声の短答短問【続編】263


「整形外科で頚椎椎間板ヘルニアと診断されましたが、これが嗄声の直接的な原因でしょうか?」

いいえ、違うと思います。
間接的な影響はあるかもしれませんが、神経支配の根本が異なりますので、直接的な原因ではありません。
頚椎椎間板ヘルニアに関与する神経は、頚椎から出て腕神経叢等を経由し腕から指先へ向かいます。
嗄声に関与する神経、つまり声帯ヒダを閉じる神経(反回神経や上喉頭神経の一部など)は、頚部から出て喉頭へたどり着きます。〔反回神経は心臓近くまで迂回〕
したがって種類および趣旨が異なることになります。
頚椎椎間板ヘルニア罹患で嗄声に陥る可能性は少ないと考えます。

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※嗄声とは「させい」と読み、かすれ声やかれ声を意味する

追記:間接的な影響は何かとの質問を得ました。解説しましょう。頚部の痛みを伴った場合、首周辺の筋肉が痛みを避けるため、ある逃避状態を呈します。答えは、筋肉を固めること。それが前頚部にも波及し、頚椎方向へのベクトルを持つ発声関与筋も無自覚に収縮し、喉頭全体が深奥化してLDPになってしまいます。LDPによって、披裂軟骨小角に圧が加わり、声門開大が促進され、息が漏れ嗄声となるのです。これまでLDPが原因による嗄声に多く出会ってきました。耳鼻咽喉で声帯に問題はないと言われたにもかかわらず嗄声がおさまらない方は、一度、LDPの検査(グライディングテストやビデオ検査など)をお薦めします。

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by aida-voice | 2014-08-04 10:52