声の短問短答【続編】193


「輪状甲状筋を楽器の役目に例えると?」

発声は楽器に似ています。
実際は、楽器の要素にスポーツの要素を掛け合わせたようなもの。
さて、ご質問の件です。
輪状甲状筋を楽器の役目で考えてみます。
やはり、アコースティックギターがわかりやすいでしょう。
輪状甲状筋は収縮し、輪状軟骨前面上端と甲状軟骨前面下端を近づけ(基本的に輪状軟骨が上制)、輪状甲状関節を動かします。
その結果、甲状軟骨内部の前連合と披裂軟骨声帯突起の距離が増し、声帯ヒダが伸ばされます。
つまり、声帯ヒダがピンと張られ、高音化します。
これを楽器に例えると、弦を張る構造を持つヘッド部ですね。
その中でも弦を巻き付けて張りを調節するペグの動きが輪状甲状筋となるでしょう。
ギュツギュッと巻いて張力を高めれば、高音が奏でられます。
そう、輪状甲状筋はアコースティックギターのペグの動きです。

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追記:喉頭模型に力の作用を書き入れました。二枚(斜部と垂部の左右計四枚)の輪状甲状関節が正中方向へ収縮します。この場合の正中は頚椎方向になります。それに伴い輪状軟骨が上制され、声帯が伸長し、高音が達成します。また「輪状軟骨上端と甲状軟骨下端の矢印の大きさが異なるのはなぜ?」との質問にお答えしましょう。基本的に、輪状甲状筋は正中へ向かうベクトルのため、輪状軟骨が上に移動すると考えてください。ただし、喉頭は、茎突咽頭筋や茎突舌骨筋などの懸垂機構によって吊り下げられ中空に浮いているため、少しですが甲状軟骨も下に移動します。これは、理論だけでなく、高音発声時の触知検査やビデオ撮影チェックによって証明されています。そこで、模型上の矢印は、輪状軟骨を大きく、甲状軟骨を小さく描いたのです。矢印の大きさが、力の大きさを示しているとお考えくださいね。



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by aida-voice | 2014-02-24 00:12