旧 會田ボイス整骨院 ホームぺージ ボイスコラム7


ホームページ改新にあたり、2005年に発表した會田ボイス整骨院ボイスコラムを載せます。
このコラムは当時の最新発声医学をお伝えしてきました。
既に古い情報となってしまい、現在とは多少異なる見解もあります。
しかし往時の最先端を偲んで訂正せずに載せることをご了承ください。
その点をご考慮いただき、お読みくださいますようお願い申し上げます。



7:輝く声が人を魅了するパート2・・・胸鎖乳突筋、輪状甲状筋、外咽頭筋群の重要性

前章では顎関節の重要性を説きました。本章は、筋肉について述べます。
良い声にするためには、共鳴が必要なことを繰り返しお伝えしました。
ここで、良い声についてもう少し掘り下げて考えましょう。オペラでも歌謡曲でJポップスでも、上手い歌手と言われる人達がいます。
それぞれの分野を歌っている知人に、歌唱力があると思う歌手を選んでもらい、それら歌手の画像を交えて声をつぶさに独自検証してみました。
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表記のほかに、クルーン唱法のフランク・シナトラや、スキャットテクニックでジャズ女王の名声を得たエラ・フィツジェラルドなども、喉を下げた状態で歌唱していることが判明しました。
オペラで話題になるベルカント唱法も同じです。
さて、人には音に対するそれぞれの好みがあるため、完璧な『良い声』の定義は難しいのですが、低音から高音まで音域があって、耳障りのない豊かで輝く声であれば、大概の人に受け入れられるでしょう。(ここではリズムやテンポの問題を省く)
よくカラオケで見かけますが、低音が腑抜け状態、高音が出ていない、喉を絞って無理矢理発声しているなど、自己満足なら構いませんが、他人に迷惑をかけるような歌い方をしている人が少なからずいらっしゃいますよね。
それらの状態を呈するほとんどの人は、顎がやや上がった状態で、それに伴い喉頭も上がってしまっているのです。
良い声を出すには喉を下降させた状態で歌わなければなりません。
喉が的確に下がっていると、低音も充実し、高音にいたるまで伸びやかに発声できるようになります。ただし、喉の下げすぎは息の流れを閉じてしまい、逆に美声にならないので要注意。
喉頭すなわち甲状軟骨を下げる役目は外喉頭筋(胸骨舌骨筋、胸骨甲状筋、甲状舌骨筋、肩甲舌骨筋)です。
これらの運動能力をアップさせ、長時間歌っても疲れないスタミナを身に付ければ、あらゆる状況下で美声を発揮できるはずです。
今般、当院の技術によって、外喉頭筋の施術が可能になりました。
頚・喉にある筋肉の多くは小さく細かいため、メンテナンスには専門の知識と経験が必須なのです。
勘違いしないでいただきたいのは、喉周辺の筋肉をボディービルディングのように鍛えてモリモリにするのではありません。
レスポンス(反応)の俊敏な“デキル”筋肉にすることが肝要なのです。そして、さらに持久力をつけること。これで弱い喉から脱却できます。
ところで、一般的には喉に関連しないと思われていた胸鎖乳突筋の筋能力と柔軟性が、歌唱に大変有効であることを掴みました。
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胸鎖乳突筋は、二つの筋頭からなり、胸骨と鎖骨より乳様突起までつながっています。機能は三つあり、第一に頭部を固定した状態で胸郭を持上げて深く息を吸い込む、第二に胸郭が固定されている場合は頸部を屈曲させる、第三に片側だけが働くと頭部が側屈し反対側へ回旋する。
この筋肉は頸部前面の中で最も強大であるため、ボイスメンテナンスでコントロールすれば、下層にある外喉頭筋群にも好影響を与えるでしょう。
胸鎖乳突筋は皮膚上から触りやすいため、一般の方でも簡単に見分けがつき、筋トレやストレッチがやりやすい利点があります。
この章の最後に、輪状甲状筋の大切さを語りましょう。歌謡曲やポップスを習っている人は、もしかすると聞き覚えがある単語かもしれません。三重大学教育学部教授の弓場徹(ゆうば とおる)先生をご存知でしょうか。「歌う筋肉」で輪状甲状筋を鍛えることを提唱されています。弓場先生は、息をもらした裏声と息もれしない表声を融合させるYUBAメソッドによって、これまで多くのオンチの人を矯正してきました。当院でも、輪状甲状筋は非常に重要な筋肉だと考えております。
この筋肉は内喉頭筋に属しているため、その存在を意識したり自発運動をしたりすることが困難です。しかし、他の内喉頭筋と違って甲状軟骨の外側に付着しているため、注意深く探すと位置を知ることができます。
手技に熟達すれば、皮膚および広頚筋の上から一部を触れることができます。(ただし、胸骨舌骨筋が正中近くまで存在するタイプの人は不可)
注意として、甲状軟骨の前面やや下に、代謝と成長をつかさどるホルモンを分泌する甲状腺があるため、素人判断の手技やメンテナンスは危険です。
経験を積んだ専門の我々に任せてください。




~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2008-03-07 22:48