音程を変えるとき首を動かす仕草の本質


ピッチを変化させる際、首を回したり頭部を揺らしたりする歌手がいます。
いいえ、その他にも、背を伸ばしたり腕を振り上げたりと様々です。
観察していると、こぶしをきかせる演歌歌手や大声量で歌い上げるオペラ歌手に多く見受けられます。
どうして動かすのか?
まずは、歌声の音程はどのように変えるのか?
その根本の動き(運動)知りましょう。
アコースティックギターで例えて解説。
ギターのピッチは、弦の太さと張り具合で操作しますよね。
ヒトも同じで、声帯の四大行為〔①開閉、②伸縮、③硬軟、④厚薄〕の内の、②伸縮、③硬軟、④厚薄、の3つを組み合わせて音の高さを変えます。
伸縮に関して、声帯ヒダは声帯筋と声帯粘膜に大別でき、声帯筋は自己収縮できるが自己伸長できないため、喉頭周辺筋の助けが必要です。
硬軟と厚薄に関しても、同様に声帯筋と周囲の筋肉が人知を超えた動きを呈して、それらを完成させます。
しかし、その感覚を正確に有するひとはいません。
そこで、ある動きを求めるための初動行為の一つとして首を回したり頭部を揺らしたりするものと考えられます。
これは他のスポーツ選手でもちらほら目につきます。
野球のバッターが打つ瞬間に足を移動させたり、走高跳の選手が助走開始の瞬間に大きく後ろに下がったり、など。
タイミングを取ることと、その筋肉の運動誘発の仕草。
手法は多種多様で個人によって異なります。
それをルーティンと呼ぶケースがあることはご承知の通り。
歌に戻ります。
どうやって音程を変えているのかわからないため、繰り返しの練習の中でうまくいく誘因所作を作り、それを記憶させ、常に正確なピッチコントロールを目指します。
それさえ叶えば、本番でも恐れず歌唱できるはず。
ただし、あまりに動きが大きかったり奇異な動きだったりする場合は、見ているひとが不快に感じるかもしれませんので、突拍子もないアクションは避けた方が賢明です。


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 會田茂樹|あいだしげき 





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by aida-voice | 2016-06-02 00:24