DVD「3大テノール世紀の競演」はジャンルを問わずためになる!


1990年7月にローマのカラカラ浴場で開催された初の3大テノールの競演。
ルチアーノ・パヴァロッティ、プラシド・ドミンゴ、ホセ、カレーラスは、当時の世界トップ・オペラ歌手。
そう、共演でなく競演なのです。
同じ題目で競っているのではありませんが、3人とも「私が一番だ!!!」との強い思いを込め、持てる最大の力を出し切って歌っています。
歌う順番でもめるほど。
実際に映像でも確認できます。
それゆえ、息をのむほどの圧倒的な歌声のオンパレード。
人間の声の凄さに驚嘆するはず。
そして、この3人の画像と音声が、わたしたちの歌唱に大いに役立ちます。
まず、これまでのオペラや声楽のDVDでは、歌手の首から上のズームアップ画像が少ない。
しかし、このローマバージョンは、超弩アップ!
歌唱時の、喉頭・顎・口・舌・唇(くちびる)の使い方が、手に取るようにわかります。
わたしの外喉頭の研究のために撮影&録音してくれたのではと思うほど。☜ 感謝します!
他のDVDでは絶対ありえません。
これまでに自分用3枚〔どこにいても視聴できるよう〕、プレゼント用5枚〔もっと多いかも!?〕の計8枚以上も購入しています(微笑)
さて、この3人の歌い方の特徴を簡潔に記しましょう。
どこを使って素晴らしい歌声にしているか、是非、知ってください。

● ルチアーノ・パヴァロッティ:咽頭共鳴腔
● プラシド・ドミンゴ:舌(舌尖を立てる手法)と上咽頭
● ホセ、カレーラス:口と唇


これらによって、それぞれの個性豊かな音色に仕上げています。
どれが一番良い、誰の手法がベストとは言えません。
なぜなら、ヒトの喉頭の個体差や求める音楽性によって、ある程度、決まってくるから。
あなたが、どんなにパヴァロッティの真似をしても、中咽頭付近に結合織線維が豊富で舌骨大角を取り巻いていたら、咽頭共鳴腔を活かすことが難しくなります。
その場合は、舌骨に付着する筋群をピンポイントマイクロストレッチによって柔軟性を獲得させるか、他の方法を選択するしかありません。
結局、歌声の良さは、この3人の方法が主となります。
つまり、自分の喉の構造を正しく知り、これらの歌い方を解釈して取り入れれば、他を考える必要はないほど。
歌のジャンルを問わず、本当に勉強になりますよ。

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追記1:「3大テノール世紀の競演」のCDも売っていますが、DVDで音と共に各部位の動きを穴が開くほど見て検証してください。以前も書きましたが、この後の3大テノールの歌唱は、競演でなく友演のようになり、全力を出し切っていないような気がします。まあ、3人の和気あいあいとした様子を楽しむなら、他の3大テノールDVDは最高のエンターテイメントですよね。なお、「3大テノール世紀の競演」の映像を見られる媒体として、1990年にレーザーディスクが、1997年と2006年にDVDが、発売されました。現在は、店頭に在庫がなければ、購入できません。借りるか、中古で買うか、再度発売されるのを待つか・・・




追記2:あなたの喉の構造(形状や向いている声種など)は、初めてお越しになったとき、ビデオ&触知検査を行い、外喉頭周辺予想図(外皮より)を作り、詳しく説明しています。なお、外喉頭周辺予想図ですが、喉頭深奥ポジションや過緊張性発声なんどで正確に把握できないケースもありますので、あくまで予想図として認識してくださいね。下図が一例です。
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追記3:わたしは、DVDだけでなく、日本や海外のオペラ劇場やコンサート会場で、ルチアーノ・パヴァロッティ、プラシド・ドミンゴ、ホセ、カレーラスのそれぞれの生声の様子と生喉の動きを、何度も何度も視聴&観察してきました。彼らのライブボイスの凄さは言葉では表せません。非論理的な極論、歌声に魂を感じるから。




追記4:オペラや声楽を聴くときの、お気に入りコンポーネントは、DVD再生は外付けブルーレイプレーヤーとVAIOのPC、USB DACはヘーゲルのHD25、プリメインアンプはジェフロゥランドのコンティニュアム2、スピーカーはフォーカルのスカラ・ユートピアです。ジェフロゥランドの得意とする深く静かな音と400W×2(8Ω)のパワーが、フランスらしい色艶を感じさせるスカラ・ユートピアを壮大かつ繊細に駆動させ、人間の発する歌声のポテンシャルを最大限に引き出します。一日中聴いていても飽きることはありません。(声の再生には点音源としての小型スピーカー、可能なら同軸ユニットが、お勧めでしょう。しかし、オペラや声楽では、演奏がオーケストラなどのため、全音が集中しすぎると、音像が不明瞭となってバランスが悪くなります。それゆえ、わたしは多少大きなスピーカーを用いています)
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~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。





by aida-voice | 2014-07-02 03:03