北村友祐先生からの質問


優秀なボイスアドバイザー北村友祐先生から素晴らしい質問がありました。
「LDPによる嗄声と声帯炎による嗄声の声質の違いは?」
LDPの場合は、甲状軟骨が頚椎方向へ移り、その結果、披裂軟骨小角が圧を受けて回旋が強要され、声門が開くために嗄声が生じます。
声帯炎の場合は、声帯ヒダが炎症を起こして肥大することで声門が開き嗄声が生じます。
この両者では、嗄声時の声質、つまり、音色が異なります。
LDPは、単に声門開大が強要されるだけで、通常の声に息漏れが加わった音色。〔過緊張性声を伴うケースが多々〕
声帯炎は、声帯ヒダの重量が増すため、低くなった声に息漏れが加わった音色。〔一般的にはガラガラ声〕
このように違いがあるのです。
わたしが聞こえてきた声だけで、喉で何が起こっているのか推察できるのも、このようなポイントに傾注しているからなのです。
実に秀逸な質問ですね。
北村先生のさらなるご活躍を楽しみにしています。

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追記1:嗄声は「させい」と読み、かすれ声や枯れた声の意味。根本は、声帯ヒダがピッタリ閉じない状態で呼気が通過した際、空気が漏れ出して声帯ヒダが完全には振動しないことを指します。つまり、空気圧のエネルギーが、声のエネルギーに変換されない効率が悪い声。ただし、息漏れの声はハスキーとも称され、上手く利用すると「セクシーな声」「色気ある声」と評価されることもあります。なお、病的な嗄声は、声帯炎や声帯結節だけでなく食道癌や心臓疾患などの可能性もありますから病院で検査しましょう。





追記2:LDPと過緊張性発声は密接な関連を持ちます。LDP状態のひとは、程度差はありますが、ほぼ100%過緊張ぎみの声を呈しています。その逆も然り。ただ、LDPは喉頭の位置を表す造語で、喉筋を硬くする単なる癖。過緊張性発声も、度を越していなければ、病気ではなく個性の範疇。ドキドキ緊張する場面でしゃべるとき、結局、誰もが喉筋に力を込めた過緊張性発声をしています。






~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。





by aida-voice | 2016-01-04 12:11