声の短問短答【続編】222


「太ったオペラ歌手が『発声のメカニズムは楽器と同じで、太ると共鳴が増えるため歌声が良くなる』と言っていましたが正しいの?」

発声のメカニズムは楽器と同じと言うフレーズは正しいと思います。(実際には、発声のメカニズムは楽器の要素とスポーツの要素の掛け算のようなものですが・・・)
そして、太ると共鳴が増えると言う個所は正確性に欠けますね。
まず、基本中の基本、声は音です。
音は、空気が存在しなければなりません。
個体や液体を伝導するのは、それは音ではなく、振動と呼びます。
したがって、空気のある空間が必須になります。
これを腔(くう)と称します。
とくに、ヒトの音声に関わる腔を共鳴腔と言います。
ヒトの共鳴腔は、喉頭室、梨状陥凹、咽頭共鳴腔、口腔共鳴腔、鼻腔共鳴腔の5つ。
さて、太っていく場合、この共鳴腔も同様に広がっていけば、当該歌手のおっしゃる通り歌声は良くなる(響きや声質のみで歌唱力は別)可能性は高くなります。
以前、体重が10㎏増加した方の喉頭ファイバー写真と、太る前の写真を見たことがあります。
比べてみましたが、太ったときの方が、内喉頭が見え難いと感じました。
つまり、喉の中の組織量も増し、空間(腔)は減ったと予想できます。
もし、太っても内喉頭に影響を与えないとしても、太ることで内喉頭の空間が大きくなるケースはレアでしょう。(声帯も脂肪がつけば重くなり低音化します)
これらのことから、『太ると共鳴が増えるため歌声が良くなる』内容は正しくないかもしれませんね。
まあ、本人が、太ることで声が良くなると感じているなら、あえて否定する必要もありませんが。
そう、声の感じ方は、自由ですから!

e0146240_1954151.jpg
太っても、外側だけで、中が空洞なら、声は良くなるでしょうね ♪

by aida-voice | 2014-04-27 00:07