横隔膜 序章


とうとう呼吸について書く時が来たようです。
当サロンでは胸郭に関する施療を行ってきましたが、喉頭に比べ曖昧な部分が多かったため記載を控えていました。
ここまで解明してきた事実をお伝えします。
なお、発声から検証する呼吸にはまだまだ未知の部分もあるので、100%正論ではない可能性もあることをご承知おきください。

発声は大まかに、呼吸・声帯・声道(共鳴腔)の3つの構成で成り立っています。
特に今日は肋間筋の重要性について書きます。
肺は胸郭(肋骨内)でぶら下がっています。
もし、肺を取り出したり、胸に穴があいてしまうと、肺は急速に収縮してしぼんだゴム風船のようになります。
胸郭(肋骨内)の内部は真空状態ゆえ、肺は大きく存在し、その内圧と外圧によって大きさを変えて呼吸を行います。
皆さんがよく耳にする横隔膜は、随意的にも動き不随意的にも動く、特殊な筋肉束です。
つまり、意識して動かすこともできますが、無自覚でも勝手に動いて呼吸しています。(無意識でも動かなければ死んでしまいますよね)


起始
胸骨部 剣状突起の内面
肋骨部 下位6つの肋軟骨の内面
腰椎部 2本の腱膜が第3および4腰椎前面部から作られる
停止
ドーム状に上方に向かい腱性線維に終わって腱中心を作る
神経
横隔神経(甲状腺や胸部の手術で横隔神経の断裂や損傷を起こし、片方の肺が動かない患者様も多く診ています)


よろしいでしょうか。横隔膜のキーポイントは、ドーム状の筋および軟部組織が「里芋の葉と茎」、「味噌汁で使う“おたま”を反対にして柄を縮める」のような形状なのです。決して単純な形ではありませんよ!!!!!
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この横隔膜は、自発的に動かすことが困難で、他力的に活躍させることができます。
そのキーポイントが「肋間筋」です。
肋間筋には2種類あり、内肋間筋と外肋間筋があります。
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これらの筋肉は肋骨の間に存在します。
内肋間筋は呼気に働き、外肋間筋は吸気に働きます。
内肋間筋が収縮すると、胸郭内部の体積が減少し、息を吐き出します。
外肋間筋が収縮すると、胸郭内部の体積が増大し、息を吸います。
これまで意外にも蔑にされてきましたが、良い声のための呼吸には、肋間筋が大変重要な役割を担うことが判明しました。
そして内外肋間筋が十二分に躍動するには、肋骨の動きが必要なのです。
そう、胸郭がスムーズかつ自由に動かなければ、コントロールされた呼吸、すなわち発声はできません。

ついに発見しました。
胸郭の運動性がアップする方法を!
その最重要ポイントは胸椎の側面にある《肋椎関節》です。
この関節の可動域が少ないと胸郭の自由度が少なく、また、内外肋間筋も上手く動きません。
肋椎関節のモビリゼーションと内外肋間筋のストレッチングを施した場合・・・
肺活量が3~10%程増加する
息のコントロールが容易になる   
横隔膜の支えを実感できる(横隔膜を緊張させながら低位置に保つことができる → 一定の呼気が可能になりブレスが驚くほど長くなる!)
となります。
さらなる詳しい内容は当サロンの施術内で行っていますので、声を大切にする歌手・役者・声優・アナウンサーなどのエリートボイスユーザーにはとてもお勧めです。
あなたも、さらに良い声を目指して、肋椎関節と肋間筋を見直してみましょう!




ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




追記:多くの発声指導家に会いますが、本当の正しい横隔膜を知りません。実際、あまりにいい加減なことを言いすぎです。横隔膜があたかも意識的に自由自在に動いていると勘違いしていますが、本来は胸郭および腹腔内部の圧力と肋骨の動きにも、かなり依存しています。それゆえ呼吸法を誤って、本当にうまくなるはずの歌い手をわざわざダメにしているのです。残念なかぎりです・・・




横隔膜の真実を知ってください!





~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2008-10-17 00:29