声の短問短答【続編】234


「甲状軟骨が大きいと、声質は良いけれど、発声運動の速度は落ちやすいって本当?」

はい、おっしゃる通りです。
甲状軟骨や舌骨の形状が秀逸なら、喉頭室、梨状陥凹、咽頭共鳴腔が大きくなりますから、音色は良くなると考えます。
これは、一般家庭にあるアップライトピアノより、ホールにあるグランドピアノの方が音は良いとされる理由と一緒。
音は空気の疎密波。
つまり、空気の振動である響きです。
グランドピアノは、アップライトピアノより、響きを作る空間が大きい。
喉頭が大きいほど、響きや音色を構築する共鳴腔も大きくなります。
ただし、甲状軟骨や舌骨が大きくなると、質量が増します。
そう、重くなるのです。
発声は筋肉による運動です。
重量が増すため、運動性能が低下する懸念があるのです。
中でも、スピードとスタミナ。
発声関与筋のスピードが落ちると、ピッチとリズムの安定性が損なわれます。
スタミナが落ちると、長く歌っていられません。
このように、甲状軟骨が大きいと、声は良くなりますが、発声環境が悪くなる可能性もあるのです。
そこで改善対策。
何よりも発声関与筋の柔軟性と伸長度合を高めてください。
柔らかくしなやかに伸びる・・・、言葉を返せば、縮むスピードが優れている。
ここに答えがあります。
当サロンでも、まずは発声関与筋の柔軟度と伸長度の獲得、続いて筋力と収縮力を高めるための喉頭専用低周波等を使用します。

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追記1:甲状軟骨が大きければ、必ず声が良いとは限りません。レアケースですが、喉頭内部の軟部組織量が多かったり、共鳴腔が倍音構成に適していない形状だったりする場合、豊かな音声は得られません。このあたりも個性の範疇と考えます。



追記2:甲状軟骨が大きいひとは、小さいひとに比べ、LDPになりやすい傾向にあります。力尽くの発声や無茶な歌唱には十分ご注意くださいね。


 
by aida-voice | 2014-05-26 15:47