食道発声【二段階アプローチ】


声を失うのは本当に辛い。
心中お察し申し上げます。
癌などの病気で喉頭を摘出するということは、アコースティックギターで例えるなら絃を無くすこと。
そう、音を作り出せない・・・
打つ手はないのでしょうか?
いいえ、そうでもありません。
ギターの場合、胴(本体)をたたいたり、サウンドホール部をはじいたりして音は作られます。
実は、食道発声は、これに似ています。
もちろん、絃をつま弾いた超美音は無理ですが、音楽を奏でたりアートにしたりするのは可能。
この最大ポイントは、通常発声と同様、咽頭共鳴腔の活躍に集約されます。
当サロンでは摘出喉頭者の発声力&声質の改善に全力で取り組んでいます。
アプローチは二段階あります。
まずは、何より手術部の瘢痕・癒着を取り除くこと。
これは、甲状腺摘出手術のケースと同じ。
精密な手技で瘢痕・癒着を取り除き、軟部組織の可動を担保させます。
次に、温存された筋肉の復活始動と咽頭共鳴腔の確保。
当サロンの各種機器とピンポイントマイクロストレッチが有効です。
これらによって、外喉頭筋の運動性がアップし、咽頭共鳴腔の空間が増します。
そう、倍音形成が叶い、声に音色が生まれます。
訓練によっては正確な音階も可能です。
残念ながら元の完全な声に戻ることはありませんが、おしゃべりを楽しんだり歌ったりすることができるようになるのです。
さあ、もう一度、素敵な声を得てくだい!

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追記1:当サロンは、食道発声の声質を高めるもので、癌を治したり喉頭を再生したりする治療は行っておりません。個体差も激しいため施術効果の確約もしておりません。また、術後、1年以上経過すると瘢痕・癒着が固定化され、改善率が低くなります。その際は受術をお断りすることもありますのでご了承ください。




追記2:大がかりな手術によって咽頭共鳴腔が利用できない場合、口腔共鳴腔と鼻腔共鳴腔の交差点を代用させます。これは、手術で輪状甲状筋を取り去ったケースにおいて、胸骨舌骨筋を鍛え上げて高音発声を可能にするのと似ています。昔、輪状甲状筋を失ったテノール歌手を復活させた実績を有します。
by aida-voice | 2016-02-07 17:00