声専用のど飴


あいだの
ボイスケアキャンデー


本物の声のための飴が、ついに完成しました。


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特徴
①声帯はコラーゲン線維を含む3層構造からなり、粘膜が保湿されなければ振動しません。呼気によって乾燥しがちな声帯を潤します。
②飲まずになめることで、声帯に直接ヒアルロン酸を届けます。ヒアルロン酸1グラムで約6リットルの保水力があると言われています。
③高精製ヒアルロン酸を限界ギリギリ高濃度含む史上初の「声専用のど飴」です。声帯粘膜がしなやかになるため、劇的に声帯の鳴りが良くなります。

召し上がり方
歌う(声を使う)15分ほど前に、1~2粒を一粒ずつゆっくりなめてください。決して噛んだりして急がないこと。口の中がべとべとしますので、気になる方は、なめ終わってから常温の水を少し飲むとよいでしょう。
このべとべと感こそ、効果の証なのです!

その他
①開発および製造に多大な時間とコストがかかったため、現在は通院者のみに配布しています。(非売品)
②食品用ヒアルロン酸を使用しており、ボイスケアキャンデーは薬剤ではありません。発声効率向上が目的で、喉の痛みや病気には対応していません。

ボイスケアキャンデー使用後の声
Aボイストレーナー
一瞬にして声が出しやすくなる、すごい飴だ!
B声楽家&ボイストレーナー
発声練習の時間が半分以下で最高の状態を作り出すことができた!
C歌手(オペラ)
幕間になめたら、一幕より二幕のほうが声が滑らかでコントロールが簡単になった。これには驚きました。
D歌手(J-POP)
高音をシャウトすると、いつも声が割れたりかすれたりするのですが、ボイスケアキャンデー使用後は声が楽になりスルッと高い音が出ます。
E声優
長時間にわたってアニメ声を強いられ、硬くなりがちな声がいつまでも柔らかく発声できる。
Fアナウンサー
フリーのため出演本数が多く声のケアが大変でしたが、このボイスケアキャンデーで瞬時にケアできるので重宝しています。
G音声障害の患者様
耳鼻咽喉科や胸部外科では何の問題もないと言われたのですが、喉の奥や気管支に張り付くような渇きや締め付けがありました。この飴をいただいてから、喉が潤い症状が改善しました。また、「声がきれいになった」と周囲の人から言われるようになりました。本当にありがとうございました。





この飴の効果には驚愕しますよ!    038.gif





ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)






追記:すでに購入希望の多くの問い合わせをいただいておりますが、残念ながら現商品は試作のためロット数も少なく、非買品としております。ボイスケアキャンデー開発の構想および製作に多額の費用を投じ、1個300円程の費用がかかっています。いずれ更なる改良を加えて大量生産し、皆さまにご購入いただけるよう努力してまいります。〔2015年現在550円/個〕




~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2008-08-31 12:03

横披裂筋の解剖


2008年8月26日「横披裂筋の重要性」を載せました。
模型で筋肉の場所を特定しましたが、実際の摘出喉頭(解剖は医師)による触診実験の様子を知りたいとの要望を多数いただきました。
米国メイヨークリニックで行った実験です。
衝撃画像とならないよう加工して載せます。
無修正の写真や映像(動画)は当院でご覧くださいませ。
私の親指(青色のゴム手袋)の先端が横披裂筋です。


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★ 薄いためアクセスが難しい筋肉ですが
トレーニングをつめば的確な触診は可能です!






ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。
by aida-voice | 2008-08-27 00:27


当院に来た方々の経過と結果を調べたところ、特徴ある例がありましたのでお伝えします。
ここでは、発声テクニックや歌唱技術を教えるのではなく、喉の効率を高め、声そのものを良くします。(歌が上手くならないとボヤク人がいますが、それは歌唱の技術を身に付けていないからですよ)
次の条件を持った人は、6~18回以内の通院施術に改善しています。(音声障害を除く)
つまり、思い通りの声を獲得しているのです。
1機能性および器質性の障害がない
2喉頭周辺筋が硬い(単純な筋肉の悪い癖)
3甲状軟骨の形状が良い
4音楽(楽器)を習ってきた
5スポーツの経験者
6頭脳明晰(勉強熱心)
7感性豊かである
8耳が良い
9ボジティブ
10通院の頻度が多い(次の施術日まで1ヶ月以上空くケースでは、良くなる確率がグンと減っています。最短は週1回受診の3カ月間で、素晴らしい歌声をゲットした超活躍している歌手がいます。
これらの条件が欠けると、声の改善(美声への変身)の可能性は減ります。






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喉をケアして極上の声を手に入れよう!
喉の運動能力を高めれば、それが可能になります!







また、器質的音声障害の場合は、改善の可能性がどんどん増えています。
すべて、程度や個人差によって期間は大きく変わりますが、おおむね下記のようです。
甲状腺摘出手術後の声の改善:回数12回~48回、期間1年~4年
声帯結節:最速が4回でした!
声帯萎縮:回数24回以上
声帯溝症:最速で5カ月(検査していた医師もビックリ!)、平均は36回以上

最期に機能性音声障害の情報です。
機能性音声障害は、治すのではなく声を出しやすい環境を整え、病気を感じない程度まで発声能力を高めることが施術の目的になります。
これらは、症状の重さはもちろんですが、病歴の長さが大きく関与していることがわかりました。(長期間にわたって喉頭の筋肉を正しく使うことができなくなっているため)
痙攣性発声障害:18回以上(レアケースとして6回で良くなった人がいましたが、SDと診断とした某医師のミスで、過緊張性発声障害ではないかと考えています)
音声振戦症:? (北海道にこの病気の人が多いのは何故???)
過緊張性発声障害:1回~48回以上

すべて會田茂樹のアプローチの膨大なデータから導きだしたもので、施術の効果や結果を約束するものではありません。
また、途中で断念(施術を中止)してしまう方々も少なからずいらっしゃることも報告しておきます。
「あと少し我慢して頑張れば、良くなったのに・・・」と感じる患者さまが大勢います。
残念であると同時に、私の力不足を反省しています。







ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)








追記:データには、各医療機関の数値も加味しています。






~メッセージ~
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by aida-voice | 2008-08-26 19:09

横披裂筋の重要性


横披裂筋の重要性


多くの喉頭を、無声時と発声時を比較しながら触診した結果、「良い声」「歌が上手い」「高音がきれい」と言われる人々は、横披裂筋の筋活動能力が発達していることが判明しました。



横披裂筋
起始停止 二つの披裂軟骨の間を横に走る1個の筋
機能   披裂軟骨を近づけて声門を閉じる
神経   反回神経
動脈   上甲状腺動脈よりの上喉頭動脈と下甲状腺動脈よりの下喉頭動脈





緑円部が横披裂筋
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この声門を閉じる動きの中でも、繊細なコントロールをするのが横披裂筋と考えます。
私は、米国メイヨークリニックでのヒト摘出喉頭による解剖触診で、この筋肉の薄さと脆弱さを確認しています。
したがって、多くの人々は、この横披裂筋を100%使い切らずに発声していると思われます。
甲状軟骨反転アプローチしながらの各種施術によって、横披裂筋の固着を解消し、筋運動を活性化します。
そして、微細な運動が可能になれば、どのような音程の音も可能になるでしょう・・・







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會田茂樹(あいだしげき)







追記:声帯結節の改善にも、この筋肉が大いに関与することがわかってきました!!!





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by aida-voice | 2008-08-25 00:13


會田の施術で、あなたの声を一気に整備します!
きっと、あなたは極上の声を常に維持できるようになります。
これで喉と声の整備は万全。
声楽もオペラも、J-POPも演歌も、ロックもジャズも、詩吟も長唄も・・・ (※)
楽器としてのあなたの喉をチューン・アップします!
さあ、思う存分、自由自在に歌ってください。
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ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)






(※)歌唱の種類や声質によってメンテナンスおよび整備の仕方が異なります!






プロとして活躍しているあなた・・・
本当に楽器としての【喉】を100%使い切っていますか?
あなたの歌を愛するファンの皆さまのためにも、さらに良い声に整備しましょう。








追記:2008年9月より施療内容が変更になりました。上記モデルコースは旧式となります。より効果的になった施療をご堪能ください。





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by aida-voice | 2008-08-23 07:36

質問メール


毎日、平均10通ほどの質問メールをいただきます。
喉と声に関係ないメール以外は必ず返事を書いています。
私の分かる範囲でお答えしていますが、次のようなメールは返事が難しいため、十分考慮して送ってくださいね。
①具体的な内容が記載されていないもの。たとえば「喉が痛いのですがどうしたらいいですか?」、「高い声が出ていないと言われました。どの高さなら問題ありませんか?」、「何となく喉の筋肉が硬いように感じるのですが・・・」、「喉の筋肉の触り方は?」などです。
②個人の症状だけを列記したり、実際に診てみないと分からないもの。「低音が出難いのですが、私はどうしたらいいのですか?」、「3年前から声がつまります。治す方法を教えて」、「ソプラノ歌手です。発声方法で悩んでいます。どうすればいいでしょうか?」などです。
ご質問は具体的に詳しく書いてください。
そして、精密検査しなければその人の状態が分からない個人的過ぎる質問も答えようがありません。
診ないまま、不適切なアドバイスはできませんよ。
一般的な声や普遍的な喉の質問でお願いします。
また、お返事を書くのに、私は毎日30~60分かけております。
一生懸命、詳しくお返事しても、その後の様子の返信やお礼をいただくのは半数以下です。
いま、詳しく書く気がだんだん失せています。
お互い礼節を重んじられればと切に願っております。
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ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)







追記:もちろん、「どのような検査をして施術を進めていくのか?」、「施術によって改善する可能性はあるのか?」「予約状況は?」などの施術の内容ならば的確にお答えできますので、お気軽にお問い合わせください

★現在、喉ニュースに関する質問は一切受け付けておりません。





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by aida-voice | 2008-08-21 23:23

喉の肉離れ 2


2008年7月23日投稿でもお伝えしましたが、最近、喉の肉離れを起こして来院する方が増えています。
「喉の肉離れ?」
そう、耳鼻咽喉科で喉頭内部を診る声帯や梨状陥凹などではなく、甲状軟骨周辺の筋肉が問題となるのです。
まず、原因が主に二種に分かれます。
一つは、自分で強くマッサージしたり首を絞められたりして実際に筋肉が過度に伸びて損傷してしまうケース。
もう一つが、大声や高音など無理な発声をして筋肉を痛めてしまうケースです。
物理的に負荷がかかった場合は、その部位の筋肉が損傷しますが、発声時に起こる肉離れには特徴があります。
それは、喉頭周辺筋の硬い過緊張性発声の人が起こり易いことです。
スポーツと同じです。
柔軟性に欠ける人が全力でスポーツをすれば筋肉を痛めます。
背筋だったり、大腿二頭筋(ももの裏)だったり、腓腹筋(ふくらはぎ)だったり・・・
喉の筋肉の好発部位もあることが判明しました。
大声を出すと後輪状披裂筋と○○○○筋が、高音では輪状甲状筋と○○○筋を損傷し易いことが分かってきました。



★肉離れ治癒までのフローチャートは以下の通りです。
        
     無理な発声をする(発声が原因の場合)
        ↓
     筋肉の活動限界を超える ← 喉頭に過剰の外力が加わる(外傷が原因の場合)
        ↓
     筋肉および筋膜に微細な亀裂が生じる 
        ↓
     おぉ、痛い!
        ↓
     軟部組織から出血する
        ↓
     発声すると傷口に負担がかかる
        ↓
     傷が治らず瘢痕になる
        ↓
     筋運動が鈍い
        ↓
     発声能力が低下する
        ↓
     いつものように声を出そうと必死になる
        ↓
     ますます過緊張になって筋肉は硬縮する
        ↓
     痛みや不快感を伴うため発声が上手くできない・・・
        ↓
     耳鼻咽喉科で診てもらうが声帯に問題ないと言われる
        ↓
     治療法が無い!
        ↓
     時間が経っても元の声が出せない
        ↓
     途方に暮れる・・・
        ↓
     インターネットや知人の紹介で會田茂樹の存在を知る
        ↓
     思い切って電話で予約して受診する
        ↓
     精密検査と詳しい説明を受ける
        ↓
     損傷した筋肉を探り当て物療と手技、保護のテーピングを貼付する
        ↓
     傷は治る!!!!!
        ↓
     声が戻る


★喉の肉離れは当サロンの施術で快癒します。






喉頭筋損傷陳旧性症例の施術前の声の状態と、施術後の声の状態をオシロスコープで計測したものです。
あなたには違いが分かりますか?




                       施術前
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                       施術後
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ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)





~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。
by aida-voice | 2008-08-19 09:35


休暇を兼ねて米国のDr達に会って勉強してきました。日本では手に入らないサプリメントで、声帯を保湿して鳴りを良くする新方法も確立できそうです。ますます発声が面白くなってきますよ!


2008年7月31日現在の通院地方分布グラフを公表します。

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●ボイスメンテナンス研究所、會田ボイス整骨院、ボイスケアサロンの集計
●病院での専門外来を含む
●1%未満は0でない限り1%と表記


全国各地からのご来院・・・ありがとうございます。

さらなる研鑚を重ね、
より良い施術を行ってまいります。




~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。







ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)
by aida-voice | 2008-08-17 17:00


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ある場所(日本ではありません!)で、声にも良いと言われる施療やサプリメントがあることを聞きつけました。
そこで、平成20年8月10日から16日まで夏期休暇を兼ねて、さっそく調査に行って参ります。
その間、ブログの更新ができません。
今日は、平成19年2月に関西で行った講演の原稿を公開します。
濃厚な内容によって1週間分を穴埋めしようと姑息な魂胆です。 ← 自分から吐露・・・
大勢の音声医師や言語聴覚士の前で話した内容です。
現在は、このときより、さらに進化した施術を行っていますが、当時としては画期的で、今でもこの概念がコアになって当サロンは成り立っています。
100分の時間をかけた講演ゆえ、かなり文章が長いので、二部に分けて掲載します。(秘技で公表できない部分は割愛してあります)
それではご覧ください!






喉頭触診とマッサージの取り組み

はじめに
本日はお招きいただきありがとうございます。私は東京都港区白金台で、主に声を職業とする人を対象に、外皮から喉頭マッサージやストレッチを施して、発声効率を高める手技を行う整骨院を営んでおります。一般的に接骨院や整骨院では、身体における運動器の外傷や障害を保存的療法によって治療します。そのような国家資格を有する臨床家を柔道整復師といいます。ここでいう運動器の外傷や障害とは、骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷を示し、治療を施術といいます。私は、平成2年の開業以来、場所の好立地と幸運によって一日200人以上の患者が来院する接骨院を作ることができました。これまで延べ30万人以上の軟部組織を触診してまいりました。約7年前に右総指屈筋腱鞘狭窄の疼痛によって現場を離れ、その後、声楽を本格的に学びました。そこで発声の妙なる不思議を知ることとなったのです。これからお話させていただく内容は、経験則に基づく私見であり、医学的および科学的な根拠を証明したものでありません。ただし、今、流行のスピリチュアルや霊能力のような、非現実的なものではありませんのでご安心ください。これまで、一般向けの講演「肩こり解消法」や「腰痛体操」などはありますが、医学関係者の方々を前にしてお話させていただくのは初めてで、守らなければならないしきたりやルールを知りません。多分に失礼があるかも存じませんが、その点ご容赦のほどお願い申し上げます。まさに一ヶ月前の平成19年1月8日に、一色信彦先生よりこのお話をいただき、自分自身、門外漢かと思っておりますが、わずかでも皆さまのお役に立つならば・・・と考え、お引き受けいたしました。本来なら、パソコン・プロジェクター等を用いて、体表に筋肉を合成した写真で個別のケースを図解するのが最善かと思いますが、準備不足で叶いませんでした。そのため、今回は喉頭触診とマッサージの概要を、ペーパー資料のローテクで対応させていただきます。そして、私は医師や学者ではありません。深い専門知識は持っておりませんので、原稿を用いて棒読みとなることも、どうかご了承くださいませ。
今回は、次のような構成で進めてまいりたいと思います。1手技の成り立ち、2診断と施術の流れ、3施術の考え、4実際の触診方法とマッサージ、5今後の展開、6簡単な質疑応答を予定しております。これらの内容は、確証には至っておりませんので、主に安易で手短な概論となりますが、最後までお聞きくださいましたら幸いでございます。




1手技の成り立ち
私は腱鞘炎に罹患して、施療の現場を離れ、学習塾や飲食店など資本投資を主とする会社を興しました。それらが順調に展開したのを機に、学生時代より好んでおりましたオペラのアリアやイタリア歌曲を、二期会理事の先生から習うチャンスにめぐり合いました。約5年前のことでございます。元来、探究しだすと止まらない性格が災いし、同時に他のボイストレーナーにも付き、自主トレーニングを含め週6回のレッスンに明け暮れました。まず、最初に発声方法を習い始めたときのことです。年齢が40歳を超えてから始めたこともあり、十代の音大生と異なって、掴みどころのないイメージだけでのレッスンには馴染めませんでした。ここで、声楽の美声獲得の回答を大雑把にズバリ申せば、喉頭を下制し、各共鳴腔を拡大して歌唱することです。当時、レッスン中に、よく聞く言葉に、「卵を丸ごと飲み込むような感じ」、「下から噴水が上ってきてその水柱が頭を突き抜ける感覚」「喉の奥が大きく割れ、うなじに口があってパカッと開くイメージ」などがあり、逆に困惑してしまうことが多々ありました。確かにイメージは非常に大切だと思います。大リーグ・シアトルマリナーズで活躍するイチロー選手も、また、ボールが止まって見えたと名言を残した元巨人軍川上哲治選手も、イメージの重要性を語っています。ただ、ここでイメージが成り立つのは、既知のものに対してであり、見たことも触れたこともない未知の部分へのイメージは、私を含め一般人にとってはかなり難しいと思います。それを難無くできる人が天才と称される人々なのでしょう。それからと言うもの、これまで長年培った触覚の経験を活かしながら、声楽と発声を論理的に考えるようになりました。一般的には、柔道整復師は、マッサージや低周波などの電療を用いて、肩こりや腰痛の施療をしていると思われています。しかし、当時の私たちの院では、外傷に重きを置いて、名古屋大学医学部解剖学教室に毎週お世話になるなど、解剖学と生理学を肝要に扱ってきました。そのため、私自身かなり構造的に思案しながらレッスンに臨んだのです。さらに、医師と異なり、声帯を直接確認することができません。外皮からしかアプローチできないため、自ずと皮膚上から触る筋肉の特性に着目せざるを得ませんでした。声が良いと評価されている人の喉を実際に手で触って調べたり、音声や画像で研究したりして、喉・顎・姿勢が関与する美声獲得の法則が徐々にわかってまいりました。そして、それに適した施療方法や手技を開発したのです。この術式をボイスメンテナンス(現ボイスケア)と称することとしました。ボイスメンテナンスを知人の歌手達に試していたところ、好評を得、また、更なる研究のために、喉と声の専門院として開業することとなったのです。現在、オペラ・声楽・J-POP・演歌・長唄などの歌手、俳優、TV局アナウンサー、声優、司会業、朗読家などが来院しております。ただし、一般患者様に門戸を開いて5ヶ月しか経っておりませんので、患者数は多くありません。また、「そちらでは何をやっているのか?」「本当に効くのか?」「長年かけて自分で創り上げた喉を触られて崩れるのではないか?」などの問合せが多く、一般に認知されていない現状です。そのような下で、外皮から手でアプローチする手法を、一色先生から多少でもご興味いただけたことは大変光栄でございます。

2診断と施術の流れ
基本的に触診を中心に行います。ここでは、触ることによって判別する能力を必要とします。喉の周辺には、人間の随意筋の中でもかなり小さい筋肉が多数存在します。喉頭の解剖学を学び始めた当初、複雑かつ難解で、「このような細かい筋肉に、何らかの影響を与えるのは不可能ではないか!?」と感じていました。もう一つ驚いたことに、医学書や文献が少ないことが挙げられます。知人の医師にも尋ねましたが、喉頭周辺筋の動き方を詳しく解説する解剖書や、喉頭マッサージの専門書はありません。アロンソンやロイの指圧法があるくらいでした。そこで、半年ほどは、常に自分や知人の歌手の喉を触って、発声時と無声時の変化を手で測っていました。ある日、歌唱中、ピッチを上げる瞬間に甲状軟骨板下端の組織がキュッと締まったような気がしたのです。何度も何度も試すうちに、確実に判別できるようになりました。間もなく、これが輪状甲状筋とわかったのです。それからというもの、0.1ミリ単位に異なるスチールベアリングを用いたり、硬度の異なる薄いゴムバンドを触り比べたりして、触覚を研ぎ澄ませていきました。ここで、特殊な道具を用いずにトレーニングする方法をお伝えします。砂粒を10粒用意します。それを母指と示指に一つずつ挟んで触り、大きさの順に並べ替えるのです。その後ルーペなどで確認して、正確性を上げていくのです。また、紙厚の薄い雑誌や本などに、髪の毛をはさんで探査することもお勧めします。1枚2枚と練習をつみ、慣れてくると10ページ以上重ねた状態からでも、形状や長さを感知できます。知人の医師、柔道整復師、理学療法士、鍼灸師に、喉の筋肉が判別できるかどうか試したことがあります。ほとんど無理でした。やはり、喉を外皮から触るには、構造の熟知と指先の研磨が不可欠だと思います。昨年の秋、東京都内の某TV局で、喉の触診と筋トレによる調査をさせていただきました。テレビ画面でよく拝見する数々のアナウンサーの喉を触ったところ、あるアナウンサーの喉の異変に気付きました。それは、甲状軟骨正中に、甲状腺の位置から喉頭隆起を超えて舌骨下部まで続く軟物体があったのです。筋組織ではないと確信がありました。そこで、甲状腺の錐体葉ではないかと考え、甲状腺疾患専門医である伊藤病院院長伊藤公一先生にお伺いしたところ、当該所見は問題ないとのご見解をいただき安堵したしだいです。指先の訓練によって、相応の筋肉や組織が判断できます。現在、発声に関与すると思われる私が判別できる筋組織は、顎二腹筋の後腹(前腹は顎舌骨筋と同化してしまい難しい)、茎突舌骨筋、舌骨舌筋、オトガイ舌骨筋、顎舌骨筋、茎突咽頭筋、胸鎖乳突筋、肩甲舌骨筋、胸骨舌骨筋、甲状舌骨筋、肩甲舌骨筋、輪状甲状筋、甲状軟骨をやや反転させ後輪状披裂筋、斜披裂筋、横披裂筋、外側輪状披裂筋の一部、上中下咽頭収縮筋の一部、輪状咽頭筋、前中後斜角筋、広背筋、僧帽筋、肩甲挙筋、頭板状筋、大小喉頭直筋、上下頭斜筋、大小菱形筋、大小胸筋、鎖骨下筋、前鋸筋の一部、肋間筋、肋骨から指先をカールさせ横隔膜の一部、咬筋、側頭筋、外側翼突筋の一部です。やはり浅在性の筋がメインで、深在性の組織はほとんど不可能です。また、個人差も非常に激しく、通常は触診可能であると考えられる筋でも、触れられないことも多々あります。深部かつ微細な組織になればなるほど正確に探り当てているとの保障はなく、今後の検証が不可欠だと思います。
次に、当院での一般的な施療の流れをお伝えします。初めて来院されますと、詳しい問診票を記入していただきます。次に診察が始まります。ほとんどの場合、触診、検査、説明、施術、再検査、予後の説明を行います。現在、一色先生の元で、喉頭クリニカルマッサージを担当させていただいております。そこでは機能的音声障害といった疾患治療の一部を携わっておりますが、当院では音質向上や歌唱力アップのためのセラピーが主です。

3施術の考え
皆さまには突拍子も無いお話に聞こえるかもしれませんが、当院の施術の考えを、総論と各論に分けてお話いたします。
総論
①筋肉の特性
ご存知のように、小胞体から放出されたカルシウムによってミオシン・フィラメント頭部は、クロスブリッジ(連結橋)を形成し、回転しながらアクチンフィラメントを筋節中央へと引きずり込んで、筋組織は収縮します。ここで着目すべきは、筋肉は自発的に収縮できるが、自力で伸びることができない点です。肘関節を例にご説明します。

肘関節の屈曲 → 上腕二頭筋が活動 上腕三頭筋は他動的に伸張されるのみ
肘関節の伸展 → 上腕三頭筋が活動 上腕二頭筋は他動的に伸張されるのみ

これら機能は、体の全ての筋肉に当てはまります。したがって、発声するために必要な筋肉も、同様のメカニズムを有するはずです。ただし、極端に大きな運動を展開する四肢や躯体の筋肉と異なり、喉の細かい筋肉は、それぞれが複雑にからみ合っているため一概に決められませんが、前筋および喉頭を下制する筋の収縮能力や効率を良くすることで、歌唱に好影響を与えるのではないかと考え、施療を行っています。

②体が柔らかいと声が良い!?
これも筋肉の特性ですが、音程の高低が穏やかな日本の歌と異なり、オペラでは急激なピッチの跳躍が多々あります。その際の、筋肉の動きを手で測ったところ、筋肉組織が硬い人ほど反応が悪いことに気付きました。これはスポーツと同じです。体が硬い人は決して一流のアスリートにはなれません。しなやかな動きと俊敏なレスポンスを獲得するには、体を常に軟らかく保たなければ なりません。喉周辺の小さな筋肉群にも同じように当てはまります。当院では、立位体前屈やハムストリングスなどの伸張度を計測しておりますが、声が良いとか歌が上手いと一般的に称される人は、おおむね体が柔らかいようでした。筋肉の硬度は一貫性がありますから、大腿四頭筋や広背筋はとても軟らかいが、喉の筋肉だけはやたら硬いといったような人は少ないと考えます。

各論
①胸鎖乳突筋の作用
これも筋肉の硬度に関係します。まず胸鎖乳突筋は、頭部の安定と回旋および屈曲に深く関与する二頭筋です。人間の筋肉の中で脊柱起立筋と並んで毛細血管が多いことから、運動が豊富で重要な筋肉だと考えられます。数年前、知人の男性声楽家が交通事故に遭いました。乗用車の助手席に座っていたところ、後方より追突されました。私の懇意にする整形外科の医師に精査をお願いしたところ、頚椎や神経叢には影響なく「頸部挫傷」つまり「むち打ち症」と診断されました。私も診察しましたが、特有のむち打ち現象により、胸鎖乳突筋が傷んでパンパンに腫れていました。その直後から、「何となく声が出しにくい」「すぐに喉が疲れてしまう」などの、声に対する不定愁訴的な症状を訴えました。その現象と頸部状態とを解剖学的見地から考えてみました。事故以前の喉を触診したときと比較し、胸鎖乳突筋以外の筋緊張や腫脹は存在していないことを確認しました。そこで、大胆な論理を展開したのです。胸鎖乳突筋中央部の下には外頚動脈から分かれる上喉頭動脈や上甲状腺動脈があります。喉頭周辺筋および喉頭内部の筋肉へ向かうのは、ほぼこの二つの血管です。ならば、胸鎖乳突筋の筋膨張によって、これらの血管が圧迫され、血流量が減り、酸素や栄養素の供給も減少するのではないかと考えました。そこで、2週間の頚椎カラーによる安静と冷シップによる鎮痛消炎、その後、弾性テーピング貼付による胸鎖乳突筋の保護、施術によって、症状が改善すると共に発声もしやすくなったとの感想を得ました。その後、当院の全ての来院者に、胸鎖乳突筋の触診を取り入れました。そして、筋緊張が存在するときはマッサージやストレッチを行った結果、「発声が楽になった」「長時間歌っても疲れなくなった」などの声を聞くようになりました。胸鎖乳突筋の筋緊張を改善することで、歌唱に好影響を与えることができると考え、現在、その施術も行っております。さらに、最近、一色クリニックのホームページから当院のホームページを見て、来院された方が二人おります。近隣の耳鼻咽喉科で、一人は声帯萎縮、もう一人は声帯結節の疑いと診断された方でした。当院では、それらの治療でなく、あくまで発声効率を改善するケアである旨を了承いただいて後、施術を開始しました。驚くことに、一人には頚椎椎間板ヘルニア、もう一人は頸肩腕症候群に罹患しており、案の定、胸鎖乳突筋もかなり張っていました。それを中心に手技を施したところ、声帯萎縮の方は施術後から翌日いっぱいまで嗄声が緩和したそうです。当院で受診したことを知らない第三者から言われたため、確実に実感したようです。また、声帯結節の疑いの人は、数回の手技を施したあたりから、これまで硬く感じていた声が柔らかく感じるようになり、日によって喉の調子が変わっていたのが改善傾向にあるようでした。これらは観察や手の感覚、症状の主観の推移を述べたまでで、喉頭の血流量との関連性は推論にしか過ぎません。血行改善に近い考え方として星状神経節ブロックがあります。ご存知のように、これは、頸部の神経節に薬剤を注入して、その自律神経が支配している部分の血管を広げ、それにより分布範囲の血行を改善する治療です。マッサージで頚部周辺がリラックスしたため良好になってきたとは思いますが、多少でも関係があれば、今後の研究は面白くなるものと思います。

②顎関節の動きと構音
当院では、発声を楽器にたとえて説明します。模型はもちろん、実際にヴァイオリンとトランペットを見せ、構造を詳しく解説します。声帯で発した喉頭原音は、ほとんど同じような小さな音にしか過ぎませんが、声帯より上部で構音あるいは調音されて個性豊かな声として聴衆の耳に届きます。人間の構音部位は、全て軟部組織でできています。その辺りの部位を外皮からケアするのはほとんど不可能です。しかし唯一、口腔があります。その中でも、最近は顎関節に注目しています。昨年の秋、若いJ-POP歌手を診たときのことです。声量が足りなく、べたつく音を改善して欲しいとの願いで来院してきました。喉の触診はもちろん、姿勢や顎もチェックしました。そのとき、下顎頭が左右非対称にスライドして開口しているのを発見しました。問いただすと、過去に顎関節症を既往していたことが判りました。歌唱時の開口具合を調べると、疼痛やクリック音がなくとも開口の能率が悪いため、早いテンポの歌唱に対し顎の動きが追いつかない様子が見られました。このような不整開口は、閉口時に関節円板が関節頭の前方、正確にはほとんどの例で前内方に位置しています。円板がそこにあるために関節頭が前に移動、つまりヒンジ運動からスライディング運動へしようとする動きを止めてしまい、結果として顎が開かない、あるいは開きにくくなることが多いのです。そこで、サージカルグローブを着用し、母指を口腔内に差し入れて臼歯を軽く下方へ圧迫しながら前方へ引き出し、その後、後方へ押し戻しながらゆっくり閉口しました。これは顎関節脱臼時の船底型整復法に似ています。完全な開口障害にいたらないケースでも、この操作によって関節円板が正常な位置に戻り、開口がスムーズになります。日本伝統医療科学大学院大学白石洋介先生の考案されたオーラルエクササイズを教え、自宅でも毎日数回実行し、1ヶ月ほどで開口度がシンメトリーに近づきました。そして、本人や芸能プロダクションからも、以前より、音声が豊かになったと報告を受けました。

以上のようなことから、筋肉の状態、および、関節の可動域の側面から発声を研究し、「発声はスポーツだ!」との標語を掲げ、歌唱力アップのための、施術の考えを持って日々対応しております。




つづく・・・






ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)






~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。
by aida-voice | 2008-08-10 05:35


それでは、つづきをどうぞ・・・


4実際の触診方法とマッサージ
これは、まだまだ探究途中の段階で、お伝えする内容は少ないと思います。触る方法ですが、まず何よりも、頭で考えるのではなく、手が組織と会話するイメージを持つことが非常に大切です。私は触診のことを、タッチとかコンタクトとは言わず、アクセスと表現しております。触診中は、皮膚、筋肉、骨などの左右差やほんの小さな膨隆部を見逃さないよう集中します。実際の筋肉を探査するには、求める筋肉をおおよそ検討して、その部位をよく観察し、指腹でそっと触れます。喉頭を母指と示指で挟むようにアクセスするのが最もポピュラーな手技です。そのとき、目を閉じてはいけません。自分に都合の良い観念が大きく膨らんでしまい、正確性に欠ける恐れがあるからです。ただ、慣れないうちは、一定の間隔で目を閉じて、指先の感性を研ぎ澄ますのは構わないでしょう。皮膚をさするのではなく、ほんの軽い圧をかけて、指が組織に埋もれながら同化していく感覚を得てください。視覚は、見た瞬時に認識できますが、触覚は指で触れて、次にそれを動かさなければ物体を感知できないダブルアクションの特徴を持ちます。そして最大のコツが二つあります。第一に、目的の筋肉の起始停止を熟知してください。筋肉は、一部例外を除いて、ある骨または軟骨から起こり、必ず別の骨や軟骨に付きます。要するに筋肉の端と端はそれぞれ別々の骨や軟骨に付着しているのです。基本的に、固定されているのが起始部で、動くのが停止部です。第二は、目的の筋の筋腹に対し、垂直に横断させるように動かしながら探り当てることです。解りやすい胸鎖乳突筋で試してみましょう。胸鎖乳突筋の起始部は胸骨頭と鎖骨にあります。停止部は乳様突起です。つまり頚部の前面外側付近を前後するように動かせば良いでしょう。また機能を知っていれば、さらにアクセスが容易です。胸鎖乳突筋の場合、頭部を横に回旋すれば視認できるほど隆起します。では、最も難しい輪状甲状筋はどうでしょう。この筋の起始は輪状軟骨の外側面、そして二つの線維に分岐し、停止は、下部グループが甲状軟骨の下角前縁部に向かって斜めに走り、上部グループは上方に向かい甲状軟骨板下縁に着きます。したがって輪状甲状筋を触るには、甲状軟骨下やや側方から斜め約30~45度の上方向へ動かすことによってアクセスが可能となります。また、二つに分かれる線維を判別するのは、相当稀有な筋腹をもった人物だけで、通常は不可能に近いと思われます。さらに、胸骨舌骨筋の下に一部隠れて存在する場合は、それをかいくぐって探索しなければならず、また、筋腹が脆弱ない人もいるため、全く触れないことも多々あります。また輪状甲状関節の可動域を調べるのも有用です。まず輪状甲状関節が正常に動いているかどうかを確認しましょう。適当な発音のロングトーン発声時に甲状軟骨の上端を片手で固定しながら反対側の指で輪状軟骨の下端を徐々に上制します。日頃きちんと関節が活動しているなら、手の動きに合わせてピッチが変化します。
次に、マッサージの方法です。当院の基本的なマッサージは喉のリラックスと筋緊張の緩和にあります。喉頭専用の牽引と電療を施した後、専用ソファに座ります。顎は上げ過ぎず下げ過ぎずゼロポジションをとります。先ほどアクセスした各筋にマッサージを行います。次のような方法があります。軽擦法(手のひらでかるくなでる)、叩打法(軽く叩く)、震顫法(指を震わせる)、圧迫法(指先で適度に圧を加える)揉捏法(じっくりもむ。方向として、筋線維に沿うように行う、筋線維に対し垂直に動かす、の二つ)、クリッピング(皮膚をつまむ)、グライディング(喉頭を左右にゆする)、ストレッチング(両手の指を使って筋線維に沿って伸張する)などを、状況に応じ選択して10分程度行います。また、初回に長時間のマッサージをしてしまうと、翌日に筋肉痛や俗に言うもみ返しが起こる可能性がありますので、時間や量に注意が必要です。なお、すべりが悪いときはアロマオイルを用いるのも良いでしょう。これらは、発声能力を向上させるためのマッサージとして開発したものです。
先日、聖徳大学の山口創先生と長時間にわたって対談しました。講談社ブルーバックスの「皮膚感覚の不思議」など、触覚に関して多数の著作があり、触ることの第一人者です。かなり話が盛り上がり、触覚と歌唱には、厳格なメカニズムが解明されておらず、あいまい性と言った共通の類似点があることに、二人で愉快に膝を打っておりました。今後も情報交換など、協力しあうことを確約しております。この先、喉周辺部における最先端の触覚情報を得られることを希望しております。

5今後の展開
声楽から始まった音声研究ですが、考えれば考えるほど、探究すればするほど分からないことばかりです。喉の周辺には、なぜこんなに細かく小さな筋肉がいっぱいあるのか? 顎二腹筋と肩甲舌骨筋のような珍しい形状をした二腹筋が二つもあって良いのか? 茎突舌骨靱帯は本当に必要なのか? 一色先生のご本「声の不思議」を読んで随分と疑問は氷解しましたが、この先、喉頭はどう進化していくのか? など、声楽だけでも不明瞭で掴みどころがなく困っていたところに、喉頭の錯雑な構造に出会い、大変面食らっています。それでも、24時間、喉と声のことを考えていても飽きないほど楽しくてしかたありません。また、今般、一色信彦先生にお声をかけていただき、新しく機能性疾患をつぶさに知りました。歌唱だけでなく、音声医学の見地からも触診技術をさらに研鑽し、これらが秘伝の奥義とならず、誰でも簡単にアクセスできて、普及するよう進化させて参りたいと考えております。先ほど名前がでました聖徳大学の山口創先生もおっしゃっていましたが、触覚の世界は非常に曖昧です。どこまで科学的に解明できるか分かりませんが、一つ言えることは、「マッサージは気持ちいい」と言うことです。気持ちよさのメカニズムと痛みのメカニズムとは似通っています。この辺りからも、この先、手技の持つ可能性が大きく広がることを期待しております。私の趣味で始めた小学生の自由研究のようなものが、もしかすると、多少なりとも世の中のお役に立てるではと考えるとワクワクして参ります。いつの日か、喉頭マッサージ、あるいは、外皮から攻究する喉と声の研究成果を、何らかの形で発表や上梓できればと願っております。

6簡単な質疑応答
それではご質問のある方はお願いします。なお、私は専門の医師や音声学者ではありませんから、その点をご考慮いただき、平易な内容でお願いします。

以上が、喉頭触診とマッサージの取り組みでした。私の未熟な講話をおしまいまでお聞きくださり、ありがとうございました。今回は、基本的な概論が中心でしたが、個別の筋肉へのアクセスを、詳しく図解する準備が整いましたら、いつの日かご報告する機会があれば幸いでございます。
最後に、一色信彦先生のおかげで、素晴らしい学問を知りました。さらに、粋な本庄巖先生と出会え、先日は長井慎成先生と飲み明かし、本日こうして皆さまとお会いできました。百般のご縁をくださいました一色信彦先生に厚謝申し上げます。ありがとうございました。
                         
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My Boss 一色信彦京都大学名誉教授











最後までお読みくださった “あなた” ・・・
心より感謝いたします








ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)





追記:対応している音声疾患は、痙攣性発声障害・音声振戦症・過緊張性発声・低緊張性発声障害・吃音・脳梗塞後の構音障害・声帯萎縮・声帯溝症・声帯結節・ポリープ様声帯・心因性声失症など多岐にわたります。しかしながら当院は病院でなく、疾病そのものを治すのではなく、発声能力を高めて楽な発声を目指します。そう、病気が治るのでなく、喉の体質を改善して、声を出しやすくするだけです。日常生活に困らない声を獲得してください。




~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。
by aida-voice | 2008-08-10 05:30