旧 會田ボイス整骨院 ホームぺージ ボイスコラム3


ホームページ改新にあたり、2005年に発表した會田ボイス整骨院ボイスコラムを載せます。
このコラムは当時の最新発声医学をお伝えしてきました。
既に古い情報となってしまい、現在とは多少異なる見解もあります。
しかし往時の最先端を偲んで訂正せずに載せることをご了承ください。
その点をご考慮いただき、お読みくださいますようお願い申し上げます。



3:発声の基礎解剖

ここでは主に発声に関与する構造と機能等を簡潔に紹介します。
より詳しい解剖学や生理学は、専門書を紐解いてください。
発声や構音には大きく次の主な三つの器官が示されます。

1.口腔(こうくう) 2.咽頭(いんとう) 3.喉頭(こうとう)

≪1.口腔≫
口腔は上顎骨、下顎骨、口蓋骨から成り立ち、その中に歯、口蓋、舌が存在します。
また、唾液などを分泌する耳下腺、顎下腺、舌下腺などがあります。
口腔は咀嚼、嚥下、言葉の構成などの役割を担っています。

口 蓋 
口中の天井で、前方3分の2が骨の部分で硬口蓋と呼ばれ、後ろ3分の1が軟部組織からなる軟口蓋があります。
特に軟口蓋は、発声時は上下に動き、共鳴を左右する重要な部分です。

舌 
舌は筋組織で、舌尖、舌背、舌縁、舌根に分れています。
舌は味を感じる器官として有名ですが、舌の存在と動きが発声時の響きに大いに関与していると当院では考えています。

≪2.咽頭≫
咽頭は上咽頭、中咽頭、下咽頭に分かれ、嚥下や構音さらに扁桃による免疫機能に関係します。

上咽頭 
頭蓋底から口蓋の移行部の高さまで。

中咽頭 
上咽頭の下で、喉頭蓋谷の底部まで。
口腔と咽頭の連結部分となり、最も狭い空間。

下咽頭 
口蓋谷から食道まで。

≪3.喉頭≫
喉頭
喉頭は気管と食道の分岐点付近にあります。
ここで、発声にかかわる重要な軟骨と筋肉を列挙し、簡潔に解説してみましょう。

甲状軟骨 
二枚の板状が結合。
輪状軟骨 
背後が高くなっている輪状の軟骨。
披裂軟骨 
ピラミッド形で輪状軟骨の後部に存在。
この披裂軟骨が動くことによって声帯が緊張したり弛緩したりします。
内喉頭筋 
内喉頭筋は咽頭にある軟骨をつないで声帯の動きをつかさどる。
甲状披裂筋 
甲状軟骨と披裂軟骨をつなぎ、披裂軟骨を前方に移動させ声帯の緊張を高めます。
輪状甲状筋 
垂直部と斜部に分れる。
輪状軟骨弓を挙上し甲状軟骨板を下降、輪状甲状間を短縮させて声帯を引き伸ばします。
高音を発声する際のとても重要な筋肉。
外側輪状披裂筋 
輪状軟骨弓の上縁から披裂軟骨突起の前縁までで、声帯を閉じる働き。
後輪状披裂筋 
輪状軟骨板の後面から披裂軟骨へ。披裂軟骨の回線と傾斜によって声帯を開きます。
披裂筋
二つの披裂軟骨をつなげ、披裂軟骨を近づけることによって声帯を閉じる役目。
声帯筋
甲状披裂筋と共に輪状甲状靭帯から披裂軟骨へ。
声帯の伸展を調節します。(発声時のピッチに関与)
外喉頭筋
外喉頭筋は胸骨や舌骨と喉頭を結び、舌骨下筋群と舌骨上筋群に分けられます。
舌骨下筋群
胸骨舌骨筋
胸骨柄から舌骨へ。
咽頭と舌骨を引き下げ、舌骨を固定。
胸骨甲状筋
胸骨柄から甲状軟骨板へ。
喉頭と甲状軟骨を引き下げます。
甲状舌骨筋
甲状軟骨から舌骨へ。
喉頭と舌骨を引き下げたり甲状軟骨を持上げたりします。(甲状軟骨も舌骨も骨格に固定されていないため、上下どちらへの動きも可)
肩甲舌骨筋
二腹に分れ、肩甲骨上縁から胸鎖乳突筋の下面で腱になり、ここから舌骨へと向っています。舌骨を固定し、舌骨と喉頭を引き下げます。
舌骨上筋群
舌骨挙上筋は厳密に言えば喉頭ではありませんが、喉頭に影響を与えるので外喉頭筋とされています。
茎突舌骨筋
側頭骨の茎状突起から舌骨へ。
舌骨と舌根を持上げます。
顎二腹筋
二腹に分れ、乳様突起‐舌骨‐下顎と結ばれている特異な形の筋です。
舌骨と舌根を持上げ、舌骨を固定します。
顎舌骨筋
下顎(下顎結合より第3大臼歯まで)から舌骨へ。
舌骨と舌根を持上げ、口腔底を持上げます。(舌骨が他の筋肉の影響で固定されているときは下顎の下制)
オトガイ舌骨筋
下顎のオトガイ棘から舌骨へ。
舌骨と舌を持上げます。

声帯
人間の喉頭には、二対の声帯があります。
一対は喉頭蓋軟骨から甲状軟骨の角までひろがっている仮声帯で、物を飲み込んだとき声門を狭くします。仮声帯の下には披裂軟骨から甲状軟骨の角までひろがっている真の声帯があります。筋肉が披裂軟骨を体の中央へ回転させる(声帯をゆるめて長くする)と低い音に、体の両脇の方へ回転させる(声帯を短くして緊張させる)と高い音になるので、自由に音のピッチをコントロールできるのです。
甲状軟骨板の角度が声の高低を決めます。
声帯構成にはさまざまな観点がありますが、ここでは三層に大別します。

以上のように、喉周辺の器官組織は微細で複雑な構成を成しています。
どんなに小さい筋肉でも重要な役割があって、発声に関与しているのです。何気なく生活していると、通常「声は勝手に出るもの」と思ってしまいますが、人に聞かせて影響を与える声を出すには、それ相応のメンテナンスが必要であるのも理解できるでしょう。

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~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2008-03-07 00:38