どんなに偉大な歌手でも声の調子にナミはある!


ルチアーノ・パヴァロッティやフィオレンツァ・コッソットでさえドタキャンがあるのです。
ドタキャンの常習者と言われたほどのパヴァロッティの代役で一躍有名になったのがサルヴァトーレ・リチートラ。
彼とマルセロ・アルバレスが、2003年6月ローマ・コロッセオ前で開催したライブのDVD「デュエット」は、わたしのオペラ・声楽部門DVDベスト3の一枚です。
蛇足ですが、マイナンバーワンDVDは、もちろん「3大テノール世紀の競演」です。
ローマで繰り広げられた3人(ルチアーノ・パヴァロッティ、プラシド・ドミンゴ、ホセ、カレーラス)の命を賭した歌唱は、わたしが本気でオペラを学ぶきっかけとなった作品。〔これ以降の3大テノールは、馴れ合い的なイージー歌謡の感がして好んでは聴きません〕
世界中の誰よりも見た回数が多いのではと自負できます!
次に、2007年のフィオレンツァ・コッソットのドタキャンについて。
実は、当時、この公演主催会社の社長と懇意にしており、過去にコッソットさんとは楽屋で会っています。〔とても素敵なレディです〕
本番当日、急に声の不調を訴え、降板。
社長が舞台でお詫びする始末。
大きなブーイングに心を痛めました。
このように、世界的なオペラ歌手でさえ、突然の不調に襲われ、歌えなくなるのです。
したがって、皆さんの歌唱状態にナミがあっても不思議ではありません。
「昨日の歌声は良かったけど、今日はピッチやリズムが安定しない・・・」
こんなことは日常茶飯事と思ってください。
なぜ?
そう、発声は、声帯と外喉頭筋と呼吸のコラボレーションによるアート。
湿度や睡眠などで、声帯粘膜の厚さが変化し、声は変わります。
軽い咳・くしゃみやストレスなどで、外喉頭筋の動き具合が変化し、声は変わります。
姿勢や疲労などで、歌唱用の呼吸状況は変化し、声は変わります。
ほんの小さな出来事や行為で、声に大きく影響します。
そう、毎日、毎時、毎分、目まぐるしく変わるのです。
だから、ナミがあっても当たり前。
では、少しでもナミを減らすには?
以下に概要を箇条書きでお伝えします。
ⅰ上喉頭動脈の血流確保
ⅱ外喉頭筋(発声関与筋)の柔軟性の確保
ⅲ外喉頭筋(発声関与筋)の筋力アップ
ⅳ通常呼吸と歌唱用呼吸の差別化
ⅴその他、精神衛生面の管理
もう一度、声の5大原則を思い出してください。
歌は、フィジカル×テクニック×メンタルで決まることを・・・

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追記:一流歌手のドタキャンを少し擁護すると、プロは最高のパフォーマンスを聴衆に提供するのが唯一の仕事。そう、感動を与えなければなりません。もし、その時点で、それが叶わないと判断したなら、離脱するのも本物のプロ。日本人歌手に真似できない潔さは、評価すべき点かもしれません。でも、その歌手の歌を楽しみにしていたひとにとっては、残念で辛い・・・。だからこそ、喉の整備は必要なのです。あなたは大丈夫ですか?
by aida-voice | 2014-06-24 12:12