茎突舌骨靭帯断裂の症例


音声専門の病院にかかった際、先生(医師または言語聴覚士)から「自分で喉のマッサージをしなさい」と告げられ、せっせと勤しんでいたところ、突然、左顎下の喉に痛みを感じ、その後、不調が続いたため当サロンにお越しになった方がいます。
主な症状として、①ピンポイントの小さな自発痛、②嚥下時のクリック音と痛み、③低音発声時のクリック音と痛み、④声が出し辛い、⑤喉の詰まり感、などが挙げられます。
触知検査とビデオ検査で詳しく調べたところ、片側茎突舌骨靭帯の断裂を認めました。
靭帯が切れたわけですから、並走する茎突舌骨筋も傷んでいる状態。
外見からの判断は難しいのですが、細密に触れていくと、①切断部がくぼんでいる、②舌骨が正中にない、③舌骨引き出しテストで左右差が生じる、④患部に圧痛が存在、⑤内出血後の瘢痕、⑥発声時に作動する筋肉がシンメトリーでない、⑦外傷後LDP、などがわかります。
この部位の靭帯をつなぐ手術は聞いたことがありませんので、喉頭カラーや喉専用テーピングで固定して治癒接続を促すと共に、顎二腹筋の強化によって代替作用させる方法で改善を目指します。
喉の自己マッサージには十分ご注意ください。
なぜなら、どこを、どのくらいの力加減で、どんなふうに、どのくらいの時間をかけてマッサージすればよいのか!?
あなたは知っていますか?
それらを正しく知っていれば問題ありませんが、それ以外は論外ですよ。
ただ、最悪、片側反回神経麻痺を引き起こしても、声が出なくなるだけで、死に至ることはありません。〔両側閉鎖タイプの場合は呼吸困難の可能性があります!〕
そう、最後は自己責任。
お大事に・・・

e0146240_19531152.jpg






追記:明確な数も感覚も動き具合も曖昧な発声関与筋。わたしも、日夜、精進しているつもりですが、真に小さく細く、さらに破格(レアケース)も多いため、喉の手技は本当に難しいと感じています。
by aida-voice | 2015-08-28 20:11