声の短問短答【続編】309


「緊張すると声が高くなるのはなぜ?」

緊張すると体の筋肉は硬くなります。
そう、誰でも。
他のスポーツで思い出してください。
バットやラケットを使う競技で、緊張しすぎると腕が縮こまって、大きなスイングができなくなります。
これと同じ。
発声の場合、過度の緊張によって、声帯筋が硬化し、意図せず音声が高くなってしまいます。
なぜ高音化するのか?
それは、緊張して声帯の筋肉がギュッと縮むからです。
実際、声帯筋の場合は、縮んで硬くなっても、伸びて細くなっても、声は高くなります。
しかし、音色に違いがあります。
縮んで硬くなったケースは、声帯ヒダの振動率が悪いため、小さく硬い高音(金属音的)になります。
伸びて細くなったケースは、声帯ヒダの動きがしなやかで質量が下がるため、余裕ある美しい高音になると考えます。
音楽的に優れているのは後者でしょうね。〔ご存じのように、声帯ヒダを伸ばし細くするのは、輪状甲状筋の役目なのです〕
よって、あなたの知り合いが、会話時や歌唱時に、普段より不自然に声が高く聴こえるときは、それは緊張している証拠。
この原理を理解していれば、相手の心理状態を見極めるコツにもなりますね。

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追記:個人差はありますが、興奮しても外喉頭筋が硬化する現象を確認しています。ライブのステージ上で興奮しすぎて、声が詰まったり、か細くなったり、甲高くなったりするのは、その結果でしょう。





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緊張時の発声による硬く閉じた声帯ヒダ
《医師協力による喉頭ファイバー写真》

by aida-voice | 2014-12-24 19:39