声の短問短答【続編】455


「上咽頭収縮筋と中咽頭収縮筋と下咽頭収縮筋と輪状咽頭筋を探り分けているって本当ですか?」

はい、精緻な触知でおおむね判別できます。
摘出喉頭(解剖は医師)によって検証しているため、ある程度は正確だと自負しています。
ただし、例外〔レアケース〕が多いのも外喉頭の特徴ゆえ、完全無欠ではないことを付記しておきます。
さて、探る手法です。
甲状軟骨板後端に指先の一点を当て、縁に沿ってスッと滑らせていくと、筋線維の走行が変わったり乱れたりするポイントがあります。
ここが移行部です。
なお、広頚筋の筋線維に惑わされないよう気をつけましょう。
探し出した移行部の甲状軟骨板内側面に指を差し入れ、必ず再確認してください。
また、中咽頭収縮筋は舌骨と並行する筋線維や結合織の硬いひとも多いため、探りやすい部位ではないかと考えます。
下咽頭収縮筋と輪状咽頭筋の境目を見つけるのが最も難しいと感じています。
輪状咽頭筋は咽頭収縮筋輪状部とも言われるほど区別が曖昧ですからね。
各咽頭収縮筋にピンポイントマイクロストレッチを施すことで、過緊張性発声の緩和や発声運動の増進などが期待できます。



声の短問短答【続編】455_e0146240_20311938.jpg



追記:相変わらず素人敢行による事故(発声関与筋の肉離れや反回神経麻痺)が絶えません。ボイスケアを受ける際は、十分な知識と卓越した技術を有する先生を探し出して依頼してくださいね。





喉と声のスポーツトレーニング&リラクゼーション
 ボイスケアサロン
 會田茂樹|あいだしげき 




Detailed voice dictionary
 
声の短問短答【続編】455_e0146240_11353490.jpg
 




~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。





by aida-voice | 2016-11-13 00:02