声の短問短答【続編】401


「発声時頚部ジストニアの治療法は無いと聞きましたが事実なのですか?」

わたしは専門医師ではないため詳しくお答えできません。
これまで、一色クリニック(音声専門病院の草分け)・はぎの耳鼻咽喉科(声楽家から絶大な信用を得ている病院)・東京ボイスクリニック品川耳鼻いんこう科(日本屈指の名医!)で、外喉頭外来を担当し、数多くの症例に携わってきましたが、何よりも、ジストニアの診断基準が医師によって定まっていないことに驚きを禁じ得ません。
A医師は「あなたは痙攣性発声障害(SD)です」と診断、B医師は「あなたは発声時頚部ジストニアです」と診断、C医師は「あなたは音声震戦症です」と診断、そして、D医師は「あなたは病気ではありません」と診断します。
ここで言えることは、どの病変を患っても、① 発声関与筋の過緊張、②外喉頭筋群の筋硬度上昇、③ LDP(喉頭深奥ポジション)の3つを必ず呈すること。
確かに、わたしには語る資格はありませんが、二万人もの外喉頭を調べてきたことから、痙攣性発声障害や発声時頚部ジストニアと診断されても、改善の余地がある事実は否定できません。《つまり、本当にその病気かどうかは、後々でしか判断できないファクトがあること!》
まずは、各種の精密検査で外喉頭の様子を正確に調べましょう。
あなたの病気を決めた医師は、発声にかかわる筋肉の状態と動き具合を調べましたか?
声帯は、収縮を除き、自分では動きません。
そう、周辺の小さな筋肉で動かされているのです。〔あくまで他動的運動なのです!〕
何よりも発声の真実を知ってください。
それが、わたしの最大の望みです・・・

e0146240_23384876.jpg





追記:発声時頚部ジストニアは、メンタルにも大きく関与すると感じています。それは、数も感覚も曖昧な喉の小さな筋肉の作用による声の生成の事実に因ります。ピアニストや画家が、ある日突然、弾けなくなったり描けなくなったりするのと同じ。でも、スランプとはまったく違います。心が昂り、精神が高揚し、その結果、神経伝達や回路に破綻をきたす症状がジストニア。わたしには器質的疾患なのか機能的疾患なのか判断はできません。しかし、外喉頭から調べると、筋硬度や喉頭ポジションが特異な状況を示しています。それらを取り除くと、案外簡単に症状が治まるケースも多数みてきました。お役に立てるかどうかは、実際にアプローチを続けなければわかりませんが、声で悩む皆さまの快癒を心から願うばかりです・・・





喉と声のスポーツトレーニング&リラクゼーション
 ボイスケアサロン
 會田茂樹|あいだしげき 


 
by aida-voice | 2016-05-09 00:02