声の短問短答【続編】330


「つんくさんが声帯を取ったニュースが流れていますが、もう一度、歌えるようになりますか?」

とても辛いニュースですね。
まず、つんく♂さんは喉頭がんで声帯を摘出したと報道がありましたが、それ以上詳しい情報を知りません。
これまで、わたしは喉頭がんの手術後の声を回復させる施術を数多く行ってきました。
それらの経験から、摘出部位によって改善策が大きく異なってきます。
まず、ニュースのごとく声帯の摘出。
これは両側なのか片側なのか?
どのあたりまで廓清したのか?
前庭(仮声帯)や声帯周辺の軟部組織は温存されているのか?
次に、甲状軟骨を取り去ってしましったケース。
舌骨は残っているのか?
食道への浸潤は?
そして、喉頭の手術のすべてに関係するもの。
術後の瘢痕・癒着の状況は?
反回神経麻痺は無いか?
これらが正確にわからなければ具体的な方法は見つかりません。
もし、声帯のみの摘出なら、前庭ヒダの可動性を高め、代用を目指します。
ただし、前庭ヒダは披裂軟骨に付着する筋肉が明確でないため、かなり困難を伴います。
ポイントは、甲状披裂筋と輪状甲状筋の相乗的運動性アップの確保。
次に、喉頭全体を摘出している場合は食道発声の訓練が必要になります。
このような患者さまも多くいらっしゃいますが、ポイントは咽頭収縮筋の随意的運動の獲得。
下咽頭収縮筋の輪状咽頭部(あるいは輪状咽頭筋)と共に輪状甲状筋を連動させればピッチコントロールも夢ではなく、もう一度、歌声を取り戻せる可能性も出てきます。
さらに、手術創周辺の瘢痕・癒着をしっかり解除して咽頭共鳴腔が使用できれば、手術前と同じにはいきませんが、声質(音色)もかなり向上します。
残念ながら、わたしにできることはこの程度・・・
わたしは医師ではありません、発声環境を整え、その能力を高めるだけ。
つんく♂さんのご健康とご多幸をお祈りするばかりです。

e0146240_15323956.jpg






~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。





by aida-voice | 2015-04-07 15:34