを崩してしまうのです。
特に甲状軟骨が良型の人に見受けられます。
繊細な高音のコントロールが不能になります。
皆さんは発声法を変えれば良くなると考えていますが・・・、それは違います!
筋バランスが狂っているのです。
音程の狂ったピアノやバイオリンを、どんなに弾きこんでも決して上手くなりませんよね。
これと同じです。
主に、輪状甲状筋、肩甲舌骨筋、胸骨舌骨筋、胸骨甲状筋、甲状舌骨筋などです。
左右差も含め、微細なバランス異常を探し出して補正しましょう。
また、最新の研究では、上喉頭神経外喉頭枝の鈍麻によって輪状甲状筋の動きが悪くなる症例も多いことがわかってきましたよ!(この原因も解明しつつありますが根治は難しいと考えています・・・)
そうすれば、元のように自由自在に歌えるはずです。




第二期として、40代後半から50代に起こる変化があります。
これこそ本当の加齢現象ですが、甲状軟骨をぶら下げている筋肉(主に茎突咽頭筋、顎二腹筋、胸骨舌骨筋、舌骨上筋群など)が弱くなって音程の可動能力を低下させます。
高音よりも低音で顕著です。
低音は、筋肉を弛緩させながら同時にパワーを入れて支えなければなりません。
支えきれなくて声になりません。
また、ときに高音発声時も我慢できず、硬化高音になったり音が引っくり返ったりします。
さらに閉経によって女性ホルモンが減少すると、声帯が萎縮傾向になりながら浮腫を併発するケースも多々あります。
これによって声のバタつきと嗄声(かすれ)が生じます。
この段階では、ソプラノらしい声楽発声は不可能になります。
おじょうずな方はテクニックでごまかせますが、かなり喉頭に力がかかりますので、過緊張性発声や喉詰め発声になり、長く歌っていると声帯結節が生じます。
喉頭周辺(上喉頭動脈と上甲状腺動脈)の血流も減少し、徐々にスタミナがなくなっていきます。
このとき、実際、納得のいく声ではなく、昔の良かった声を知っている聴衆からは落胆されてしまいます。
寂しいかぎりです。
しかし、これも改善可能です。
多くの症状を治してきました。
それぞれのステージを正しく判別し、声帯粘膜可動性UPのためのヒアルロン酸補強を含め、適切な施術を行います。(詳しくは当院でお尋ねください)
筋力低下を起こしてから半年以内なら即時快癒しますが、5年10年と苦しんでこられた方は、残念ながら治るまでに相応の時間がかかります。


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ソプラノ声域は、声質に繊細さと力強さが同居しなければ、聴く人の心を感動させることはできません。
変化が起こり始めたらお早めにご相談ください。
あなたの歌声はあなたのものですが、聴く人のものでもあります。
最高の状態の喉で臨まなければ、聴衆を裏切ることにほかなりません。
厳しい言葉ですが、これがプロなのです!




ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




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by aida-voice | 2009-05-15 01:04


「喉の病気を治してください」「痙攣性発声障害や過緊張性発声を完治させたい」「切らずに声帯結節を良くしたい」などを主訴として来院される方がいます。
近隣はもちろん日本全国から難治の症状の方が多くなってきました。
確かに外喉頭筋からアプローチする施術で、耳鼻咽喉科で治らなかった病気やこれまでの悩みが改善あるいは快癒するケースが多々あります。
その効果は人によって異なり、即時に快復する人もいれば何年かかっても改善しない人もいます。
けれども当サロンの目的は、発声に関する喉頭機能アップや喉のエステのような存在で、病気に対する直接的な治療ではありません。

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希望の声が獲得できるよう最善を尽くしていますが、過大な期待をされても治る保証はしておりませんのでご了承のほどお願いします。
そして、會田茂樹の施術によって発声能力を高める効果も明らかになっていますが、エリートボイスユーザー(メジャー歌手やTVで活躍する俳優など)に必ずなれる保証もできません。
残念ながら、当サロンは病院ではありません・・・




ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)





追記:會田整骨院では、骨筋腱等軟部組織の外傷(健康保険適応)を施術しておりましたが、現在は取り扱っておりません。ボイスケアサロンは會田整骨院内にあるまったく別機関になります。






~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。
by aida-voice | 2009-05-14 14:18

和唄


歌舞伎や能の役者を大勢診ています。
最近、とくに増えてきました。
メディアでよく名前を聞く Big name の人物達も多数いますね。
さて、演目の難しさと特殊性、さらには世襲制度などによって、声を乱用している人がほとんどです。
歌舞伎は三歳くらいで襲名披露します。
また、連日の公演と弛まぬ練習・・・・
本当に頭が下がる思いです。
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発声医学的見地から、洋楽の歌と異なり伝統的な和楽の唄には特徴が数々あります。
その一つが軟口蓋でしょう。
骨口蓋(硬口蓋を含む)との兼ね合いが非常に重要であることがわかってきました。
そうです、骨口蓋振動と軟口蓋の動き方にポイントがあります。
軟口蓋を最適ポジションに移動させることによる骨口蓋の振動共鳴 こそが邦楽唄の真骨頂です。


もちろん洋楽や声楽にとっても軟口蓋の動きは非常に大切です。
そして、それらの動きは口蓋帆挙上筋が担っています。
顔面神経と咽頭神経叢の二重支配をうけているため自律的な可動が難しい筋肉です。
しかし、一部は顔面神経支配を受けていますから、このあたりに筋トレ方法のヒントが隠れています!(フフフ・・・)



ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




追記:実は・・・ 歌舞伎役者の甲状軟骨は 捻転 している人が多いのです。何故だかわかりますか?





~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2009-05-13 12:46


喉詰め発声や過緊張性発声する方の多くが、肩甲舌骨筋が浮き上がるほど硬くしている事実を知っていますか?(痙攣性発声障害内転型、音声振戦症、気息性嗄声、努力型発声、頚部ジストニア、声帯結節などの患者様にも多く見受けられます・・・)
肩甲舌骨筋は、人間の筋肉の中でも最も変わった存在です。
舌骨を起始として胸鎖乳突筋と斜角筋(前中後)を通り肩甲骨に付着します。
形状は二つの筋腹をもつ二腹筋で、この他には顎二腹筋と眼球を動かす上斜筋しかありません。
役目として、舌骨の引き下げ、頚部の筋膜の引き締め、内頚静脈の膨張です。
深在性と筋腹が薄いためアクセスが難しい筋肉です。
しかし過緊張の発声をする人は、この筋肉の筋腹が浮き上がってくるのです!
この筋肉が硬くなると、甲状軟骨が頚椎方向ならびに下方に圧着されてしまい、発声にとってマイナスとなります。
つまり声のコントロール不全に陥るのです。
また僧帽筋からも影響を持っているため、肩こりの人は要注意ですね。
この肩甲舌骨筋をストレッチしてみましょう。
一人では困難なため他者の手を借ります。
顔を反対側45°に向けます。
該当側の肘関節を90°に屈曲しながら肩峰を後方に移します。
頚部を後方に倒します。(頚椎に負担のかからないよう注意してください)
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その状態で術者は舌骨から胸鎖乳突筋までの前腹の部分を、中央から外側に向かって指腹を用い優しく引き伸ばします。
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数度繰り返します。
次に胸鎖乳突筋から肩甲骨までを同様にストレッチします。
特に肩甲骨部位は深度が上がるため、しっかり圧をかけましょう。
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相応の解剖知識と熟達したテクニックがないと、分かり辛い筋肉なので正しくできる可能性は少ないかもしれませんが、的確にアプローチできたときは想像を絶する効果がありますよ。
そう、声がスルスル滑らかに出てくる感覚になります。
歌う前、本番前、レコーディング前には特にお勧めです。
チャレンジしてみてください。



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會田茂樹(あいだしげき)



追記1:よくメールで詳しい方法を問われますが、コツやポイントは會田茂樹独自の特殊秘技の部分となりますのでお答えできません。ご了承のほどよろしくお願い申し上げます。



追記2:肩甲舌骨筋および喉頭周辺筋は非常に繊細です。専門家に相談のうえ、各所を損傷しないよう十分に注意して行ってください。




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by aida-voice | 2009-05-11 16:23

声優の喉


当サロンには声優さんも多く来ています。
アニメやTVナレーションで有名な大御所から、声優養成所に通いながらプロを夢見て頑張っている若人まで。
また、声のさらに良くする目的の方から、声帯結節の手術を8回も受け、これ以上は手術できなくなったため当サロンで根本治療(体質改善)を目指して通院している方までさまざまです。
声優に求められる声はどのようなものでしょう。
コンセプトやメソッドは各声優学校に任せるとして、ここでは喉頭医学に関し簡単にお伝えしたいと思います。
声優は、歌と異なり声の直球勝負を強いられます。
つまり、歌はリズムや音楽性である程度の誤魔化しが効きますが、声オンリーの仕事はそうは行きません。
また、俳優の場合は顔や役柄が最優先されるため、声の重要性は多少薄れます。
そう、声の“質”や“良さ”が問われます。
活躍している声優の喉を多く診て検査してきました。
重要な項目を列挙してみましょう。(各項目の詳しい内容は個人個人異なるため当サロンで直接お伝えします)
①喉頭周辺筋に柔軟性があること
②上喉頭動脈の血流が豊富であること
③舌骨後端がフリーであること
④声帯粘膜がしなやかなこと
これらをクリアすると、声を自在に使いこなすことができます。
もちろん①~③によってスタミナもUPします。(声優にとって声のスタミナは必須です。特にアニメや海外ドラマなど連続モノで、収録のたびに声が変化してしまうと、すぐに不調や下手さが分かってしまいますよ。これではプロとは言えませんね・・・)
④は発声者にも聴衆にもストレスのない極上の ≪美声≫ を引き出します。(④の獲得にはボイスケアサロン声専用キャンディが最も有効でしょう!)
重要なことは『声の引き出し』を作ることです。
操作性と共鳴性との兼ね合いがポイントですね。
ほんの一声で感動させることができます。
そんな声をゲットし、発声テクニックと共にさらに声を磨いてください。
あなたの声を待っているファンのためにも・・・
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by aida-voice | 2009-05-10 14:35