2008年 04月 17日
線維筋痛症
線維筋痛症の発声困難の改善の施術を報告します。(耳鼻咽喉科での外来)
線維筋痛症の詳細は他の優秀なHPに任せるとして、本ブログでは発声に関与する喉頭状態をお伝えします。
発声に関する症状や検査結果
1 声帯に何の異常も認められない
2 大きな声が出ない、詰まる感じがある、喉が疲れる、かすれる、高音が出ない
3 反回神経麻痺はない
4 心因性発声困難はない
5 痙攣性発声障害(SD)はない
6 喉頭所見および筋状態
① 咽頭収縮筋が硬縮している
② 舌骨の位置が低い
③ 顎二腹筋が弛緩し過ぎている
④ 輪状甲状筋の可動不全が疑われる
7 外頚動脈および上喉頭動脈の血流量は測定不能(血管が細いか皮下組織に阻まれて)
8 喉頭外傷の既往なし
9 線維筋痛症独特の痛みやしびれは、喉頭周辺には存在しない
他の重症筋無力症(MG)などの筋疾患と同様、筋肉が緩んでいるにもかかわらず硬くなっている部分も存在する。
症状差が激しいため当てはまらないケースも多々あるが、甲状軟骨を保持するのに筋緊張を強いていると思われた。
ピンポイントの緻密な喉頭クリニカルマッサージによってTonus部位の弛緩、3~80Hz喉頭用特殊低周波によって顎二腹筋(特に後腹)の筋力強化を行う。
術後は・・・ 呼吸が楽になった、唾が飲みこみやすい、声が軽く出る、詰まりがない、発声しやすい等の即時効果を得た。
このような結果でした。
実際、初検時には線維筋痛症に罹患していることを知りませんでしたが、丁寧な観察と触診によって、喉頭の状態だけから病名を引き出すことができたのです。
複数回の施術によってさらに改善に向かうものと考えます。
線維筋痛症の患者様の声が良くなることを願って止みません。
ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)
~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。
by aida-voice
| 2008-04-17 01:11