高音が正しく出ているかをチェックしよう!


高音が正しく出ているかをチェックしましょう。

① 輪状甲状関節の可動範囲を調べる

② 輪状甲状筋の状態を触知検査で探る

この二点で、声を出さなくても、正しく高音を発しているかどうかがわかります。
今日はその方法を解説します。
まずは、輪状甲状関節の可動範囲。
一方の手で甲状軟骨翼を母指と示中指でホールドします。
このとき喉頭を深奥化させないよう十分に気をつけましょう。
もう一方の手の母指と示指で輪状軟骨体側面に触れます。
最初に、そっと引き出します。
これが輪状甲状関節のスライド運動のチェック。
軽く前に1㎜以上引き出せたら合格。
次に輪状軟骨を上制させます。
手前から弧を描くように持ち上げるのがコツ。
これが輪状甲状関節のヒンジ運動のチェック。
角度で10度以上変化すれば合格。
さて、今度は輪状甲状筋の触知検査。
利き手の母指と示指で輪状軟骨上端と甲状軟骨下端に優しくタッチしましょう。
すると、輪状甲状筋四葉の全体像が把握できます。
ここで薄くて判別できない場合…、そう、筋肉を使っていない証拠。〔なお、フラップマッスルや甲状腺の状態によって探査できないケースも多々あります〕
つまり、正しい高音が出ていない。〔この状態でも「僕は高音を出せるよ」とおっしゃる方は、声帯筋を固めで出すタイプ。金属音的な硬い高音なのです〕
緻密な触知検査で、おおよその形状がわかるひとから、斜部垂部が独立してプリプリわかるひとまで、さまざま。
発声の筋力は筋肉の横断面に比例しますから、筋肉が発達していれば輪状甲状関節は強く大きな動きであると判断しても良いでしょう。
なお、輪状甲状関節が動いているひとは輪状甲状筋を鍛える環境にありますが、輪状甲状関節が動かないひとは、まずはこの部分の可動改善が必須でしょう。



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追記1:上述のチェック時の写真は載せません。マネしてケガ(筋膜損傷や筋断裂など)するひとが出てきますからね。 発声関与筋は小さく脆弱で疼痛感覚も少ないため、場所や程度を誤ると、ほんの少しの力でも損傷します。そのようなケースを多く知っています。




追記2:輪状甲状筋の運動ベクトルは垂部も斜部も上制頚椎方向。しかし、喉頭は茎突咽頭筋と茎突舌骨筋で吊り下げているため、高音発声時、甲状軟骨の下制が、若干、認められます。

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by aida-voice | 2016-12-14 00:13