歌が上手いとは?


これまで、私は、世間から歌が上手いと評価されている歌手の喉(外皮からの筋状態)を数多く診てきました。
世界的に活躍するオペラ歌手からTVでお馴染みのJ-POP歌手まで・・・。
今回は、J-POP歌手に焦点を当ててお伝えします。
上手い歌手の喉には必ず共通の特徴がありました。

①外喉頭筋が柔らかい
甲状軟骨を左右にグライディングしても、披裂軟骨小角が食道や下咽頭収縮筋を介して頚椎前面部に当たる音はありません。しかし、柔らかいと言ってもダラダラ弱い筋肉ではなく、剣術の達人が無駄な動き無くスッと動いて相手を斬るがごとく自然体の俊敏かつ強靭な筋肉です。

②内喉頭筋の筋運動が豊富
直接、声帯を動かす筋肉の動きが活発で、反応性に優れています。だからこそ、上手い歌に必須の「かすれ声を混ぜること」と「コントロールされたビブラート」が可能になります。

③舌骨上の共鳴腔を自由に使いこなす
この共鳴腔が音色を決めますから、この能力に長けた人は本当に声が素晴らしいのです。声道の体積を広めて勇往なグランドピアノにしたり筒状にして繊細なオーボエにしたりと自由自在です。

この3つの特徴を獲得すれば、最高の歌い手になれる可能性を持ちます。(あくまで可能性ですからね・・・)
逆に言えば、この3つがそろわなければ、たまたま曲が良かったり運が良かったりだけの「一発歌手」になってしまうでしょう。(一度でもヒットすれば大成功なのでしょうが・・・)
偉大な歌手は、世間から長く愛されなければいけません。
本気で歌手を目指すのなら、上記の状態を獲得してくださいね。

さて、外喉頭筋の柔軟性をチェックする簡単な方法を載せましょう。
なお、「パッサージョがGだけど私の喉の筋肉は正常なの?」などとメールでもよく質問がありますが、詳しい喉頭筋の状態は実際に精密検査してみなければわかりません。
この点をご留意ください。
まず、まっすぐ前を向いて極力リラックスしてください。
片手の母指と人差し指の二本で甲状軟骨を軽くはさみます。
そして、唾を飲み込んでみましょう。
同時に甲状軟骨が上がるのが分かるでしょう。
これは、甲状軟骨が上制することで喉頭蓋が閉まり水や食物を食道に向かわせる嚥下運動です。
そのとき、「ググッ」と音がする人はいませんか?
あるいは動きが悪く感じる方はいませんか?
このような人達は、喉頭周辺筋が硬い可能性がかなり大です。
程度によっては、過緊張性発声も考えれます。
声は、声帯を含め、それを動かすのも全て筋肉に担っています。
最高の音色には、筋活動性が活発かつ柔軟性大による共鳴腔の活用が必須です。
この状態に、歌唱テクニックと歌心を加味できれば、人を感動させる歌が可能なのです。
あなたは大丈夫ですか?
チェックしてみましょう!


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ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)






追記:喉をケアすれば、歌うことだけに集中できます!
必要なことは・・・
①喉の運動能力が最高潮に達したとき、そこに歌唱技術と歌心がのって、本物の歌となる。
②声は、声帯を含め、すべて筋肉から成りたっている。
③筋肉は、柔軟性があってこそ、運動能力が上がる。
④喉をケアすれば、喉周辺の筋肉の柔軟性を得て、運動能力が向上する。
⑤喉の運動能力が向上して自由に動けば、歌も思い通りに歌える。
⑥声を出すことでなく、歌そのものに集中してこそ、人の心を打つ歌が完成する。
⑦さあ、あなたの素晴らしい歌声を待っているひとのためにも、喉を極上に整備しましょう!







~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2008-09-07 11:09