声の短問短答【続編】353


「歌の先生が準備体操の一つとして、喉仏を掴んで引き出すよう教えてくれました。これは行っても安全なのでしょうか?」

論理的には正しいと思います。
ただし、LDP状態や筋硬度の高いひとは、リスクが生じることもあります。
これまで、自身で喉頭を引っ張り出して負傷したケースを多数みてきました。
多くは咽頭収縮筋の筋断裂やフラップマッスルの筋膜損傷など。
また、ごく少数ですが、自己マッサージで反回神経麻痺を生じた方も知っています。
声のために行った行為が、一生涯、声で苦労する。
そんな事故にならないようお祈りします。
最後は、自己責任・・・

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追記:喉頭が十分に柔らかいひとは、多少、無造作に扱っても事故はほとんどありません。しかし、上記のようなLDPや喉頭筋硬化(計測値30Tone以上)を伴うひとは、最大限の注意が必要です。想像してみてください。股関節の硬いひとに無理やり180度開脚させたらどうなるか。これと同じ。さらに、発声関与筋は感覚が希薄なため、どの程度の強さで行えば良いか知るひとは皆無でしょう。ケガをしてからでは遅いのです。




※フラップマッスル:胸骨舌骨筋、肩甲舌骨筋、胸骨甲状筋など、喉頭外を起始として喉頭を覆っている発声関与筋(嚥下摂食を含む)のこと






~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。





by aida-voice | 2015-08-01 03:25